バブー
このところ《ボンにいちゃん》のようすがおかしい
いつからかわかんないけど、ご飯を食べてない
《ボンんにいちゃん》は気が弱くて
ご飯の時誰かが(と言っても、ほとんど《凜》なんだけど)じっと見ただけでご飯を食べなくなり、コタツに潜っちゃうから、いつからご飯を食べなくなったかは誰もわかんないって・・
《ボンにいちゃん》がおかしい・・ と最初に気づいたのは私で
それは夜中に遊ばなくなったから
いつもだったら魔女が寝た後は 「俺の時間だ!」 みたいに部屋中を走り回るのに、それをやらなくなったの
始めはお寝坊してるのかな・・ って思ったけど
この前日記を言った時も 「僕、だるいからお終いにしていい?」 って言ったし
3回の夜くらいもコタツから出て来なくて・・
《ボンにいちゃんト》がコタツから出てきた時に聞いた
「《ボンにいちゃん》、ご飯も食べてないし、夜も遊ばないでどうしたの?」
そしたら《ボンにいちゃん》は急に泣き出した
私は驚いて《ボンにいちゃん》を落ち着かせようと思っていっぱいなめた
魔女が《ボンにいちゃん》に 「どうしたの? だるいの?」 って聞いた
《ボンにいちゃん》は魔女の足に乗っかってそこにしがみついた
そして魔女が何度も「どうしたの?」って聞いているのにお返事をしなかった
自分でもどうしたのか分かんないのかな・・
しばらくして魔女は私たちのご飯を用意をするので、《ボンにいちゃん》をおひざから下ろした
おひざから下ろされた《ボンにいちゃん》は、側にいた《ジョン ブリアン》のところによろよろとかけ寄り、また泣き始めた
ジョン ブリアン 「《ボンネット》・・ いったいどうしたの?!」
それでみんながかけ寄って心配を始めた
私は《ボンにいちゃん》に寄り添った
心配で仕様がない《バブー》は《ボンネット》にぴったりとくっついて・・
《ユリぼうず》はおろおろと歩き回り
《ジョン ブリアン》はどうしたらいいのか分からないようすで佇む
この後《ボンにいちゃん》がいきなり吐いた
前にも吐いて入院した
あわてた魔女がバスケットを持ち出し、《ボンにいちゃん》を病院に連れて行った
私たちはみんなでくっついて《ボンにいちゃん》の帰りを待ってた
だあれもお話をしないから、お部屋はしんとした
この前も 《ボンにいちゃん》 は病院に行ったきり、いっぱいの夜が行ったまで、もどって来なかったんだ・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
駐車場で車の音がして、私たちはみんな首を持ち上げた
私は《ボンにいちゃん》が心配で、ふぃ~ふぃ~鳴きながらドアの前をうろうろした
ドアが開いてバスケットが入って来た
《ボンにいちゃん》が入っていなかったらどうしよう・・
私はもっとおろおろして大きな声でふぃ~ふぃ~鳴いた
バスケットの小さなドアが開いて・・
《ボンにいちゃん》が飛び出して来た!
私もみんなもいっせいに《ボンにいちゃん》を追いかけた
《ボンにいちゃん》はびくびくした感じで部屋を歩き回り
しばらくしてやっとそこが自分の家だってことを確認できたみたいで・・
急に座り込んでぼんやりした
私たちは《ボンにいちゃん》を取り囲んだ
それは病院で何があったか確かめるためだった
《ボンにいちゃん》はどこも悪くなかったみたいだよ
おしっこもつまってなかった、って
だからえいよー(栄養)のちゅーしゃをして来たんだって
吐くのをいやがるお薬(吐き気止め)ももらったんだって
しばらくの間《ボンにいちゃん》の臭いをかぎまくっていた私たちは
どこも悪くなくて帰って来たことでちょっと安心してリラックスした
でも《水玉》だけはいつまでも心配そうに《ボンにいちゃん》を見ていた
私は《ボンにいちゃん》に向かってボールをコロコロしてみた
いつもみたいに・・
《ボンネット》の前にスーパーボールを転がす《バブー》 何回も何回も転がしてる・・
小さな《凜》もやはり心配顔だ
だけど、《ボンにいちゃん》は元気のない顔でボールを見てるだけで
いつもみたいに遊んでくれなかった
やっぱり《ボンにいちゃん》は病気なんだ・・
《ボンにいちゃん》、私、いっしょけんめ看病するから
どうか、元気になってください
私が拾われてここに来た時
《ボンにいちゃん》はすごく喜んでくれて
私のこといっぱい可愛がってくれて
いっしょけんめに育ててくれたもん
こうやって《ボンネット》は一日中《バブー》の面倒をみていた (2008年冬)