《水玉》旅に出る | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


魔女が帰国した日


早速、外にいる《水玉》と《涼子》と《パパ・ジョン ブリアン》を呼んだ

みんなすぐにやって来た


《涼子》は魔女を見上げて爪先立ちをし

《パパ・ジョン ブリアン》はひと目も憚らずわーわーと泣いた

そして《涼子》に殴られた


ふたりを散々可愛がり

その後《水玉》と一緒に部屋に戻った


それから2日間《水玉》はずっと私たちと一緒に過ごした




まじょねこ日記-Mizutama




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水玉 「ねえ魔女・・」


魔女 「なあに?」


水玉 「俺さ・・ 《今日ちゃん》がニャバーランドに行ってから頑張ってみんなを守ってきたよな」


魔女 「うん、すごく頑張ってくれているよ、お陰でみんな安泰だ」


水玉 「俺・・ そろそろ引退してもいいかな・・」


魔女 「え・・ どうして?」


水玉 「そろそろ気ままに暮らそうかな、って思ってさ」


魔女 「そうね・・ あれから5年、夜回り、緊急時出動、アトリエの校長・・ いっぱい仕事をし続けたものね・・」


水玉 「・・いいかな」


魔女 「いいよ」


水玉 「夜回りとかは兄貴(パパ・ジョン ブリアン)に教えておいたから」


魔女 「ららママさんの日記を読んだら、《水玉》と《パパ・ジョン》が一緒に帰らない日が何日もあったけど・・ そういう訳だったのね」


水玉 「うん」


魔女 「そうだね、《水玉》、そろそろゆっくりしなさい」


水玉 「そうさせてもらうわ」



まさかそれが気儘な旅に出る話だとは知らず

翌日から帰って来ない《水玉》に・・ 私は焦った


《ユリぼうず》と、《ジョン ブリアン》を伴って

3日間この辺りを昼夜を問わず隈なく探し続けた

3日目は遠くまで足を延ばした


《水玉》の形跡はどこにもなかった

猫探しが得意な《ユリぼうず》でさえ、お手上げだった


《水玉》はほんとうに気儘な旅に出てしまった


今頃は精一杯の責任感から放たれて、どこを旅しているんだろう


これから寒くなってくるから心配で私は心が苦しい


《水玉》がいなくなっただけで、何匹のも猫がいっぺんにいなくなったみたいに部屋の中がスカスカに見える


それは語りがたい程の淋しさだけど

他でもない、単に私と軍団の淋しさであり


《水玉》はこれまでの責任から開放され、自由な旅を堪能しているのだろう

旅に飽きたら戻って来てくれるかな


ハロウィンでは仮装をし、毎年恒例の『トリック オア トリート』で先頭を切っていた



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翌日はいつもと同じに腹を出して寝ていた



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帰国後の2日間

いつもカッコつけの《水玉》が

軍団の目をはばからず魔女に甘えて、膝をひとり占めしていた

有り得ないことだった


たったひとつ変わったところといえば、それだった


《水玉》はいつになく甘え、魔女の膝に乗りたがった こと
後はいつもとまったく変わらない《水玉》だった


ただ・・ 私には、《水玉》の心の奥まで見えなかった

帰国して、みんなが揃っていて

すごく嬉しかった

それだけでいっぱい、いっぱいだった


《パパ・ジョン ブリアン》が

《水玉》の代わりに、毎晩鳴きながら夜回りをしています



自分勝手な淋しさが喉元まで溢れて、実は憂鬱な日々が続いています


《水玉》、私たちはあなたが旅に飽きて帰って来るのを待っています

魔女は、旅の安全を祈って、あなたの体が金色に輝くようイメージしながら毎日を過ごしますね