ジンジン
テレビが 『せつでぇん』 とか 『計画てーでぇん』 とか言ってる
魔女にどういう意味?って聞いたら電気を少なく使うことだって
僕 「電気をつけなければいいの?」
魔女 「そうそう、それにストーブとか暖かい絨毯とかもね」
水玉 「そんなのいつものことじゃん! 俺らには関係なさそうだな」
ボンネット 「あの・・兄さん、今日は恐ろしく寒いじゃないですか、僕は暖かい絨毯がないと辛いんです」
アゾ 「んなもんつけんでええ!」
ボンネット 「自分はコタツに入らないから分かんないでしょ!」
アゾ 「な、なら そなたも こったつに 入らなきゃいいじゃないか」
ボンネット「じゃあ僕の居場所がないじゃない!」
アゾ 「どっこにだって かってに おれば いいじゃろが!」
水玉 「おい、《アゾ》が 珍しくまともなこと言ってるぞ・・」
僕 「・・なんだか気味が悪いね」
水玉 「あいつおかしなものでも食ったんじゃないか?」
僕 「そなた・・ とか言ってるし」
ジョン ブリアン 「僕知ってる・・」
ジンジン 「《アゾ》が食べたものを?」
ジョン ブリアン 「ううん、そなた・・」
水玉 「そなたが何だって言うんだ?」
ジョン ブリアン 「ミュージクでしょ」
水玉 「え・・」
ユリぼうず 「けっけけ!! なら、音楽・・が コタツに・・ 入らなきゃいいってことけぇ?!」
ジョン ブリアン 「だって魔女がよく聞いてるよ、そなた・・」
水玉 「ふぇ~! 今度は《ジョン ブリアン》が《アゾ》みたいになっちゃったぞ!」
アゾ 「た、たわけ! そなたは ひなたとはちがうんじゃ!」
ジョン ブリアン 「そなたとひなたの違いくらい知ってるよ!」
水玉 「じゃあ、そなたとあなたは?」
アゾ 「同じじゃ」
水玉 「おお《アゾ》、今日はまともじゃねえか!」
アゾ 「じゃが まともと おともはちがうぞ」
ボンネット 「僕のコタツはどこ行った!!」
アゾ 「こったつなら すぐそっこに あるじゃろが」
ボンネット 「そうじゃなくてっ!!」
魔女 「いいからもうややこしい話はやめなさい! うちの生活は今までと変わらないんだから」
僕 「せつでぇんしないの?」
魔女 「これ以上どうやって節電するのよ! うちはこうなる前からずっと、しかも一年中節電してるわ!」
魔女
魔女家は暗いと近所でも言われてる
隣の家の子が夕方に回覧板を持って来て言った
「この家はどうして玄関に電気を点けないんですか?」
魔女家にはエアコンもない
真冬でもストーブの設定温度は16度
リビングひと部屋にいつも家族全員が集まっている
そこ以外、電気は点けない
昨年の過酷な夏も、燦々と陽の入る天窓がある2階のリビングでクーラーなしの夏を乗り切った
ネパールでの計画停電はもう何年にもなる
今回は一日14時間の停電を上手く工夫して生活した
蝋燭生活はそれなりの情緒があり
夜空に輝く星が美しかった
暗い、ということがどれ程のことか
日本には闇を知らない子供たちも多いのかもしれない
人の作った便利なものを活用して生活するのが性に合わない
弱い人間になりたくはない
私は生きとし生けるものと共に
動物として、なるべくならきちんとありたいから
とか言いながら・・ 飛行機には乗っちゃうけどね
飛行機がなきゃ船でどこかに行くし
船もないなら夢の中で旅するもんね