新年会はつづく・・
そのうち私、ヤマネコが中学時代は金持ちだったという話になった
話は少し逸れるが
私、中学時代にこちらに越してきまして、そこで親友が出来た
それはなぜか通っていた中学の番長という・・
しかし彼は決して番長ってタイプでなく
なんで彼が不本意ながらそうなってしまったのかというと
この親友は男ばかり5人兄弟の下から2番目
だから母親は日々忙しかったんだろうね
当時母親は中学校には制服がある、ということを全く把握しておらず
中学入学にあたって、彼に真っ赤なセーターを新調した
それまで古着ばかりを着ていた彼は、喜び勇んでそれを着て入学式に望んだわけで
当然、黒い制服の新入生の中で、真っ赤なセーターは際立っており
それは取りも直さず先輩から目をつけられる、という流れとなって・・
彼は速攻で呼び出され、ボッコボコにされるかと思いきや
先輩連中をボッコボコにしてしまった
それまで彼は自分が喧嘩が強いということを知らず
そのことで一番驚いたのは当の本人だった
彼は自身が好むと好まざるとに関わらず、1年生にして番長と呼ばれるようになった
その噂はあっという間に広がり、他校の生徒からも喧嘩を売られ
よって彼の喧嘩の才能は急激に開花していったのだった
とにかく頭脳的な喧嘩が出来る男で、その強さは他に類を見なかった
私が転校生としてこの中学にやってきた時には、彼は既に誰もが一目置く番長だった
よって上記のいきさつは、彼の舎弟と名乗るヤツから聞いた話だ
彼は陸上部のキャプテンでもあり、成績も優秀で、和風の顔つきながらかなりの男前であったので、常に女生徒たちの憧れの的だった
その男の親友であるヤマネコのもとには、彼に恋心を伝えて欲しいとか、プレゼントを渡して欲しいとか、色々な頼み事をしてくる女子がひっきりなしだった
自分で言えよ、やれよ、って話だが
彼は今は死語になりつつあるいわゆる 『硬派』 な男で、キャーキャーと騒ぐ女子には目もくれなかったのだ
ヤマネコは考えた
これは商売になるんじゃないかと・・
それで伝言及び手紙は一回につき¥50
プレゼントを渡す場合は¥100を女子たちから徴収することにした
てな訳でヤマネコ、中学時代は大金持ち
その後も親友として長きに渡り付き合いを続けたこの番長との話はいずれまた・・
ウータン 「ヤマネコ、中学生で金儲けなんてよくやるよな・・」
アリクイ 「まったくだよ・・」
ウルフ 「で、打って変わって高校は裏道通学か」
ヤマネコ 「うるさいな!」
ちょっとした手違いから女子高に通うこととなり、こげな様子で通学していたため、それまでの己のイメージを死守するため、仲間に見つからないよう3年間裏道通学を続けたヤマネコ
写真はイメージです
ウータン 「 そういえばさ、ヤマネコ、去年同窓会あったのにどうして来なかったんだよ」
ヤマネコ 「同窓会?」
ウルフ 「おおそうだよ、メッチャ久しぶりに小学校の全体同窓会があったんだぜ」
ヤマネコ 「そんなの知らない・・」
ウータン 「ヤマネコが来ると同窓会がメチャクチャになるって楽しみにして行ったのに」
ヤマネコ 「そんな知らせ来てない」
ウルフ 「ほらな! 幹事のやつらの不手際だったんだ」
ウータン 「大変だったんだぞ、あの時」
ヤマネコ 「どしたの?」
ウータン 「ウルフが幹事を吊るし上げたんだ」
ウルフ 「それがさ、幹事にヤマネコは来ないのか、って聞いたら、ヤマネコなんて知らない、っていいやがったんだよ」
ウータン 「それでウルフが同窓会の知らせを出してないのか、って詰め寄ってさ」
ウルフ 「ヤツ、わかんないとか言いだしたんだし」
ウータン 「それでウルフがテーブルを蹴っぱぐって、どういうことなんだよ!って、幹事の胸ぐら掴んで・・もう同窓会は大変な騒ぎさ」
ヤマネコ 「小学校の同窓会の知らせなんて私に来るわけないじゃん」
ウータン 「あれ? ヤマネコ小学校、退学になってた?」
ゴリ 「バカか おまえ! 小学校で退学なんてあるかよ!」
ヤマネコ 「あたし、中学の時に他所から転校して来たんだし」
ウルフ 「え・・ え・・ ・・ マジか・・」
ウータン 「・・ウルフ、幹事に謝っといたた方がいいよ」
ウルフ 「むむむぅ・・ 確かにいたような気がしたんだけどな・・」
とんだ勘違い男もいたものだ・・
こうして宴会は終盤へと向かう