飼い猫を栄養失調にした女 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


《凛》がようやく自分の名前を覚えて・・

やっと名前を覚えたのだから、もう以前に戻らないよう、当分『うんち』と『臭い』という言葉を使わない令は布いたままにするらしい


そんな《凛》はこの前までひどい顔をしていた

目ヤニが出ていて鼻もぐちゅぐちゅだったんだ


魔女は《ジンジン》に使った残りの目薬をやってあげていたが、一向に治らず

《凛》は悲惨な顔で毎日を過ごしていた

その挙句、体はちっとも大きくならず、

それは病院の先生にも指摘されるほどで・・


そんな《凛》に、魔女はいつもこう言っては顔をしかめていた

「まったくこの子は体を動かし過ぎるのよね!」 


それがやっとこのところ正常な顔になり

どうにか体も大きくなってきた


      まじょねこ日記-Rin

どうしてあんなに痩せてひどい顔だったのか

その原因が分かったのは、俺らの会話からだった


俺 「《凛》はこの頃、朝ご飯をちゃんと食べるようになったな」


ジョン ブリアン 「じゃあ前は短かったの?」


ジンジン 「お茶碗に顔を突っ込んですぐに終わってたような・・」


バブー 「そうだったの!」


俺 「だってさあ、俺、毎日《凛》の大量の食い残しが楽しみだったのに、このところあいつ、食い残さねえもの」


アゾ 「《ア、アジョ》は 自分が食べることで おっぱいおっぱい だったから 知らんかった・・」


俺 「それを言うなら、いっぱいいっぱいだろっ!」


つまり、《凛》はここに来てからほとんど朝ごはんを食べていなかったんだ


最初は子猫用のご飯がう~だらそ~だらと気にしてた魔女も

そのうちそんな事すっかり忘れちゃったみたいで

いつの間にか《凛》は俺らと同じ扱いにされてしまっていた


朝ごはん(朝はカリカリ)の時、《凛》はお皿に入れられたカリカリを一生懸命に食べていた

でもまだ小さな体では、俺らと同じカリカリを食べるのは無理だったみたいで、2粒くらい食べるのがやっとだったようだ

《凛》の食べ残しはこの俺が、しめしめとばかりに食べていたから、魔女は全部《凛》が食べていたと思っていた

それでこのかわいそうな子猫は夜の缶詰だけでどうにかしのいでいたんだ


それでも少しずつ成長し、このところやっと俺らと同じカリカリもどうにか食べられるようになり

目ヤニも鼻のぐちゃぐちゃも次第になくなって

やっときれいな顔になって来た


今になって思えば俺にも責任があるんだけどさ

とにかく魔女は何をやらせても無責任なんだよ

こんなちっちゃな子を栄養失調にしてさ・・

飼い猫が栄養失調になるなんて有り得ないだろう


それで俺らがその事を魔女に言った

魔女は大いに反省して《凛》に一生懸命謝った


「《凛》、申し訳ない事をしてしまった、長い間辛い思いをさせて本当にごめんなさい」


それでも《凛》は、魔女を見つめてごろごろと言っている

けなげだ・・汗


魔女、しっかり反省してください!


        ・・・・・・・・・・・・


昨日、俺らの夕食は魔女の友達が釣って来た新鮮な魚だった

魚嫌いの魔女は、でっかい魚を真っ二つに切って俺らのそれぞれの茶碗に入れた


「今日は釣りたての魚だよ! 野生を思い出してガンガン食べなさい」


魔女はそう言って残りの仕事のために部屋を出て行った


魚は茶碗からとんでもなくはみ出しており

俺らはそれをくわえ、床に引きずり降ろし、ワオワオ言いながらかぶりついていた

俺は骨までガリガリ食った

みんな食べることに本気で集中している


大きな魚を食い終わった俺が顔を上げると

《凛》が茶碗からはみ出した魚をどう食べたらいいのかわからず・・

何回も自分の魚に爪を立てている


魚が爪に引っかかっても、重過ぎて持ち上げることもできないでいる

それで、どうしたらいいか分かんなくなっちゃったんだろうな

そのうち、びゃ~びゃ~と大きな声で泣き出した


俺が食ってやっても良かったんだけど

さすがの俺も、もう腹がいっぱいで・・


《凛》は泣きながらも、魚を少しづつ食いちぎり始めた

自分より大きな魚に必死に噛み付いていた

これを食べなきゃ、明日までご飯がないんだもんな


   ・・・・・・・・・・・


そして今朝から・・

《凛》がひどい下痢をしている


何度も何度もトイレに行き・・

あとちょっとでトイレというのに間に合わない時もある

お尻が痛いのか、お腹が痛いのか

ミ~ミ~! ミ~ミ~! 泣いてる・・


心配した《バブー》と《ボンネット》が《凛》に付きっ切りだ


栄養失調にしたことをあれだけ反省したその日からこの仕打ちだぞ・・



《凛》、ここではな

強くならないと生きて行けないんだ


飼い主が飼い主だからな

ここに来たのが不運だったと、諦めるしかないんだぞ