ネパール日記 ~ 下山 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

グンバの本堂で、僧侶に話しかけられた


明日ここで数年に一度の大祭が執り行われる

高層も弟子を従えてこの山を登っていらっしゃるということで


どうか明日も来てください


寺男たちもこぞって同じことを言っているようだ


だけど・・ 明日は来られない


みんな残念そうにしていた

ごめんね、でもきっとまたここに来るから



ラクスマンが早く下山しないしないと日没が近いぞ、と煽る


みなさま、ありがとうございました




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                グンバ参道にあった小さな仏様




さすがに不法侵入に湿地帯は懲りた様子のラクスマン

「帰りはこっちの道にする!」 と、山から下に見える正規の道を指差す


当たり前だろうが・・


タッタカ、タッタカ下りたいところだが、片目同然の魔女は遠近が掴めない

途中でラクスマンが崖突っ切りの獣道で立ち止まり

こっちから行けるか? と訊ねた


それで、どうせガチャ目ならどこだって同じだろうと思い

「行ける!」 と答えた


しかしそこは恐ろしく急な崖で

さすがに必死で降りていたが、岩はゴロゴロしてるし、滑るし

滑ってしまって思わず草を掴んだら、それがトゲトゲの木で

手のひらには刺が刺さりまくった


痛いよ~あせる 痛いよ~あせる



そんな時、下から若い夫婦と思しき男女が登ってきた


ほらぁー! やっぱりサンダルじゃん (ビーチじゃないけど)



私がこんな目に遭うのも単にトレッキングがいけないんだ!


いや、本当にトレッキングシューズがヤバい

こんなに歩きにくい靴は初めてだ


魔女はすれ違いざまにその若い妻に


(歩きにくいよー もうやだよー) って表情で訴えた


すると彼女は滑りそうになっている私の手を掴んで一生懸命に支えてくれた


先にすれ違った夫が笑っている


ちょっと! 笑わないでよ、この靴のせいなんだからね!


夫婦は わかったよ、みたいな表情をして心配そう笑顔でこちらを振り返りながら登っ行った


その後・・

ラクスマンが 「さあ、僕のところまで思い切って駆け下りておいで」 と、足を開き、両手を大きく広げて呼びかける



まじょねこ日記-Laxman
                                        家族ちぃの写真から拝借



それに答えた私がバカだった・・


言われた通りに駆け下りてやったのに

アイツ、勢いづいてる私を支えきれなかったのか何だかわからないが


気がついたら魔女は地面に仰向けに転がっていた


慌てて抱き起こそうとするラクスマンが、抱き起こし損ねたのか何だかわからないが


気がついたら私、横向きで地面に転がっていた


それを見て大笑いする家族ちぃ

大笑いするしか他に手がないラクスマン

あまりにバカバカしくて大笑いする魔女


私たちの笑い声は山々に響き渡り

先ほどの夫婦も振り返り、つられて笑ってる

笑い声はきっと先程までいたグンバにも届いたに違いない


土に塗れた体で立ち上がる自分

そんな自分が意味もなく可笑しい


そんな魔女の服を叩きながら

ごめんなさい、ごめんなさいと言っているのであろうが笑い過ぎてよだれが垂れてしまい、何を言っているのかわからないラクスマン


そして海老反りで笑い続けて気絶しそうになっている家族ちぃ


私たちは止まらない笑いを抱えて歩き出す


そこにデイブからの電話

デイブに言い付けてやったぜ  この一部始終を


デイブは 「何だか嫌な予感がしたから電話してみたんだよね・・」 って、私の体の打ち身の心配とかしてくれた


電話を切って 「デイブだけが真剣に心配してくれたわ!」 と言ったら


「そりゃ、あの滑稽な魔女の姿を見てないからさ」 


ラクスマンがよだれを拭いながらそう言った



何ってんだ!  何もかもおまえのせいだろうがよっ! 





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                   これがこの日ガチャ目で登頂した山



やっと道に出て

川原を歩く


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                     壊れた何か・・




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                     向こうにはヒマラヤ




歩いていると牛の群れに出会った

その中の一番立派な牛と目が合った


暫く見つめ合った後

歩きだしたら・・


        まじょねこ日記
               牛が群れを引き連れてついてきてしまった



そのうち帰るだろうと思っていたが、ずっとついて来る・・

困った私は牛さんの前に立ってこれ以上ついてこないように話す



        まじょねこ日記
                    牛さん説得中



しばらく話して、何とか説得に応じていただいてホッとした




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        この土地の乗り物はこれが一般的    (たまにしか見ないけど)




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            ヒマラヤに雲が降りて夕暮れが近づく



ジョムソンまでもうひと頑張りだ