《インドラ》~ 初めてのご飯 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


ジョン ブリアン


《ボンネット》がおにいちゃんになりそこなってふてくされているため

もー暑(猛暑ね)の魔女家リャビングから、僕、《ジョン ブリアン》がお伝えします 

(どんなブームだ)



《インドラ》はおかしな子で、ご飯を食べないし、お水も飲まない

(食べられない・飲めない)


魔女や家族がいくら努力してもダメ

魔女がご飯を口に突っ込むと、慌てて吐き出すんだ (異物と認識)


《ひな》なんて《インドラ》よりちっちゃいのにどんなものでも食てるっていうのにさ

ぶっくりだよね



     まじょねこ日記-Hina
              唸りながら鶏の皮にかぶりつく《ひな》



《インドラ》は魔女がちゅーしゃきん(注射器)であげるミルクしか飲まないから、魔女は夜中も起きて来てミルクを飲ませる


鼻が治ってきゅーきゃく(嗅覚)が働けば、きっと食べるようになるよ

って、魔女は言うけど


そんな魔女は、寝不足でふらふら


それで心配した僕らは、何とかしなきゃ、って思って



まじょねこ日記-YUribouzu&Indra
ユリぼうず 「《インドラ》、かあちゃんのやることを見てなさい ご飯はこうやって食べるんだよ」



まじょねこ日記-Yuribouzu&Indra
ユリぼうず 「今度は《インドラ》用のご飯だよ  こら、こうやって食べるの やってごらん」


インドラ 「うん!」



《インドラ》は、《ユリぼうず》に教えられた通りにはやったものの

ひと粒口に入れた途端、吐き出してしまった




     まじょねこ日記-Jyon brian&Indra
       僕 「《インドラ》、水を飲む練習だよ  ほら、こうして飲むんだよ」


 
まじょねこ日記-Jyon brian&Indra
           僕 「わかった? 」      インドラ 「うん・・」



《インドラ》は僕がやったように水に口を近づけてみた

そして水が口についた瞬間、 仰け反った

やはりまだ飲めないんだ・・



まじょねこ日記-Papa-Jton brian&Indra
   パパ・ジョン ブリアン 「いいか、《いんどら》、ごはんはこうやって食べるんだぞ」


   インドラ 「・・」



僕らはこうして何回もご飯の食べ方や水の飲み方をやって見せたけど

《インドラ》はどうしてもご飯を食べられないし、お水も飲めない


僕なんて、飲みたくもない水を何回も飲んだものだから○リしちゃったんだよ・・



               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



2回寝た前、魔女家にお客様が来て、夜に『だるびゃーとパーチー』をやった (ダルバートパーティー)


その日の夕方、魔女は教室でひとりの子供にお勉強を教えてた

僕はアトリエに生徒がいる時は涼しいのを知ってるから乱入することにしてるんだ

その子が《インドラ》に会いたいと言って、魔女が《インドラ》を連れて来た


その子は魔女と一緒にニャパールに行くのが夢で

そのためにしゃっきんもしてるんだって (貯金だから・・)


その時には、魔女はだるびゃーとをあっちゃる(アチャール)を作り終わってて

お勉強が終わる頃その子に聞いた


「S君、ネパールの料理食べてみるか?」


その子は 「いいの?」 って聞いてから 「うん!」 って答えた


魔女がだるびゃーととあっちゃるを持って来て、その子は 「おいしい! おいしい!」 って言った

食べながら水を何回もお代わりして飲んでた (やはり子供には辛かったわね・・)


生徒が食べていたスプーンを握ったまま固まった


僕らは・・

お皿に顔を突っ込む白い物体を見詰めてた


僕ら 「・・」


そして正気に戻った魔女が大慌てで白い物体を持ち上げた


魔女の手の中で《インドラ》が 黄色いご飯粒の付いた顔を振り回して 

もっと! もっと!! って暴れてる・・




魔女


《インドラ》が初めて自分から口にした食べ物がダルバート・・ ってなに?


ニンニク、生姜、唐辛子にクミン、ターメリックなどの香辛料がふんだんに入った食べ物に

躊躇なくかぶり付いた《インドラ》


臭いがきつくて、悪い鼻にもそれが感じられたのか

それとも名前の如くネパーリな猫なのか・・



これを境に、少しずつだけど進んで缶詰のご飯を食べるようになった

ただ臭いが分からないので、口にあてて食べ物だと認識させなければならない

ドライフードはふやかしたものを食べ始めた


こうして意外なところから、そしてそれまでのみんなの努力に対しては呆気なく

《インドラ》は新しい食生活の第一歩を踏み出した



                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





まじょねこ日記-Yuribouzu&Indra
        《インドラ》が見詰め続けているもの その視線の先には・・



まじょねこ日記-Banya1&Hina
    毛づくろいをしてやっている《バニャ1号》と、気持ち良さそうな《ひな》の姿が



まじょねこ日記-Yuribouzu&Indra
    それを暫く見詰めていた《インドラ》が、急に《ユリぼうず》のお腹に顔を埋めた




《インドラ》には兄弟がいる


彼らは《インドラ》の倍もの大きさで、母親からの手入れも行き届き、とてもきれいだ

今も母親と一緒に彼らが生まれたところに元気でいる


《こだくさん》がこの子を離した理由はそれなりにあるのだろう


小さい頃から

なぜ自分だけが愛されないの・・ 《インドラ》はそう思って暮らしていたに違いない


見詰める先には、常に母親と自分以外の兄弟との仲睦まじい姿があった

これまで《インドラ》はどんな気持ちでそれを見続けてきたのか・・


そして幼少期の《ユリぼうず》は、《インドラ》とまったく同じ思いをしていた


《インドラ》


運命に従って

これからは《ユリぼうず》や軍団にたっぷり甘えて暮らしなさい

彼らはあなたの悲しい記憶をきっと忘れさせてくれるでしょう


彼らがこそがあなたの家族です