軍団と魔女の一週間 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

8月10日(月)  魔女


        千里眼


魔女は極度の近視だ

視力は0,0・・ いくつかわかんない

眼鏡なんかでは全く追っつかない

矯正手段はコンタクトレンズのみ

どんなに大手のコンタクトレンズ店に行っても、魔女のレンズは取り寄せになる程だ


そんな猫にも劣る近視だから

感に頼る部分が多くなってしまっているのか・・


大雨の中、車で家から出たところの坂道を下っていたら・・

車道のど真ん中に何かを発見


ハザードつけて道の真ん中に停止!

後続車にクラクションを鳴らされるも無視!


車を降りて近寄ると、雨に打たれてうずくまっているのは・・

メスのカブトムシ


     まじょねこ日記-Kabutomusi-1

それを抱きかかえ、Uターン!

しがみついて離れないカブトムシさんをやっとの思いで指から離し

庭の桜の木に・・

むむ・・ 雨が激しい


     まじょねこ日記-Kabutomusi-2

違う木の雨が当たらないところに移動!

任務完了!


で・・ 魔女はどこへ行くつもりだったんだっけ・・



8月11日(火)   《ジンジン》


        引きずる男


本日も・・

《ボンネット》はこんな様子で

あの日からずっとこんなで・・


     まじょねこ日記-Jinjin&Bonnnet

お母ちゃん離れがそれほどショックだったとは・・


             

            《バブー》


        何者ですか・・


わたし 「まじょ、 あれ・・」


魔女 「あぁ・・ あれは間違えて足が生えちゃった 『たてごとあざらし』 」


わたし 「・・」


     まじょねこ日記-Yuribouzu


8月12日(水)  《涼子》


      セミにお子さんにとりつかれた女


夜、魔女が物置に私のおやつを運んで来た

玄関を出て、外の階段を下り、庭の半分を通って物置まで来るんだけど・・

途中に桜の木と、もいっこ大きな木があって


そこでは夕方から、穴から出て来たセミの幼虫さんたちが

よっち、よっちと歩いて、うんしょ、うんしょと木に登り

葉っぱにしがみついて、ふんぞり返ったりなんだりしながら少しづつ服を脱で立派になる


私は朝も夕方もそれを見てる

食べないで見るだけだよ


魔女がおやつを持って来るのは、ちょっと遅い夜で

魔女がその木の横を通ると

立派になったセミさんたちが、いっせいに飛び始め・・

魔女にとまる


頭や肩や体に、いっぱいセミさんをくっつけた魔女が・・

わたしのおやつを持って、毎晩物置にやってくる


私は初めびっくりしたけど

もう慣れた


      まじょねこ日記-Ryouko
         わっ!魔女ってば、セミまみれ!!



8月13日(木)   《ボンネット》


            盆の入り


今日の夕方、たくさんの家ぞくが遠くから帰って来るって

おむかえの のろしをするから、みんな急いでご飯を食べた

それからテリャスで家族のねこたちを待った


僕の知らない家族だから 

僕はちょっと 心配で・・

《バブー》と一緒に箱の後ろにかくれてた 



8月14日(金)  《アゾ》


       お化け屋敷で盆踊り


きのうの夜 おばけやしき で 《りょこちゃん》と みんなで あそんだ

そしたら くろくて 大きいねこが おどりはじめた

そでが 楽しそうだったから みぃ~んなも おどった

そでが うんと おもしろかったから 今夜もあそんだり おどったり しましょーね~! 


魔女 「『みんな』 って誰?」


わたし 「・・」


魔女 「《涼子》と、あと誰と遊んだの?」


わたし 「み、みんな ですが・・」


魔女 「楽しかったんだ・・」


わたし 「み、み、みんなで みんなが 楽しかったんです!」


魔女 「今夜も行ってらっしゃい!」


わたし 「い、い、行って来るますっ!」



8月15日(土)   魔女


       今日ちゃんの花


昨日、7輪のチュベローズがその首をもたげていた

毎年14日の夜に蕾が開き始め、真夜中を過ぎる頃にはべりべりと全ての花びらが広がる

この花は、ひと夏に数回、ランダムに開花するのだが


不思議な事に毎年決まって咲く日がある

それは《今日ちゃん》の命日


しかし、昨日見たチュベローズは開花するにはまだ小さく、《今日ちゃん》命日である15日には咲きそうもなかった

今年は無理か・・ そう思っていた


ところがテラスでネバーランドの家族を迎える準備をしていると、チュベローズもまた、開花宣言をしていた


     まじょねこ日記-Tuberose

夜になると、風に乗ってあの独特の香りが部屋を満たした

いつもより小ぶりで細い花びらが風に揺れている


無理して咲いてくれたんだね・・ ありがとう


気がつくと、みんなが真夜中のテラスに集まっていた



《水玉》


            アトリエ


今日は《今日ちゃん》が楽しみにしていたアトリエの日だ

《伐》も最期まで心配してくれた子供たちに会いたくて・・

みんな、早くからアトリエで生徒たちが来るのを待った


午前中にやって来たそうた君を見て《今日ちゃん》はとても嬉しそうにした


病気で痩せてしまった《今日ちゃん》のお茶碗に

そうた君は、毎週自分のおやつをそっと入れて帰った

《今日ちゃん》が何も食べられなくなっても、そうた君はそれを止めなかった


そうた君やみずきちゃんの姿を見た《伐》は喜んだ

あの日、《伐》のために小さな心を痛めてくれた子供たちだ

小さなみずきちゃんにとって、《伐》の事故はショックだった

みずきちゃんは《伐》のお墓にたくさんのスーパーボールをお供えしてくれた


午後には、なっちゃんやほなみちゃんもやって来た

《伐》が突然ニャバーランドに行ってしまった時

なっちゃんのお母さんは涙を流してくれた


それから、たまちゃんやくまちゃんがやって来た

あの日アトリエで・・

たまちゃんと、くまちゃんは、もう動けない《今日ちゃん》をずっと撫でていてくれた


《今日ちゃん》は二人にそっとお礼を言った


ユリぼうず 「《今日ちゃん》、《伐》、僕、ご紹介して差し上げる、こちら新しい生徒さん」


     まじょねこ日記-Atelier

今日ちゃん 「こんにちは」


伐 「そうか、頑張れよ!」


ユリぼうず 「てっせい君、本日は《今日ちゃん》と《伐》がいるんだから良い絵を描くようにね!」


てっせい 「うん」


伐 「おまえ・・ なにそのまま寝てんだよ・・」


     まじょねこ日記-Atelier

《今日ちゃん》が一番好きだったアトリエ

《伐》がみんなと仲良しだったアトリエ


今日もみんなの楽しいそうな声が響いている



8月16日(日)  《ジョン ブリアン》


         送り火


夕べ、一輪だけ残ったチュベローズの蕾が一段と大きな花を咲かせた

その前日に咲いてくれた6輪の《今日ちゃん》の花たち

ありがとうございました


それはたまたま・・ 庭のお墓と同じ数でした


楽しい毎日はあっという間に過ぎて

今日、僕たちはニャバーランドのみんなとお別れをしなくちゃならない・・


魔女がお別れの用意をし始めた