ジョン ブリアン 「ほら、《ボンネット》」
ボンネット 「・・」
ジョン ブリアン 「大丈夫だから自信を持って!」
ボンネット 「・・」
水玉 「おまえ、いっぱい練習したべ」
ボンネット 「・・」
水玉 「言えよっ!」
ボンネット 「・・日記」
バブー 「《バブ》が日記を!」
ボンネット 「日記を言います!!」
バブー 「・・・」
まじょがいない時、《ジンジン》が《水玉》におそわれた
ジンジン 「ちょっと待って! その話をするの?!」
ジョン ブリアン 「せっかく《ボンネット》が日記を言ってるんだから《ジンジン》は黙ってて! 《ボンネット》、気にしないで続けて!」
まじょがいないと、昼間は人間がお家にいなくて
猫の誰かが外に出たくてもドアを開けてもらえない
《水玉》だけがドアを開けられるんだけど
自分は出たくないから開けない
《ジンジン》は《水玉》といたくないから
外に出たいんだけどドアが開けられない
それでその日も朝からずっとみんなでお部屋にいた
《ジンジン》は《水玉》と目が合う度に怖くて 「う~う~・・」 って、うなってた
朝からずっとそんな感じで・・
お日様がてっぺんを過ぎて、だいぶたって
もうそろそろ夕方かな、って思ったころ
相変わらず目が合うたびにうなってしまう《ジンジン》に
ついに《水玉》のかんにんぼくろのえがきれた
ジョン ブリアン 「『かんにんぶくろ』の『お』が切れるの!」
かんにんぶくろのおがきれた
水玉 「おまえ人の顔見る度、何おんおん唸ってんだよお~!!」
ジンジン 「お~~ん お~~ん
」
水玉 「うるせえんだよっ!」
ジンジン 「うおおお~~ん
うおおぉぉぉぉ~~ん」
おびえた《ジンジン》の 「うおお~~ん」 が激しくなると、《水玉》はますますいらいらして怒り出した
そしてついに立ち上がった
《ジンジン》は尻尾をお腹の下に入れて耳を頭にくっつけ、後ずさりをした
《水玉》は頭を低くしておそう感じで《ジンジン》に向かってゆっくり歩き出した
《りん》がすぐにテーブルに乗っかって見物の用意をした
《バブー》はまじょの机の下に入って首を長くした
《ジョン ブリアン》は出窓の所から振り返って
僕はおそい方を学習しようと《水玉》のすぐ側に駆け寄った
《ユリぼうず》はそんな《水玉》と《ジンジン》の間の椅子の上でぐ~ぐ~寝続けていた
ついに《水玉》が勢いをつけて《ユリぼうず》の寝ている椅子を一飛びに越えて《ジンジン》におそいかかった
《ジンジン》はびみょうな(奇妙じゃないかな・・?)叫び声を上げて飛び上がり、逃げ出した
《水玉》はそんな《ジンジン》を追いかけまわし
ぼくはそんな《水玉》の後を追い
《ジンジン》は泣きながら部屋中を逃げ回った
最後には《ジンジン》はコタツの中に逃げ込んだ
そして《水玉》もコタツに突入した
コタツの中ではどたばたという音と《ジンジン》の恐ろしい悲鳴が続いた
しばらくして《ジンジン》がコタツから飛び出して来た
そして《水玉》もゆっくと出て来た
待って・・
臭い
コタツの中からものすごい匂いが・・
外が暗くなって、寒くなって来た
ぼくらはコタツが大好きなのに
誰もコタツに入らない・・ 入れない・・
《ジンジン》は台所のすみっこの暗がりにずっといて
《水玉》はじゅうたんの上でお腹丸出しで寝てしまって
《ユリぼうず》は最初からずっと眠っていて
残るぼくらはひとかたまりになってお互いを暖め合ってた
家族②が帰って来た
家族②は部屋に入るとすぐにコタツに足を突っ込んだ
ぼくらはあわてて顔を見合わせた
それからみんなで家族②を見た
家族② 「・・」
ぼくら 「・・」
家族② 「・・」
ぼくら 「・・」
家族② 「なに・・ これ・・」
ぼくら 「・・!」
家族② 「何だこれ!!」
ぼくら 「」
家族② 「うわあぁぁぁぁぁ~ 」
ぼくらはいっせいに散らばって逃げ出した
《ユリぼうず》以外のみんなが思わず逃げていた
それから家族②は
ケンケンでお風呂場に行き
コタツに突っ込んだ足を洗った
そして帰って来てコタツの中の敷物をそぉ~っと引っ張り出した
それを持ってまたお風呂場に行き、ずいぶん戻って来なかった
やっと戻って来た家族②は敷物を洗ったみたいで
それをベランダに干した
家族②がコタツをめくったままだから
お部屋中がウンチの匂いでいっぱいになった
家族②が言ったり来たりするたびに
台所で隅っこで《ジンジン》が 「おんおん」 鳴いた
ぽくは・・
ぼくは・・ あの大きな《ジンジン》が・・
《水玉》に襲われてケガもしてないのに、ウンチだけをチビりまくったという事実にショックを受けたていた
ぼくは・・
もう襲い方の学習なんて絶対にやんない、って思った
ボンネット 「これでいい・・?」
ジョン ブリアン 「《ボンネット》、上手にできたよお~!」
魔女 「随分たくさん字を覚えたねえ!日記、とても上手に言えたよ!」
ボンネット 「・・みんなに読んでもらえるかな」
ジョン ブリアン 「大丈夫、きっとみんな読んでくれるよ!」
ボンネット 「《ジョン ブリアン》が最後は自分の意見も言った方がいいって教えてくれたからちゃんと言ったよ」
ジョン ブリアン 「そうだよ!」
ボンネット 「ぼく、疲れた・・」
魔女 「そうだね、いっぱい日記を言ったものね」
ボンネット 「ぼく、日記に言うことをちゃんと覚えていなきゃ、って毎日思ってて疲れたの」
魔女 「偉かったよ、《ジョン ブリアン》も頑張って日記の言い方や取材の仕方を教えたんだね」
ジョン ブリアン 「うん、頑張った!」
バブー 「《バブ》も《ボン兄ちゃん》と一緒に頑張って教わったんだよ!」
魔女 「偉かったね、これから《バブー》の日記も楽しみだわ」
バブー 「はい!」