魔女
足元で見上げる《バブー》に・・
私は本当に困った
魔女 「どうしよう・・」
ルナ 「もう連れて帰る時間なんてないよ・・」
魔女 「ルナが寝坊したしたからね」
ルナ 「仕方ない・・」
魔女 「やっぱ連れて帰る?」
ルナ 「ここに置いて行こう!」
魔女 「置いて行っちゃうの!」
ルナとアンビカはスンダリジャル行きのバスを探し始めた
ボダナートの先まで行って、そこでスンダリジャル行きに乗り換えるんだ
そのことを2人に伝えて
私たちはボダナート行きのバスを見つけて乗り込んだ
車掌の男の子 「あの・・」
魔女 「なあに?」
車掌の男の子 「一緒に行くの?」
魔女 「私たち?」
車掌の男の子 「い、いや・・ この犬も・・」
私たち 「うわっ!」
ルナ 「《バブー》! 乗っちゃダメだよ、 降りなさい!」
バブー 「やだ!」
ルナ 「降りなさいっ!!」
バブー 「ぅぅぅ・・ううう・・」 (唸る)
降りろ!と叱られた《バブー》、何を思ったか足の下に隠れようとする
バブー 「まじょ、僕、見えてる?」 魔女 「丸見えだよ・・」
そこで《バブー》は居直り
魔女の隣の席に飛び乗って堂々と座り込んでしまった
だけど・・《バブー》 そういうわけにはいかないんだ・・
バスの運転手さんが発車できなくて困ってるよ
魔女は一度バスから降りた
ついて降りた《バブー》を、すかさず車掌の男の子が押さえる
車掌の男の子が《バブー》の顔をバスから反対の方向に向け
その間に私は動き出したバスに飛び乗った
バスがカンティパトの通りを曲がりかけたところで、車掌の男の子が走って来て乗り込んだ
振り向くと、人混みを行き来しながら必死で私を探す《バブー》の姿が人々の隙間に見え隠れしていた
バスから飛び降りたい気持ちでいっぱいになった
それを押し留めるように、ルナが魔女の手をぎゅっと握った
《バブー》はやはりあの通りを渡って帰るのだろう
帰りに知らない犬たちに襲われはしないだろうか
頭の中はそのことでいっぱいだった
つづく