《インドラ》の10日間 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


 

いつかの野良猫軍団訪問の帰り道、私の後をついて来ていた小さな仔猫


私はその時、この子が私の後を追った意味に気付かなかった

 

だから母親《こだくさん》の元に返した


その数日後、私の話からこの子の存在を知っていた友人のK君が

 

母親《こだくさん》の住処から離れた民家の軒先にひとりぼっちで佇んでいるのを見つけ、再び母親の元に返した


私の後をついて来た時は、多少瞼が腫れているかな、と思うくらいで毛も汚れてはおらず元気に見えた

 

しかしK君が見た時は、既に仔猫の顔は目ヤニや鼻水で覆われていたという


私はその報告を受け、その夜《こだくさん》のテリトリーを訪ねた

 

しかし、そこに仔猫の姿はなかった

 

翌日も、そのまた翌日も出かけて行ったが仔猫を見ることはなかった


それから5日ほど経った日、生徒から 「駐車場に動かない猫がいる」 との連絡を受け

 

探していた仔猫との再会を果たした


あれからいったい何があったのか、と思うほどの変わり果てた様子・・

 

おでこをコンクリの床に着け、小さく丸まったその姿に思わず竦んだが

 

抱き上げるとまだ生きていた


持っているのかいないのか分からないくらい軽い体・・

 

それでも刺さるように尖った骨がその存在を悲しく示していた


その後は昨日書いた通りだ



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      目を覆っていた固まった目ヤニを無理矢理剥がすと、小さな目が現れた

 

      だが、瞬膜が目の半分を覆っている   

 

      鼻を覆っていた粘液の塊を剥がすと、鼻汁が滴る








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                  このまますぐに病院へ向かう







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        病院から帰って顔を拭いた   殆ど骨と皮だけの状態

 






 


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         2日目  瞼は腫れ、瞬膜が眼球を被さり気味  

 

         こうした瞬膜の状態は全身状態が悪いことを示している








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 ここに来て4日目 肉がついてきた    たったひとりのおともだちはネズミのおもちゃ








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         ひとりぼっちで淋しい時は、いつもネズミのおもちゃと一緒







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     5日目、朝私を起こし、大きく口を開けてミルクをねだっている

       このようにして鳴くのだが、声はまったく出ない






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      他の猫の声や知らない人間の声などが聞こえたら急遽逃げ込む場所







 

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            私といる間はいつもこうして指を抱えて離さない

           いつか可愛い声を聴かせてね








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6日目、初めて猫用トイレが使えた

それまでなかなか覚えられなかったトイレ

母親に教わらなかったようでひとりで草むらでしていたようだ







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                   抱いていると安心して眠る


 





心もとないが、少し走れるようにもなった



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      10日目、おちびちゃん、今日から2階で軍団と一緒に暮らそうね

 







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                  そして今日の《インドラ》

 





 

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最初の3枚はこの子が元気になったからこそ載せられる

もしそうでなかったら消してしまうつもりの写真だった



少し元気になってもたもたしながらも遊べるようになった頃

私たちが部屋にいると、新聞紙ボールをよちよちと追いかけたり

紐で遊んだりしているのだが


この頃にはつききりばかりはできず

私たちもそれぞれに用事があり最大2時間程ひとりにしていた


部屋を出ようとすると、遊びをやめて後追いする

ドアを開けて外に出ると、ドアから50cmの所で淋しげな顔をして必ず立ち止まる


ドアを閉めるふりをし、隙間から覗いていると

とぼとぼと部屋の隅の目立たないところに行ってうずくまる (場所はいつも同じ)

そして次に私が部屋に戻るまで決してそこを動かない


これは母親が外出中の時の仔猫の習性だ



やっとこの子が声を出した

でも、にゃ~ ではなくて・・ 「ぎーぎー」 


ひとりぼっちで鳴き過ぎたのだろう

喉がやられてしまっているのだ

 

「ぎーぎー」 でもいい、鳴いてくれればなんでもいい

いつかそのうち、ちゃんと鳴いてみせてくれるかな



母親の《こだくさん》にどんな思惑があってこんなことになったのかはわからない

多分私は彼女にそれを訊ねることも、もうしないだろう


私は自然淘汰の域に足を踏み入れてしまったのかも知れない


しかし《インドラ》は生きようとした

私についてきた時もそうだったように


駐車場で抱き上げた時、最後の力を振り絞るように《インドラ》は私の指を抱えた

それはとても弱々しかったけど、私はその時その小さな心を知ったのだ