ネパール日記 ~ 旅人たち Ⅱ ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


上海や広州、そして香港空港に比べるとバンコクの国際空港ドムファンは国際色豊かだった

(今はドムファンは国内線に変わり、国際空港はスワンナプームとなっている)


ドムファンはある意味楽しい空港だった

新しい空港、スワンナプームより旅の香りが漂っていた気がする


ある時、昨日書いたホテルに、今回もタダで泊まるため送迎のバスに乗り込んだ

ホテルに着き、フロントでチェックインを済ませ、庭に出た


そこで

服装、ヘアスタイル、物腰の全てがレゲエ ミュージュシャン然とした細身のおじさんに陽気な笑顔で話しかけられた


レゲエおじさん 「バスで一緒だったね、どこから来たの?」


魔女 「日本から来たんだよ」


レゲエおじさん 「へえ! 俺はアメリカ」


魔女 「何だ・・ ジャマイカかと思った・・」


レゲエおじさん 「アメリカだよ! ア・メ・リ・カ!」


魔女 「ジャマイカがいい・・」


レゲエおじさん 「何でっ!」


魔女 「カッコいいから」


レゲエおじさん 「・・」


魔女 「なんだ・・ ジャマイカ人じゃないのか」


レゲエおじさん 「俺、実はジャマイカ人! アメリカで働いてたけどジャマイカ人!! ジャマイカにはもう家はないけどジャマイカ人!」


魔女 「でしょお~!」


それから話は弾んだ

このレゲエおじさんは仕事を定年でリタイアし、一路アジア諸国を訪ね歩いた

その理由は物価が安いから


老後を過ごすには、アメリカでは金銭的に不安があるし、アメリカは大嫌いだと言う・・

それでタイで暮らす道を選んだ

ついでにタイ人の妻をもらい、赤ん坊も生まれた


今回、家族に妻と子を紹介するために渡米し

ちょうどこの日、帰国したところだった

そして出迎えた妻の家族と合流したのだという


レゲエおじさん 「アメリカを出た後、アジアをあちこち旅していてさ、日本にも寄ったよぉ! だけどあそこは無理だな、物価が高くてとても生活なんて出来ないよ、それでさぁ、あーだ、こーだ! うんだら、そうだら・・」


魔女 「ねえ、ロビーで奥さんと子供が待ってるよ」


レゲエおじさん 「いいんだ、人間は自由なんだ!」


魔女 「おじさん、会話の流れが読めない・・」


レゲエおじさん 「俺は自由を謳歌し、物価の安い国で新しい人生を送るんだ!」


魔女 「楽しそうだね!」


レゲエおじさん 「ほら、遠くに山が見えるだろう、あの山の向こうに俺の家があるんだ。 どうだい、俺の暮らす村に来ないか? いい所だぞぉ~! 好きなだけいていいぞ」


魔女 「ごめん・・ 明日はカトマンズに発つんだ」


レゲエおじさん 「なあ~んだよぉ! カトマンズやめちまえ」


魔女 「やめねえよ!」


レゲエおじさん 「妻に美味い物作らせるよ、俺は仕事をリタイヤしたから毎日自由だしさ」


魔女 「おじさん、そんなんでいいのか・・」


レゲエおじさん 「なに・・?」


魔女 「新妻に赤ん坊だよ、『 リタイア! 自由!』 なんていってる場合じゃないでしょう」


レゲエおじさん 「ウヒャヒャ~ 言われちまったよ! ま、見逃しておくれや、俺、ジャマイカンだからさ!」


魔女 「ジャマイカンなライフスタイルってわけなのね・・」


レゲエいじさん 「ジャマイカ! ジャマイカ! レゲエ~~!!」


その後、感じの良い奥さん、そして可愛い赤ちゃんと奥さんのご家族に紹介されたが・・


魔女 「ねえ、おじさんはタイの言葉をしゃべれるの?」


レゲエおじさん 「タイの言葉? しゃべれないよ」


魔女 「奥さん、英語話せないよ」


レゲエおじさん 「・・そうなんだよ」


魔女 「凄いね・・」


レゲエおじさん 「凄いだろう! 言葉の壁なんて愛とレゲエ ミュージックでブッ壊すのさ!」


愛とレゲエミュージックのコラボは最強らしい・・