帰国、そして・・ 魔女怒る! | まじょねこ日記

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魔女


こうして私は日本に帰ってきた


確かに辛い帰路の旅だったが、心はまったく平常だった

カクレル教授の治療と、人々の言葉を信じていたから


カクレル教授は、日本に帰ったらすぐに皮膚移植手術を受けるようにと言った

魔女は旅の疲れを取る間もなく病院に行かなければならなかった


初めにかかりつけの病院へ行き

そしてそこの外科に行き

そこで取り敢えず皮膚科での診察を勧められた


私は自分の住む区の皮膚科に電話で問い合わせをした

症状を聞かれ、経緯を説明すると、電話したすべての病院で診察を断られた


さらに隣の区の皮膚科も同様だった


それらの病院は色々な言い訳をした

皮膚科と謳っているのに、皮膚科は専門ではないとか

今日は皮膚科の先生はいないとか

うちの病院では手に負えないとか

とにかく他をあたって欲しい、等々・・


大きな病院に行くしかない

しかしそれには紹介状が必要だった

地域医療連携制度で、大きな病院での診察を受けるには個人病院等の紹介状を持って行くのが普通になっている


紹介状がなければ診てくれないという訳ではないが、別途料金を支払わねばならない上に、予約患者優先だから最後に回される


別途料金はともかく、その時の魔女の状態では、何時間も足を下ろしてはいられない状態だった

帰国時の機内でも足を持ち上げて長い飛行時間を過ごしていたのだ


それでさらに違う区の皮膚科に飛び込みで行って診察を受けることにした


そしてその皮膚科にて

名前を呼ばれ、診察室に入って包帯を取る・・


医者 「うえ~~っ! 何だこれ!!」


魔女 「・・」


医者 「こりゃひどいなあー!」


魔女 「そんなこと言われなくても知ってますよ、だから病院に来たんだ」


医者 「うぇ~・・」


魔女 「これ、現地の病院から日本の先生に見せて引き続き治療を受けるようにとのことで持って来たカルテです」


医者 「そんなの見たってわかんないよ!」


ここで魔女がカルテに書かれた経緯を説明する


医者 「うえっ! 最悪のバクテリアにやられてるじゃないか!」


魔女 「やられてる、じゃなくて、やられてたなんですよね」


医者 「こりゃあ非常にマズいよ、あなた!」


魔女 「あのね、私の体にはその最悪のバクテリアはもういないのね」


医者 「マズいよ、これは・・」


魔女 「先生、私の言うこと聞いてます?」


医者 「これは、うちじゃ無理だ!」


ここで魔女は完全にキレた


魔女 「無理なら直ぐに紹介状を書きなさい!」


医者 「書くよ、書く、書く、どこがいいの? この近くだったら・・ そうだ、△△病院があるからそこに行って!」


魔女 「そこじゃない! うちから一番近い病院に宛てて!」


こうして紹介状を手に入れ、大病院へ

やはりここの30代後半と思しき先生も最初は足の傷の深さに驚いた

だが経緯を話すと、ネパールの医療にも興味を持ってくれた


勿論、即刻入院で皮膚移植を勧められた

が、事情があってそれを先延ばしにして貰った


そうしたら凄い勢いで傷が塞がってゆき

皮膚移植をする大きさではなくなってしまい

結局移植しないまま、大きな傷痕を残して完治してしまった


今回私は様々な医者のあり方を知った


日本の医者ってなに・・

患者に向かって 医者があのような言葉を発するなど言語道断だろう

魔女だからいいようなものの

普通、医者にあのような反応を受ければ、患者としては不安でいっぱいになってしまうし、情けなくなるんじゃないか?


その点、ナースの方が人間が上だ

少なくとも私の前では表情を変えることなく処置をしてくれた


診察を断る病院

何が怖くて、何がそんなに大事なんだ?


何が魔女をこれほど怒らせたか

それはカクレル教授の心を日本の医者の一部が踏みにじったからだ


ネパールで受けてきた手術、そしてその後の治療を引き続けたくない感がどの病院もあからさまで

きっとろくな手術や治療を受けていないに相違ない感も見え見えで


カクレル教授は

自分の治療を引き継いでくれる日本の医者にわかるようにと

それまでの魔女の経過や使用した薬、病状の全てを詳しく書いてくれたカルテを私に持たせてくれた


カルテの英語が読めないのはまだしも

一番頭にきたのは、日本の医者はネパールという国を敬遠するあまり

こうしてカクレル教授の気持ちを踏みにじったということだ


確かにネパールにはいい加減な医者も多い

政府の病院も決して衛生的とは言い難い

だからといって全部が全部じゃない

せめて、ちゃんとカルテに目を通して欲しかった

英語が読めないなら、渡したカルテを机に放り投げないで私に聞けばいいじゃないか


これを日本の先生に見せなさい、そして良い治療をしてもらってください

そう言ってその全てを私に託してくれたカクレル教授の気持ちが

日本でこんな風にあしらわれるとは思ってもみなかった


ネパールの病院には様々な患者がいたけれど

どの医者もひどい傷や病状を目の当たりにしても、決して患者の前で顔を歪めたりなぞしなかったぞ


それに引き換え日本の医者は目の前の患者との距離が遠い


少なくとも、ネパールで魔女の入院した病院では、医者と患者との距離が近かった

先生方はにこやかに話し、握手をし、肩をたたいて患者を励まし、抱きしめてくれた


ハグしろとまでは言わないが

せめて患者の気持ちを考慮したマナーくらいは身に着けて欲しい


先進国の医療技術は日々進化していというのに

全部がそうでないにしても、日本の医者の多くはどこかに心を置き去りにしてないかい? 



ネパールで賄賂を貰って私服を肥やす役人でもなく、ぼろ儲けをする銀行マンでもなく

日本でいえば普通のサラリーマンと浮き沈みもあるレストランのオーナー


現地の物価で換算すると、一人当たり¥1,500,000以上のお金を払って日本にやって来て

私の家の掃除をし、料理を作り、庭の木を切り草を刈り、ゴミを出してくれたネパールの友人たちと

私の治療を拒んだ日本の医者

これがお国柄だとしたら日本ってどんな国だと説明すればいいんだろう


           久しぶりに怒ってみましたぁ~ ドクロ


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一部の心あるお医者様は別でございます!