水玉
魔女は、昨日のテーデン(停電)を、俺らと一緒にコタツの中で過ごした
夕べはもの凄く寒くて、とてもじゃないけどコタツに潜り込みでもしなきゃいられなかったさ
しかし、ありゃあ本当に邪魔な女だった
コタツの中に俺ら8人と人間らしきものが1匹入ってるんだぜ
有り得なくねぇ?
んでもってあの女・・
真っ暗なコタツの中で 『どれが誰だかごっこ』 し始めたんだぜ
俺らはよ、鼻先つかまれたり、尻尾をつかまれたりで嫌んなっちゃったもん
魔女 「これは誰かなぁ~」 ジョン ブリアン 「明かり点けるなんて、ずるいよ!!」
魔女 「これはカメラのフラッシュですが・・」
それでも俺ら軍団は魔女に当てさせまいとして
尻尾を隠したり、魔女の手がやってくると狭い中を面白がって移動したりして・・
結局 『どれが誰だごっこ』 の相手をしちまったさ
ところがだ
そんなことをしているうちに魔女が 「ここ、暑い!」 って怒り出した
怒ってどうすんだよ・・
で、魔女はコタツから出てフーフー言った
魔女がコタツから出たら、つい俺らもそこから出ちまった
すると魔女が、今度はリャビングで 『どれが誰だごっこ』 をしよう、と言い出した
俺らの返事も聞かずに、魔女は誰かを追い掛け回し
最初に捕まえた猫を振り回しながら 「《ユリぼうず》~!!」 と叫んだ
よしゃあいいものを、《ユリぼうず》が 「当ったり~!!」 とか言うものだから魔女は更に増長した
それからはもう大騒ぎさ
暗がりで逃げ惑う猫と、まるで妖怪のような女
・・怖いべ
ご近所はシ~ンとしてるってのによぉ
そのうち 『そうおんざい』 で逮捕されるぞ・・ 俺ら
それでも魔女はあっちこっちにぶち当たりながら俺らを追い掛け回し
俺らはきゃ~きゃ~言いながら部屋中を逃げ回った
そんな最中・・ いきなり電気が点いた
うえっ! 部屋がメチャクチャだ!!
魔女 「・・」
軍団 「・・」
魔女 「・・予定の時間より早く電気が点いたじゃないか」
俺 「良かったじゃないか」
魔女 「良くないじゃないか」
俺 「なんで・・」
魔女 「もっと遊びたいじゃないか」
俺 「もういいよ・・」
魔女 「よかないよ!」
凜 「もっと遊びます!」
バブー 「もっともっと遊びたい!」
ユリぼうず 「ふぃんふぃん!!」
ボンネット 「早く遊ぼ!!」
アゾ 「あっ、あだうちじゃ~! あだうちじゃあああああ~!!」
魔女 「・・何言ってるの、 だいいち誰が誰の仇を討つのさ」
アゾ 「《ア・・アジョ》が おやの かったきを うつ・・」
魔女 「誰が親の仇なのさ・・?」
アゾ 「ま、まじょ・・」
魔女 「なんで・・」
アゾ 「ごっ、ごっこじゃから そんなことどーでもええじゃろが! いっさぎよく うたれろ!」
魔女 「ヤダべぇ~!!」
こうして魔女と軍団は、折角ついた電気をまた消して大騒ぎを始めた
暗がりをいいことに、俺はそっとコタツにもぐりこんだ
あいつらと一緒に騒いでいたら・・
俺までバカになりそうで怖くなったんだ