ネパール日記 ~ ノリタケおじさん ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


これも何年か前のお話



ラクスマンの店でグダグダしていた魔女に


ラクスマン 「暇ならナガルコットにでも行ってみたら?」


魔女 「だって・・この時期(春)は山なんて見られないじゃん」


ラクスマン 「そこは運だよ、運!」


魔女 「どーしよーかな・・」


ラクスマン 「僕がホテルを取ってあげるから」


そんなこんなでナガルコットに魔女とカズリーとパサンとで行く事になった

注) ナガルコット= ヒマラヤを眺めるのに人気のポイント


ラクスマンはナガルコット行きのツーリストバスのチケットを3枚買ってくれ

魔女にデラックスなビューポイント ホテルの部屋を1泊$10という破格のお値段で

ネパール人の友人には、無料で別の部屋を予約しておいてくれた



翌日、私たちはタメルの北、レクナート マルグをテケテケ歩き、通りの向こうのナガルコット行きツーリストバスに乗り込んだ


途中休憩を含め、4,50分でナガルコットに到着



        ・・・・・・・・・・・


ここ、ナガルコットには《ノリタケおじさん》がいる

バス停から少し行った所でレストランを営むこのおじさん

(ネパール人です)

自分が日本の木梨憲武という人ににそっくりな事を知り

レストランの名前を 『憲武珈琲店』 ってしちゃてる


     
      まじょねこ日記-Noritake


夕食はここでオムライスだ

パサンは親子丼を食べてみたい、といってそれにした



向こうの柱の影から覗いているのは《ノリタケおじさん》の娘


「スシ、こっちにおいで」


というと、その言葉を待っていたように、はにかんだ顔でやって来る


そう・・ この子の名前は 《すし》

おじさん、いくら日本が好きだからって・・

そりゃ、やり過ぎだろう!



         まじょねこ日記
              とっても可愛い 《すし》  



ここで暫く賑やかに過ごし、ホテルに戻ると

ボーイに 「夕食は・・」 と聞かれた


ホテル側としては、とんでもない値段及び無料で泊めるのだから、せめて食事だけでもホテルで取ってくれないと間尺に合わないのは、魔女としても承知してはいるんだけど

飲み物からしてバカ高いホテルのレストランでは

価格的にドキドキしながら食事をするより・・


《ノリタケおじさん》の店で心置きなく満腹になりたく・・

恩知らずでごめんなさい


夜、《ノリタケおじさん》から調達してきたトランプで遊ぶ


ヒマラヤは早朝に見るので、早めに寝ることにして解散

ドアを閉めて部屋を眺め回すと・・ 

壁が大小のまだら模様になっている


よく見るとそれらはすべて蛾だった 

先ほどまで開け放していたドアから入って来たのだ

暇だから数えてみたらざっと50匹ほどいた


ベッドの横の窓の上に目を移すと

大きな蜘蛛が・・

蛾たちがヤバいな・・


そう思いながらも眠ってしまった



翌早朝、ボーイが各部屋をノックし、客を起こしてまわる

(ヒマラヤを見るため。 この時期だと・・運がよければ)


ゆらゆらしながら部屋の前にあるテラスに出たら

朝靄の中でカズリーとパサンがカンフーごっこをしていた


彼らに 「ヒマラヤは?」 と聞くと 

「見えないよ」 と言った



ですよねぇ・・ とまたベッドに潜り込む

壁を見ると、大きな蜘蛛が最後の蛾を食べ終わるところだった

蜘蛛は、昨日見た時より一段と大きくなっていた


あれだけの数を、よく食べたものだ・・

この蜘蛛は、一晩かかって部屋の全ての蛾を食い尽くした


うとうとしているとパサンが叫びながら走って来た


「魔女さん、ヒマラヤですよ! ヒマラヤが見えてます!!」


ベッドから飛び出して屋上に走った

螺旋階段を登ると、眼前に朝日に輝くヒマラヤが美しく広がっていた


    
まじょねこ日記-Himaraya

     

                ・・・・・・・・・・・・・・・・


ヒマラヤを堪能し・・

結局3人泊まって、$10だけ払って帰るのも気が引けた

フロントに行きづらい・・ 本当に行きづらい・・


それでレストランに行き、それぞれ何かを注文した

ボーイに 「これだけでいいんですか?!」 と聞かれた

私たちは 「はい、これで十分です」 と答えた


少ない食事はすぐに終わった

ほんの少量の注文でも、ホテル代を超えた

フロントでチェックアウトをし、ホテルの門を潜るや・・


私たちは走った

坂道をドタバタと走った


坂道を下り、へアピンカーブを飛行機の格好をしてぶぃんぶぃん曲がり

走って走って到着した


「《ノリタケおじさん》、オムライス!」


「僕たちも!!」


    まじょねこ日記-Noritake

               《ノリタケおじさん》作のオムライス


《すし》を膝に乗っけ、テラスのテーブルで、《ノリタケおじさん》も一緒に賑やかな時間が始まった