ジョン ブリアン
一回寝た前の夕方
僕らは急いで夕食を食べた
そしてドヤドヤとテラスに出た
そうしていつも(毎年)と同じに、待つんだ
ニャバーランドのみんなが帰って来るのをね
ニャバーランドの家族だけじゃないよ
帰るところのない動物さんたちもご招待したんだ
《パパ・ジョン》と《涼子》はお庭で待ってるよ
《アゾ》はお盆を忘れて修行してる
魔女、早くのろしをあげてよ
魔女はお出かけしてて、その帰り道におから(オガラね・・)を探したんだけど安いのがなかったんだって
せっと、っていう高いのしかなかったんだって (せっと=お盆セット)
それで買わずに帰って来て、それからすぐにお仕事して
だからおからはなくて・・
仕事を終えた魔女は
「要するに煙が出りゃあいいんでしょ!」
とか言いながら割り箸をパキパキ割っていつもの箱にぶっこんだ
そうして火をつけたら・・ あんのじょう、ボーボーに燃えちゃって今年も煙が出なかった
魔女は 「お花の目印があるから大丈夫!」 と言い訳をした
それから魔女はテラスにいつもお盆に届く《ぷうこさん》から贈り物を置いた
それはニャバーランドから帰って来るみんなのための目印になるんだって
『このお花は目印にしてください それからみんなでよ~く見てください そのあとインジゴが食べてください』 って書いてあるよ
そ、そうなんだ・・
もうすぐみんなが帰って来る
僕たちは待った・・
いけない、待ちくたびれてあくびが出ちゃった
そうこうしているうちに辺りがどんどん暗くなってきて・・
ニャバーランドの《伐》を待ち続ける《ジョン ブリアン》の背中の上には赤いお月様
《もりやさん》・・ まだかなぁ 僕がてすりに登れたところを見せたいのに・・
《ゆりぼうず》、下じゃない! 上よ、お空から来るの
みんながやって来たよ!
僕、分かるもん
だってほら・・
あら、《アゾ》 帰ってたの?
さあ、無礼講の始まりだあ~
僕は《伐》とテラスで降り積もったお話し (『降り』はいらないから・・)
《ジンジン》は屋根の上で《インジゴ》や《今日ちゃん》たちと盛大に猫踊りをしてる
もちろん《ユリぼうず》は《もりやさん》と一緒
身寄りのない動物さんもいっぱいで
魔女家は夕べからすっと賑やかです