竹の子掘り 《水玉》
この前、アトリエで
生徒たちが魔女の晩御飯の心配をしていた
それでどーゆー話の流れからか
魔女のためにお化け屋敷で竹の子掘りをしよう! ということになり
子供たちは絵を途中にしてお化け屋敷に出かけて行った
俺 「ちょっと待てよ! いいのかよ」
魔女 「いいのよ」
俺 「よかねえだろうが!」
魔女 「魔女も行く」
俺 「絵はどうするんだよ!」
魔女 「じゃあ魔女の夕食はどうする! どっちが大事なんだよっ!」
大事なのは竹の子なのか・・? そうなのか?
魔女は俺に向かってそうやって逆切れし
竹の子を掘るらしい道具を持ってさっさとお化け屋敷に行ってしまった
それで仕方ないから俺もお化け屋敷まで行って柵の外から覗いてみた
魔女とそうたつが木に登って騒いでいて
女の子たちがシャベルや重たそうなの(鍬)で竹の子を掘ってる
雨模様だっていうのによ・・
やっと竹の子をひとつ掘り出した
誰かがもう一個の竹の子を見つけた
だけどもうだいぶ暗くなってきたからって
魔女はそれをまた今度にして
少しばかり頭を出したその竹の子の場所がわかるようにと
その上に、落ちていた人形のかけらを置いて目印にした
その人形は外国人で、顔や体が無残に割れていて(陶器だったから)
俺から見るに、恨みがましさがひどくかもし出されており
頭が割れて顔は黒ずみ、バラバラ事件のような手や胴体
魔女がわざわざそんなものをかき集めて並べたものだから
俺・・ すごく怖かった
目印にするだけなら、そこらの棒でも立てときゃいいじゃないか
なにも恨みがましい顔の人形をばらまかなくたっていいだろうに
そこのところの心理がまったくわからない・・
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4月22日(木)
しっかりしてよ・・ 《ジョン ブリアン》
雨の中
朝から父ちゃんが泣いている
《涼子》に蹴られて泣いている
その様子を僕はうなだれて窓から見てた
僕はよほど情けない顔をしていたんだろうね
水玉 「《ジョン ブリアン》、そんな顔するな・・」
僕 「だって自分の父ちゃんがあんななんだよ」
水玉 「大丈夫、情けないのはおまえだけじゃないから・・」
僕 「・・?」
水玉 「俺も目一杯情けねえ・・」
僕 「なんで?」
魔女 「何でって、《パパ・ジョン ブリアン》は《水玉》と《ジンジン》の兄さんだからさ」
僕 「ひえぇぇぇ~~~!!」
ジンジン 「ふえぇぇぇぇ~~~!!」
魔女 「あれ? 《ジンジン》・・ 知らなかったの?」
ジンジン 「し、し、知らなかった!」
水玉 「おまえバカじゃないのか? 気づけよ!」
ジョン ブリアン 「じゃあ僕の父さんじゃなかったの!」
魔女 「いや、 《ジョン ブリアン》の父さんだから」
ジョン ブリアン 「それはおかしいでしょ! だって《水玉》のお兄さんなんでしょ!」
魔女 「そうだけど・・」
ジョン ブリアン 「じゃあ僕の父さんじゃないじゃないか!」
魔女 「《パパ・ジョン ブリアン》はおまえの父さんで、《水玉》と《ジンジン》の兄さんでもあるの!」
僕 「それじゃつじつまが合わないじゃない!」
魔女 「合わなかないわよ!」
アゾ 「よっ、よっ、よっ・・」
水玉 「なんだよ、『よっくわからない話だ・・』 って言いたいのか?」
アゾ 「よっ、よっ、よっくばりだなあ~!!」
水玉 「誰がだよっ!」
アゾ 「んなもの き、きまってるだろうが 《パパ・ジョン》じゃ!」
水玉 「何でだよっ」
アゾ 「・・」
水玉 「またわかんなくなっちゃったのかよ・・」
ジョン ブリアン 「とにかく、僕、これからはひとりで恥ずかしがらなくてもいいんだね!」
水玉 「ああそうだよ・・ だから 《ジンジン》、おまえも恥ずかしがれ」
ジンジン 「ふぇぇぇぇぇぇ~~!」
僕 「《パパ・ジョン》が《水玉》のお兄さん・・ ってことは《水玉》の方が弟ってこと?」
魔女 「そうだよ、しかも《水玉》は末っ子なんだ、つまり《ジンジン》もまた《水玉》の兄さんなのよね」
(《水玉》の下に《なでしこ》という末妹がいたが、先天的な障害があったため生後5ヶ月でネバーランドに行ってしまった)
ジンジン 「ひえぇぇぇぇぇ~~!」
魔女 「《ジンジン》ってば、それも知らなかったの?!」
そんなつじつまの合わない会話の間中 (辻褄は合ってるって!)
外では・・
パパ・ジョン ブリアン 「うわあああああ~~ん
うわあああ~ん」
僕 「・・」
水玉 「魔女、どうにかしてくれよ・・」
ちなみに・・
《パパ・ジョン ブリアン》を蹴った女