アホな奴らの新年会 Ⅲ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

宴会も終盤に近づいているが、宴はたけなわ、話は続く



スカンク 「なあ、俺ら、あれからこんなに生きてきてさ、随分と大人になったよな」


ヤマネコ 「なった、なったあ~」


ウルフ 「ヤマネコは口挟む資格ない」


ヤマネコ 「なんで・・」


ウルフ 「もう一個馬刺し頼んでやるから」


ヤマネコ 「口、挟まない」


カバ 「で・・ どんなところが?」


みんな 「・・」



シラけた


みんなそれぞれに心当たりを探しているんだ・・


暫くしてカワウソがシラけた感じを一掃するように口を開く



カワウソ 「お、おれさ」


スカンク 「何だよ」


カワウソ 「背が伸びたぞ!」


ゴリ 「大人になったってのは そーゆーことじゃねえよ!」


ハリネズミ 「え、じゃあどういうこと?」


ゴリ 「例えば・・」


カバ 「例えば?」


ゴリ 「そっちの席の客とかよ、こっちの席の客とかよ」


オカピー 「他の客がどうしたんだよ」


ゴリ 「さっきからよ、俺らのこと笑ってんべ」


オカピー 「あぁ・・ そういえば・・ ね」


ゴリ 「だけど俺、我慢できるようになった!」


アリクイ 「おまえ・・ すんげえ大人になったな!」



タヌキ 「じゃあさ、自慢できることは?」


ウルフ 「そういう自分は何かあんのかよ」


タヌキ 「自動車免許取った」  (高校卒業後直ぐに自動車学校に通うも、筆記試験から先に進めず免許取得放棄


みんな 「あれからずっと取れてなかったのかよ!!」


タヌキ 「すごいべ」


みんな 「・・」



ウータン 「ヤマネコなんてさ、大人にもなれてないんだし、自慢できることもないだろ」


ヤマネコ 「あんよ!」


みんな 「あんのかよ!!」


ヤマネコ 「あるよ!!」


カラス 「じゃあ言ってみろよ」


ヤマネコ 「聞いて驚け」


ウルフ 「驚かねえよ・・」


ハイエナ 「まだ言ってないじゃないか・・」


ヤマネコ 「私はね、番長の嫁さんに言われたんだ」


カラス 「おまえの親友の奥さんが何だって?」


ヤマネコ 「 『3畳一間に布団をひとつ敷いて、うちの旦那とヤマネコさんを一晩一緒にいさせても、私は安眠できる』 って」


みんな 「・・」



ウルフ 「・・ヤマネコ、そういう自慢はやめろ」


ヤマネコ 「どして?」


ウルフ 「おまえには説明してもわかんねえ」


ヤマネコ 「なにが?」


ウルフ 「馬刺し、もうひと皿食うか?」


ヤマネコ 「食う」



スカンク 「ここにさ・・ ツバメがいないのが淋しいよな」  (バイク事故で死亡)


カラス 「俺らがあいつの分まで生きるしかないさ」


ヤマネコ 「みんな長生きしたいんだねぇ」


カラス 「そういう意味じゃねえよ!」


アリクイ 「人より一生懸命生きる、ってことだよ!」


ヤマネコ 「一生懸命・・」


ウルフ 「ごめん、こいつ一生懸命の意味がわかんないんだよ、なにせ一生懸命に何かをした経験がないからさ」


オカピー 「確かにヤマネコが何かを一生懸命にやるの見たことないよね」


ハイエナ 「それ、人としてどうかと思うぜ、一生懸命困難に立ち向かって、それを成し遂げた時の達成感も知らないなんて」


ヤマネコ 「困難に立ち向かう?! ヤダ! そんなの絶対ヤダ!!」


ハイエナ 「困難に立ち向かってこそ価値があるんだよ!」


ヤマネコ 「達成感って単なる自己満のことでしょ」


ハイエナ 「なんだよ、その言い方は!」


ヤマネコ 「わあ~ 自己満ナルシのハイエナが怒ったぞぉ~」


ハイエナ 「おまえって むかつく!」


ヤマネコ 「だって私は頑張らなくても楽しいも~ん」


ウータン 「なるほど・・」


ハリネズミ 「そうか、別に頑張らなくても楽しきゃいいんだ・・」


アリクイ 「そうだよな、一生懸命やってもできなかったらムダじゃん」


ハイエナ 「なら逆説を言えばさ、それで出来たら やんなかったヤツは損するんだぜ」


ヤマネコ 「でも一生懸命やってないから損なんてしてなくねぇ?」


ハイエナ 「おまえ・・ ほんとにムカつくなっ」


ヤマネコ 「よくそう言われる」



そんなこんなで本当の終盤につづく