ジョン ブリアン
あれから・・
《水玉》が 「じゃあな」 って言って旅に出た日から
ずいぶんたったと思うんだけど (今日で12日目)
魔女はずっと元気がない
ほとんど外には出ないで、一日中窓から外を眺め・・ 笑わない
《水玉》の旅を心配しているんだ
僕らだって同じで、とっても淋しいよ
口喧嘩では《水玉》といいコンビだった《アゾ》は、一日中《水玉》を探し回っている
そうして・・ 毎日、夜になるとがっかりした様子で帰って来るんだ
《涼子》は毎日玄関にいて、大好きな《水玉》の帰りを待っている
あれから、僕の父さん(パパ・ジョン ブリアン)は《水玉》から引き継いだ夜回りを欠かさない
父さんは夕食の時、《水玉》がいないことでイライラしている《涼子》に当り散らされ、しこたま殴られる
それが毎日のことで
父さんは何とか我慢してご飯を食べ、毎晩泣きながら夜回りに出かけるんだ
《水玉》は僕らにも言った
「《パパ・ジョン ブリアン》を助けてやれ それから外に出ても絶対に遠くに行くんじゃないぞ あと、魔女はバカだからしっかり面倒をみるんだぞ」
僕は 「うん」 ってお返事したけど
(いまさら何を言ってるんだろう・・) って思ってた
今日、魔女は久しぶりにお出かけしたけど
それ以外の時間は窓からぼんやりと外を眺めている
今日は僕が日記を言う猫で
だけど僕は魔女の隣の日記を言う猫用の椅子には座らず
そのすぐ隣の出窓に乗っかって日記を言ってる
ここからだと魔女の代わりにお外が見えるから
だけど・・
僕が日記で《水玉》のことを言ったものだから
魔女は途中でピャソキョンの手を止めてうつむいてしまった
僕は《水玉》のお話をしたことをすごく後悔した
そんな魔女を見かねた《ユリぼうず》が魔女の机に飛び乗った
そうして何回も魔女の顔にスリスリをし
その後なめ始めた
魔女が沈んでいる時、《ユリぼうず》はいつもこうしてなぐさめる
僕は毎晩寝る時に考える
僕は自分の考えを魔女に言った
「魔女・・ 僕たち猫は自分のやりたくないことは絶対やらない 《水玉》は自分のやりたかったことを今やってるんだよ だからそんな顔しちゃだめ」
魔女が僕を見てすこぉし笑った