ネパール日記 ~計画倒れ~ | まじょねこ日記

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魔女


      まじょねこ日記-Mulpani
      ムルパニ村にて

      畑仕事を終えて家路に着く女性たち


ずいぶん前の話

ムルパニ村の友人の家を訪ねた時のこと


そこに住む友人ゴビンダは、魔女が来るというのである計画を立てていた

それはゴカルナの北を通って、山の麓のサンダリザルへ

そこでヒンドゥーの神様を祭った祠を見学する、というものだった


ゴビンダと彼の二人の弟と一緒に

ムルパニの家を出発し、ボダナートの近くまで行き、そこを北東に登り始める

登り始めて2時間ほど歩くと川にぶつかる

そこからは川沿いに急な道を登る


上流なので大きな石が川を覆っていて

水はそのずっと下を流れている


上流からの水は川の横の土管からも町まで運ばれる

暑い日差しの中を歩き続けているから・・

なおさら暑い 

それでこの土管で顔や手を冷やしながら山道を登った


今思い出したが、魔女はこの時、確かスカートをはいていた

しかも相変わらずのサンダル履きだった

まさか山登りをするなどとは思っていなかったから・・


川を覆うように転がっている大石の上を飛びまわった時

スカートでは、ひどく飛び難くて参った覚えがある


何はともあれ、やっと見晴台もどきの場所に着いた

見晴らしなんてちっとも良くない・・


そしてこの人っ子一人いない山中の見晴台付近に

どういう訳か軍隊がいた・・


とにかく、この先にはヒンドゥー神を祭ったお堂があるそうで

ゴビンダの目的は、私にそれを見せる事にあった


ところが信じられないことに・・

こんな山の中にも神様のお堂を拝観するための料金所が存在していた


それこそ世界遺産として有名なダルバールスクェアやパシュパティナート、ボダナートなどならまだしも

こんなところにいかほどのものがあるというんだ・・


魔女 「料金はいくら・・」


徴収係 「外国人は300ルピーだよ」


魔女 「・・・」


徴収係 「300ルピー」  (300ルピー 当時で¥450、 それだってネパールの物価から鑑みるに¥6、000相当だぞ!)


魔女 「・・ない」


徴収係 「え・・」


ゴビンダ 「魔女さん、300ルピーないの?」


魔女 「ない」


ゴビンダ 「・・」


魔女 「ねえ、ネパール人はいくら払うの?」


徴収係 「20ルピー」


魔女 「それならある」


徴収係 「・・ダメ」


魔女 「・・・」


ゴビンダ 「どうしよう・・」


結局、魔女はお金がなくてそこから先には進めず

話し合いの結果

ゴビンダ兄弟が魔女のデジカメの使い方を教わって、それで祠の神様を写して来て魔女に見せる

という空しい話で決着し・・


彼らはそれぞれ20ルピーずつ払って森の奥に姿を消した


       ・・・・・・・・・・・・・・


   つまらん! 実につまらん!


軍人たちは 

(ケッ・・ 外人のくせに300ルピーも持ってないんだ・・)

みたいな目で見てくる


ああ喉が渇いた! なんか飲みたい!!


見ると売店みたいのがある

のぞいてみると菓子や何かと一緒に紙パックのジュースがあるじゃないか!


しかし売店にはだれもいない

ひょっとしてこれは売店じゃなくて軍人たちのための食料庫・・?


魔女は穴が開くほどジュースを見ていた

見れば見るほど我慢が出来なくなる


「ピャース ラギョォォォ~~~!! (喉が渇いたぁ~!)


軍人 「・・なにを飲みたいの」


魔女 「マンゴージュース」


軍人 「わかったよ・・」


魔女 「どうもありがとう・・」


     ・・・・・・・・・


見晴台(実は軍隊の休息所だった)に置かれた椅子で昼寝をしていたら

ゴビンダたちが戻って来た

彼が撮った、『観るのは有料!』 の祠の画像を見た

すんげぇ しょぼい祠だった


魔女にこのような下世話な感想を持たせたのは

ほかでもない、バカ高い徴収料なんだ!


外人はみんな金持ちだなんて思うなよっ!


実に気まずいホコラ見学だった