ネパール日記 ~ さよなら・またね ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


私たちはドルバやクマルにくれぐれもワンちゃんをお願いします、と頼んだ


ドルバは 「オッケー! 心配しないで」 と言ってくれた


クマルはただ黙ってワンちゃんをセキュリテーしてくれればいいからね

だって、彼の豪快な声や態度を、このワンちゃん恐がるんだもの


この子を去り際まで、そして今でも気にしているNAMIさん


でも大丈夫


これまでには

飛べなくなってここに迷い込んだキジがスタッフのみんなに可愛がられてこの庭で暮らし、暑い日にはフロントの客用ソファでくつろいでいたし

庭師や職人たちの連れて来る犬はスタッフに見守られて終日ホテルの敷地を自由に歩き回っていたし


ここでは生きものを見捨てることなどない

私はそんな彼らが好きでここに来るのだから、絶対に大丈夫!



軽くなった荷物を持ってみんなに挨拶をしていると・・



マネージャー 「魔女、どうやって帰るの?」


魔女 「下の道まで昨日のタクシーが来ることになっているから心配ないよ」


マネージャー 「下まで歩いて降りるの?! あの人(NAMIさん)はあのキャリーケースを引っ張ってこの道を降りるつもりなの?!」


魔女 「そうだよ、タクシーにここまできてもらうの悪いから帰りは下まで歩くことにしたの、それで早めに行って友人の店に寄って、いつものグンバを見て帰ろうかと思ってるんだ」


マネージャー 「あのね魔女、実は今回数百人分の食事を作るのにうちにあるものだけでは足りず、本部から借りてきたんだ、椅子もたくさん借りたしね、 それで今車が来てそれを積んでいるんだ」


魔女 「それほど大変だったのね」


マネージャー 「その車の運転手に言っておいたから下まで車に乗って行きなさい」


魔女 「え・・?」


マネージャー 「今日も暑いよ、歩くのは大変だ」


魔女 「マジっすか!」



門の外に出るとホテルのスタッフたちが食器や椅子を車に積み込んでいる


よっしゃ任せなさい

私も積むでぃ!


みんなが、 いいよ! やめなよ! って言ったけど

私は我儘で人の言うことを聞かないことを知っているスタッフたちはそれ以上は止めなかった



     まじょねこ日記
          おいおいそこの君、サボってないでとっとと積みなさい!


それから見送るみんなに 


  さようなら、どうもありがとう~ 


と車の窓から手を振った


その荷物のせいと瓦礫の道のせいで

車はガッチャンガッチャンと大きな音を立て、左右に揺れながら急な坂道を下って行った


ハッティバンリゾートのみなさん、ほんとうにお疲れ様でした



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



              ハッティバンリゾート余話



これ・・ どうしよう


NAMIさんがキャリーケースを差し出して言った



魔女 「それ・・ なあに?」


NAMIさん 「学用品・・」


魔女 「・・」


NAMIさん 「どうしたらいい?」


魔女 「なんでここに学用品を持って来たの?」


NAMIさん 「・・誰かにあげるのかと思って」


魔女 「リゾートホテルで?」


NAMIさん 「あはは・・(;´▽`A``」



キャリーケースの中にはぎっちりと学用品が詰め込まれていた

これ、いまだにNAMIさんがどうしたかったんだかわからない

思い返すとただ、ただ可笑しさがこみ上げてきて肩が激しく揺れるのだ  くくっく・・


いけないのは私かも知れない

私がホテルを出るとき、「それなあに?」 と聞くべきだった


私が人の行動に関心を持たず、彼女にとっては初めてのネパールだというのに私は細かい説明もせず

そうして人を連れ回すからこんなことになったのだ


紙類の多い学用品はもの凄く重くて、よくぞここまで持って来た、と遅ればせながら感心してしまった


いや、感心している場合じゃない


「私、またこれを持って帰るんかなぁ・・?」  


徒歩で山を降りるつもりだし・・


待て、待て! そりゃあ、あんまりだろう!!


そうだ!

ここはドルバに相談しよう


私はこれまでに何回かドルバの家にも遊びに行っている


その途中で学校を見た

そこはファルピンの村で、お世辞にも立派とはいえない公立小学校だった

子供たちは短い鉛筆とボロボロのノートを持っていたっけ


それで、ドルバにこの学用品をファルピンの小学校で役立ててもらえないか、と聞いてみた


彼は大喜びで 「村の学校は貧しいからとても助かります、みんなどんなに喜ぶことか」 

と言って引き受けてくれた

NAMIさんの顔がパッと明るくなり、「よろしくお願いします!」 と笑顔になった


彼はバイク通勤なので、何回かに分けて運ぶから大丈夫! と言った

NAMIさんは、空になったキャリーバッグに私の松ぼっくりを入れてくれた


はい、これで めでたし! めでたし!



                 ドルバが送ってくれた写真


   


                ドルバ(左)と小学校の校長先生 

              

           (この緑のテーブルクロス、絶対どこかから借りてきて敷いたんだぜ・・)



この 『学校にちゃんと学用品を渡しましたよ写真』 を撮るのに

村でデジカメを持っている御仁が借り出されたらしいよ・・ 


デジカメ撮影・・ ひとりで良くないか・・?