行方不明猫ベスの顛末 Ⅰ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


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この前(先週)のお話


ピャンピョーン!! ピャンピョーン!!


ピャンピョンが怒ってる!

僕たちは思わず顔を見合わせた


魔女が玄関に出て行った

俺らは階段の途中から覗いてた


魔女 「トミニャガさん、どうしました?」


トミニャガさん 「軍団のみなさんのお力を、お借りしたくっ 本日はやってまいりました! どうか皆様の暖かいご協力を 是非、是非とも!!」


魔女 「トミニャガさん・・ ウグイス嬢のバイトかなにかなさってる?」


トミニャガさん 「何でこの私がバイトなぞしなきゃならない」


魔女 「単に感化されやすいタイプなのか・・」


トミニャガさん 「ですから是非ともっ!」 


魔女 「《ベス》はいつからいないんですか」


トミニャガさん 「ひぇ・・ どうして分かりますの!」


魔女 「魔女だから・・」


トミニャガさん 「ふざけてる場合じゃないんです!」


魔女 「ふざけてるなんて・・ そ、そんな・・汗


トミニャガさん 「ほら、またふざけた!」


魔女 「早速軍団に捜索させます」


トミニャガさん 「どうかお願いします!」


魔女 「もし見つかったら5日後にお知らせします」


トミニャガさん 「何で5日後っ!」


魔女 「・・」


トミニャガさん 「もうっ! ふざけないで!!」


魔女 「で、捜索料なんですが・・」


トミニャガさん 「捜索料・・」


魔女 「はい、捜索は体力も気力もいりますから、まだ残暑も厳しいですしね」


トミニャガさん 「なんて人だ・・」


魔女 「いえ、いえ、私に欲などありません。 私ではなく猫に払う、って事で、 何しろ猫はタダじゃ動きませんから・・」


トミニャガさん 「どんな捜索料!」


魔女 「高級缶詰猫数分×捜索日数分、それに見つかったら成功報酬としてその倍を」


トミニャガさん 「この・・」


魔女 「何しろ猫はタダじゃ動きませんから・・」


トミニャガさん 「しつこい・・」


魔女 「で・・ どうします?」


トミニャガさん 「人の弱みにつけこんで・・」


魔女 「そんな世の常・・ イヤですね・・」


トミニャガさん 「ニタニタ笑いながら言うな!」


魔女 「どうします? 繁殖期でもありますが・・」


トミニャガさん 「あせる お、お願いします!!」


魔女 「ではお引き受け致します」


トミニャガさんは汗と涙を拭きながら帰って行った


水玉 「どうせまた、俺に行かせるつもりなんだろ」


魔女 「・・」


水玉 「大体俺が捜しまくってさ、見つけたらお礼の高級缶詰をみんなで食うなんて納得出来ねえよ!」


ユリぼうず 「おお!やっと僕の気持ちが分かったようだね」


水玉 「・・」


ユリぼうず 「僕も僕のお誕生日に僕がいつものご飯で、僕以外の猫がご馳走食べるのはそれ以上に納得出来ないのね」

(《ユリぼうず》は膀胱結石の持病があるから療法食しか食べられない)


魔女 「今はその話じゃないでしょう・・ ややこしい」


水玉 「とにかく僕だけ働いて、働かないみんなも高級缶詰なんておかしいだろう」


ジンジン 「頑張るお父さんになったつもりでいいじゃん」


水玉 「じゃあおまえは食うな! おまえとは兄弟だもんな」


ジンジン 「心が狭いんだよ・・」


水玉 「何だとぉ~! ぶっ飛ばすぞ!!」


魔女 「もういいから・・ ご飯はみんなで平等に分ける」


ユリぼうず 「はあぁぁぁ~!何が平等だぁ~!!」


魔女 「またか・・ では《ユリぼうず》以外は平等で・・」


ユリぼうず 「むかつく・・」


水玉 「だから僕にとっては平等じゃない、って言ってるの!」


魔女 「《水玉》は探しに行かなくていいよ」


水玉 「え・・? いいの? どうして?」


魔女 「探さなくたって《ベス》はここにやって来るからさ」


ジンジン 「もし、なかなかやって来なかったら・・?」


魔女 「日々高級缶詰が増えてゆく・・」


ジンジン 「魔女 最低!」


水玉 「魔女・・ 最高!」


ジンジン 「それにハンショクキ・・ っていうのは?」


魔女 「《ベス》、モテないから大丈夫、 まあ、まったりと待ちましょうか・・」


これでいいのか・・

ほんとうにこれでいいのか・・? 


            WANTED ビックリマーク


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