行方不明猫《ベス》の顛末 Ⅲ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


このところ仕事に加え、ネパール側との事務的なメールのやり取りでPCを使い続けており・・

軍団は日記に言いたい事がいっぱいあるようで、魔女がPCに向っている間中、日記を言う猫のための椅子に交代で飛び乗っては

「日記はどうした! 日記を言うから書いて!」 と文句ばかりだ


今日はこの一週間の出来事を・・ と思ったが、《ベス》の話が途中になっているので、監視役の《水玉》にそれの続きを言ってもらう事にした



水玉


《涼子》は、朝、夕、そして夜のおやつ時間には《ベス》と一緒にお化け屋敷から帰って来た

それ以外の時間は、お化け屋敷の庭で遊んだり、そこの2階の利き手側から2番目の部屋で寝たり、ふざけたりして過ごしていた

そこには《アゾ》の姿も度々見られた

《涼子》たちは本当に楽しそうに遊んでいた


そして

毛の長い《ベス》の体がむちゃむちゃになり始めた・・


俺 「魔女、マズいよ・・ 今見てきたらさあ、《ベス》がひどいことになってるぞ」


ユリぼうず 「何しろ毛が長いからねぇ」


魔女 「何しろ長い旅を続けているからねぇ・・」


俺 「・・極悪人」


魔女 「なによ!高級缶詰食べたくないのか」


俺 「・・」


魔女 「全ては軍団のためなんだ」


ユリぼうず 「《ベス》だってあんなに喜んでいるんだから、申し分ない、という事で、ここはひとつ・・」


ジョン ブリアン 「ここはひとつ・・?」


ユリぼうず 「・・・」


俺 「何なんだよっ!」


ユリぼうず 「・・むつかしい」


俺 「何がだよ!」


魔女 「いいじゃん! みんなが楽しきゃ」


ユリぼうず 「ケェ~ケケ、ケッケッ!」


俺 「・・おい、《ジョン ブリアン》、《ユリぼうず》ってばどうした?」


ジョン ブリアン 「・・楽しいんじゃない?」


俺 「どうしてよ・・」


ジョン ブリアン 「そんな事僕に聞かないでよ、《ユリぼうず》気持ちなんて誰にも分かるわけないじゃない」


リャリャリャリャリャ~! リャリリャリャリャ~!!


ジョン ブリアン 「僕、出る?」


魔女 「いいから・・  はい、もしもし」


トミニャガさん 「魔女さん?」


魔女 「いえ、違います」


トミニャガさん 「ふざけなで! 魔女さんでしょっ!!」


魔女 「分かってるんなら何で聞くんです?」


トミニャガさん 「ほっんとに 憎たらしい・・」


魔女 「で、今日はどうなさいました?」


トミニャガさん 「どうなさいました・・って

   《ベス》はまだ見つかりませんの!? 」


魔女 「だから・・見つかったらすぐに電話します、ってば」


トミニャガさん 「本当にちゃんと探してくださってるの!」


魔女 「うわぁ~、ひどい! この暑い中、《水玉》がどんな思いして《ベス》を探し回ってると思っていらっしゃる。 《水玉》だけじゃなく、《ユリぼうず》だって、《ジンジン》だって、《ジョン ブリアン》だって・・ え~っと後は・・ とにかくみんな必死で歩きまわってるんですよ!」


トミニャガさん 「魔女さんは探していらっしゃらないの!」


魔女 「だぁ~って私は猫缶食べませんから、ま、肉でもくださるのなら話は別ですけど・・」


トミニャガさん 「・・なによっ! その態度!」


魔女 「じゃあ、うかがいますけど、トミニャガさんは外を歩き回って探していらっしゃるの?」


トミニャガさん 「・・わ、わたし?」


魔女 「はい、わたし!」


トミニャガさん 「私は・・ 心配してますわ!」


魔女 「どこでっ!」


トミニャガさん 「家で・・」


魔女 「はい! 自分の事棚に上げて人の事言わないよ」


トミニャガさん 「そ、外は暑いんですのよ、そりゃあ暑いんです、残暑が・・厳しく・・」


魔女 「その残暑厳しい中、《水玉》たちは熱いアスファルトの上を靴も履かずに歩き回って《ベス》を探しているんです!」


トミニャガさん 「・・ごめんなさい」


魔女 「トミニャガさん、お気持ちは痛いほど分かります。 でもきっと見つかりますから・・ もう少しの間、ご辛抱を・・」


トミニャガさん 「はい・・ よろしく願いします・・」


・・・・・・・・・・・・・


ユリぼうず 「ケェ~ケケ! ケッケ、ケッケッ! クェ~!!」


俺ら 「・・」


ジョン ブリアン 「僕は、遠くには行くな、っていう《伐》の言いつけを守っているからお家のそばにいるだけなのに・・」


ジンジン 「僕だって・・ 熱いアスファルトなんて歩かないし・・」


魔女 「なによ、猫のくせに真面目だなぁ」


俺 「なんだよ、猫に失礼だぞ!」


魔女 「いいじゃん、《ベス》の安全は既に保障されているんだから」


俺 「そういう問題じゃないだろう!」


魔女 「あぁ、うるさい」


そんなこんなで3回目の夜が過ぎた・・


つづく