高価な声変わり | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


まじょねこ日記-Jinjin 2010222

昨日《水玉》が、アトリエのことを日記に言って

その時僕は、《水玉》が座っている日記を言う猫用の椅子の側で寝ていて

それとなく《水玉》の言うことを聞いていた


それで今日、僕もアトリエのことを言います


アトリエの、なにやら書くところ(ホワイトボード)

いつの頃からか変な線が描いてある

それは長い線だったり、短い線だったり・・


魔女はいつもそこに何か描いて生徒たちに説明したりするけど

説明が終わると生徒たちがそれを消す


だけどその線だけはいつまたっても消されない


魔女に聞いたら、それはグラフって言うんだって

それがどうして出来たのかを僕は知ってる


ずっと前のある日


魔女 「らいきは体がでっかいのに声が高いよね」(らいきは中学1年生)


らいき 「・・」


子供たち 「そうだよね、体にに合わないよ、その声」


らいき 「・・」


魔女 「魔女はらいきの高い声、好きだよ!」


らいき 「え・・ そう・・?」


魔女 「うん、大好きだよ! だけどもう・・ じきにその声ともお別れなんだよね・・ 淋しいな」


らいき 「・・俺、声変わんねぇから!」


魔女 「男の子はおまえくらいになると声が勝手に変わるんだよ・・ んでもって、可愛くなくなるんだ、 悲しいな・・」


らいき 「大丈夫だよ魔女、俺、絶対声変わんねぇから」


魔女 「絶対・・?」


らいき 「うん! 絶対!!」


魔女 「・・そうなの?」


らいき 「うん、そうだよ!」


魔女 「・・自信ある?」


らいき 「ある!!」


魔女 「なら・・ 100万円賭けよう」


らいき 「え・・?」


魔女 「おまえが言うとおり、その声が変わらなかったら魔女は100万円あげるよ」


らいき 「い、いいよ・・ 別にそんなのくれなくたって・・」


魔女 「気にしなくていいんだよ、らいき、 だから・・ おまえの声が変わってしまったら魔女に100万円おくれ」


らいき 「へ・・?」


魔女 「いいじゃん、自信あるんでしょ」


らいき 「・・あ、あるよ」


魔女 「はい、決まりね! みんな聞いてたね。 こういうことになったから。 証人はあなたたちだからね! 分かった?!」


子供たち 「はあ~い! 魔女先生、わかりましたあ~!!」


100万円ってどのくらいだかわからないけど

円、ってつくからにはお金だよね


それからずいぶんの間、何事もなく過ぎた

だけど、ある日

生徒の一人が、らいき君の声が違ってきた、と言い出した

らいき君はその時、わざと高い声を出してそれを否定した


だけど、つい出ちゃう言葉は

だんだん低い感じになってきて・・


アトリエの仲間たちによって、それを指摘される度に

らいき君は急に高い声を出してしゃべり始めるんだけど


その高い声も・・ 

次第と無理な感じになってきて

苦しそうな感じにもなってきて


ここで魔女がホワイトボードっていうのにグラフを描いた

それは 『らいき100万円グラフ』 というもので


魔女は、自分が印をつけてズルだと言われるのは嫌だからって

子供たちに公正に判断してそれをつけるように指示した


         まじょねこ日記-Graph 2010222

子供たちがつけたグラフによると・・  2月13日の時点では、変声指数《7》ということで、金額で言うなら¥700,000分ですね

今週はあまり変化が見られないようで見送りです

ま、時間の問題でしょう  けっけけ!!


もし100万円を手にしたアカツキには

みんなにラーメンを奢ってやる!

なんて魔女が言ったものだから・・

毎週、ラーメンがかかったアトリエの仲間の注意を一身に浴びるようになったらいき君は・・

・・次第に無口になっていった


しかし最近になって生徒たちが気付いた


あみ 「まじょ、わたし気付いたんだけど、らいき君、子供だよ、100万円なんて持ってないんじゃない?」


ゆうか 「そしたらカケに勝ってもムダじゃん!」


あやね 「じゃあラーメンはどーなるのぉ?」


らいき 「そおだよ、 俺が100万円なんて持ってるわけないじゃん!」


魔女 「らいき・・ えらい中途半端な声だな・・ ゴールが見えたぞ」


らいき 「ゴールが見えたって俺は金なんてねえぞ!」


魔女 「おまえに今お金がないのなんて分かってるさ、 だけど高校生になったらバイトもするし、いずれ就職だってするわけじゃないか」


らいき 「・・」


魔女 「なぁ、らいき・・ おまえとは長~い付き合いになりそうだねぇ」


らいき君、目が飛んじゃってるけど・・ 

だいじょうぶ?


この女・・

生徒を飼い殺しにする気だ

どこまで性悪なんだ


教室が終わってから、《水玉校長》がボソッとつぶやいた

あんなヤツの家族でいる俺たちだって、いつどうなるかわかんねえぞ

そのうち 『どの猫が一番魔女の役に立ったかグラフ』 とか描かれてたりしてな・・