昨日、読者様、ぼうずさんの愛猫《ぼうすちゃん》が空に旅立ちました
今年4月に20才を迎えた《ぼうずちゃん》 (女の子)
それまでは病気をしたことがなかった《ぼうずちゃん》が重い腎不全を患ってしまって・・
そのことを書かれたぼうずさんからのコメントを読まれた方々から、その後を案じる問い合わせをいただいていました
あれから数ヶ月
覚悟を決めていかねばならないと自分に言い聞かせつつ、どうしても捨てきれない希望に縋りたいぼうずさんの葛藤を察する私は、これまでに同じ病気に苦しんで旅立って行った私の家族たちひとりひとりの顔が浮かんだり・・ と、やるせない気持ちでいっぱいでした
ぼうずさんは最後の4日間は仕事を休んだりして、《ぼうずちゃん》の看病に心を尽くされました
そうして最愛の家族の最後を看取られました
それは一緒に暮らした19年の中で、最も密度の濃い4日間だったと語られました
私は空に向かい、これまでにネバーランドに旅立った軍団に
《ぼうずちゃん》という子が虹の橋を渡るから迎えに行くように頼みました
ネバーランドの軍団はきっとみんなで賑やかに迎えに行ったことでしょう
ぼうずさんはしっかりとした潔いお方と拝察致しておりますが
それでも・・
19年以上の間、互いにその心を支え合って暮らしていらしたのですから、今のお気持ちは如何ばかりかと・・
言葉もありません
以下、ぼうずさんからみなさまへいただきましたメッセージを掲載させていただきます
ご心配いただいた全ての皆様、本当にありがとうございました
《ぼうず》はみなさまのお気持ちをいただいて3ヶ月頑張りました
もしかしてドクターの見立て通り、すぐお空に逝っちゃったかもしれないところ、皆様のお心できっと頑張れたんだと思います
《ぼうず》に代わって心からお礼を申し上げます
病気ひとつせず19年間、私が仕事中はひとりでお留守番、淋しい思いをさせました
《ぼうず》は捨て猫でしたが、最後にはこんなにたくさんの方々に見守られてお空に逝く事が出来て、本当に、本当に幸せな猫でした!!
ぼうず
15歳の夏の《ぼうずちゃん》
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《ぼうずちゃん》が辛い病の床にいる頃
私は死の淵を彷徨う仔猫と出会っていた
コンクリートにおでこをくっつけて動けなくなっていたあの子だ
生後2ヶ月は経っているのに、一ヶ月の子の体重しかなく、栄養失調からウイルス性猫風邪症候群にかかり、目と鼻を覆われていたあの子だ
何より先に、目を覆っていた目ヤニの塊を無理矢理剥がすと
腫れた瞼の向うに小さな瞳が開き、それが眩しそうにこちらを見詰めた
失明していなくて良かった・・ ほんとうに良かった・・
《水玉》たち兄弟の母親、《エダ》はこれで片目を失明した
どうにか命は取り留めたものの、眼球に癒着した瞼は剥がれなかった・・
健康になるのを待ってそれを剥がす手術をしたが、それにも限界があり、光りを感じるのがやっとの状態に留まった
この子の鼻を覆っていたものも剥がした
鼻水が噴出した
それでも少しは楽に息ができるようになったので
注射器で少しずつミルクを与え、抗生物質と目薬を続けた
少しでも体力をつけなければならないので、初めは昼も夜も1時間置きに飲ませた
最初の数日は家族①が徹夜でやってくれ、後半は魔女がそれをやった
顔中にこびりついた粘性の目ヤニと、鼻の周りにやはり固くこびりついた汚れまじりの乾いた鼻水、そして息ができなくて口をあけていたために口の周囲と顎はよだれで、これもガチガチに固まっていた
綿をお湯に浸して根気良くそれらを拭き取るのに3日を要した
目の淵の毛は茶色に変色してしまっているし、瞼は大きく腫れ上がっている
それでも時間を置くとまた目ヤニと鼻水が目と鼻まわりを固める
だから、根気良く一日に何回もそれを拭き取る
それを続けて今日で10日
お医者様に言われた言葉 『もし10日間を生き延びたら、もう大丈夫だろう』
カレンダーを見詰め、心に日数を刻んで過ごした緊迫の日々だった
この子が生き延びてくれたから
私は今日こうしてこの子のブログを書くことが出来る
名前を付けて呼んであげたかったけど、私はそれを考えあぐねていた
《ぼうず》、という名にしようか・・ とも考えたが
《ぼうずちゃん》は世界にたったひとり、あの子だけだよね、って思い直した
この間私はネパール日記を書いていて
3日前にふとある名前が頭を過ぎった
それはヒンドゥーの神のひとりで、古くはバラモン教、メソポタミア地方でも別名で呼ばれていた、生まれて間もなく母親に捨てられ、その後放浪したという・・
それは雷を操る神
その神の名前は 『インドラ』
私は2日前、やっとこの子に《インドラ》という名前をつけた
この10日間で
体長は保護した時の1.5倍
体重は2.5倍に増えた
灰色に汚れた毛も真っ白になり
突き出ていた骨も目立たなくなってきた
そうしてここに来て8日目の朝
それまでひとりぼっちで暮らしていた部屋を後にし、軍団と生活を始めた
まだ目ヤニは出るし、鼻は常にぐしゅぐしゅだけれど
総勢15名の軍団は至って健康だから感染はないだろうと判断した
その後起こった様々な出来事はまた次回に・・
今日は《ぼうずちゃん》の冥福を心よりお祈り致したい