魔女
昨日紹介した邸宅は、ママの姉の嫁ぎ先である
私はこの姉も、嫁ぎ先の姑も以前からよく知っている
豪邸の中に招き入れられ
大理石の広い玄関から続く客間に案内される
いかにも高価な雰囲気を醸し出す飾り棚にはアンティークな調度品が並んでいる
高価な絨毯の上に置かれたテーブル越しに、姑たちと語らう
食事の用意が整ったとのことで、客間から続くダイニングルームに移動
私が訪れると決まった日から
魔女は何を食べるのか・・ どんな味付けが良いのか・・ 辛いものは平気なのか・・
などと、姉さんや姑は食事のメニューに躍起になってるよ、とママが言っていた
その心遣いは大変有難いことである
が、この国の食事の何が辛いかというと・・
正式には客が食べ終わらないと自分たちは食事をしない、ということ
大きなテーブルには私と家族②だけが席に着く
私たちの食事中、他の人々はその様子をじっと見詰めるのだ (決して眺めるという感じではなく・・)
それは何のためかというと
少なくなったおかずを足したり、ご飯の減リ具合を見たり、スープを勧めたり、おいしそうに食べているかを感じ取るためで・・
食事中を大勢の人たちに、じぃ~~~っと見詰められる苦痛は並大抵でなく
それはもう食べ辛いことこの上ない
何かが少なくなると直ぐにつぎ足し、ご飯のお代わりはどうか? スープのお代わりは如何か、とずっと責められるのだ
別に彼らは責めているわけだはなく、きっちりもてなしてくれているのだが、それが責められてる気になるほどの気の使いようだ
何しろこの時はお手伝いさんも含め、総勢9名に見詰められながらの食事だった
4人の若いお手伝いさんなぞは、魔女の横にずらりと並んでその食事進行を抜かりなく見続けていた
因みに、本日のメニュー 手前からキノコのおかず、野菜のおかず、アルタマスープ(アル-じゃがいも タマ-竹の子)、カウリ(カリフラワー)のおかず、チキンのおかず、ダル(豆)のスープ、マチャ(魚)のおかず、そして右にあるがほうれん草の炒め物、その他に2種類のアチャールが出された
私たちの食事が終わると、ルナとアンビカの食事が始まる
そうこうしている時に・・ 電話が鳴った
その一報はデイブによってもたらされた
大きな地震により日本が大変なことになっている、彼は電話口でそう言った
私たちはこの家を後にして、ラトナパークまでバスで戻り、その足でギリンチェに向かった
店ではデイブ待っていた
彼は既に日本の状況を伝える最新のニューズをプリントアウトして私に渡した
この時点で現地時間、午後4時前、日本時間では午後7時であった
ラクスマンの弟のスリヤが慌ててテレビを点ける
彼とデイブは私にテレビの前の席に移動するように言った
それは確かCNNニュースであったと思う
そこには信じられない光景が映し出されていた