ねこ日記 ~ 独立宣言 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


アゾ 「ま、まじょ、ちょ、ちょっと 話があるんだが・・」


      まじょねこ日記-Azo-1 09618

魔女 「なあに?」


アゾ 「《あ、あじょ》は 今日から おっそとで くらすんです そでは どーでしょー」


魔女 「なに言ってんの・・」


アゾ 「そ、そででは みなさま さよーなら」


魔女 「待ちなさい!」


アゾ 「とっ、とっめるなっ!」


魔女 「ちょっと待ってよ、いったいどうしたの・・」


俺 「俺たちがおまえのしゃべり方の事でからかったからか?」


アゾ 「えっ! かるかったんですか?!」


俺 「『カルカッタ』 じゃねえよ、『からかった』!」


ジョン ブリアン 「『軽かった』 じゃないの?」


俺 「どっちにしたって間違いだろうが!」


アゾ 「 そ、そでで いつ からかったんですかっ!」


俺 「え・・  か、からかってない!!」


アゾ 「な、な、なんなんですか・・」


魔女 「で、《アゾ》、どうしてなの?」


アゾ 「・・」


俺 「俺らのせいなのか?」


アゾ 「な、なんで・・?」


俺 「ならどうしてだよっ!」


アゾ 「き、気にいらないんだ 知っとった?」


ジンジン 「いったい何が気に入らないのさ」


アゾ 「《り、りん》が やだなんだ・・ どーでしょーか?」


俺 「どっちなんだよっ!!」


アゾ 「《り、りん》が やだなんだ!」


    まじょねこ日記-Rin 09618

                《りん》


ユリぼうず 「なぁ~に ぬかしとんのじゃ 

                われぇ~!!」


ジョン ブリアン 「《ユリぼうず》、落ち着いて!」


ジンジン 「《凛》なんて、ウンチ臭いお尻で、ただ走り回ってるだけじゃないか」


アゾ 「さ、さいしょに 『 しゃ~!しゃ~!』 ってうなりましたんです 知っとるだろが」


水玉 「誰だって突然知らない猫を見たら唸るだろ」


ジンジン 「それは仕方ないよ・・」


アゾ 「《ば、ばぶ》は うならなかったな」


ジョン ブリアン 「僕も唸らなかった・・」


アゾ 「ほだ・・」


ユリぼうず 「今までここにやって来た猫で最もひどく唸った猫・・ 知ってる?」


アゾ 「《り、り、りん》!」 


ユリぼうず 「おまえだよっ!!」


水玉 「そうだよ、おまえは毎日毎日恐ろしい顔で俺たちに唸ってたぞ!」


魔女 「そうだよ、10以上の夜が過ぎても唸ってたよ」


ジョン ブリアン 「《アゾ》しぶとかったよね・・ 《りん》なんて次の日には唸ったりしないで僕と遊んでいたよ」


ユリぼうず 「おまえがしぶとく唸り続けたおかげでどうなったか知ってるか?」


アゾ 「さ、さて どーなったんでしょー みんな やっさしく なりましたとさ?」


ユリぼうず 「《涼子》が家を出たんだよおぉぉぉ~~!!」


アゾ 「ふぇ・・」


ジンジン 「そうだよ、《アゾ》が恐ろしい顔をして 『しゃっしゃ!!しゃっしゃ!!』 言い続けたものだから《涼子》は嫌になって家を出て一人暮らしをしてしまったんだ」


アゾ 「・・」


水玉 「わかってんのか!」


アゾ 「わ、わっかりました・・ 《りょこちゃん》の 気もち わっかりました」


水玉 「やっとわかったか!」


アゾ 「《りょこちゃん》は 《あ、あじょ》と おんなじ 気もち なんだあ~!」


水玉 「自分かよ!!!」


アゾ 「《りょ、りょこちゃん》と おんなじ 気もちで どっく立します!そでは どーでしょー!」


俺ら 「・・」


魔女 「独立するんなら、ご飯も自分で探すんだね」


アゾ 「ご、ごっはんは くだしゃい!」


ジンジン 「独立っていうのは、誰の世話にもならずに何もかも自分でやる、って事なんだよ」 


アゾ 「で、で、で、できまっしぇん!!」


《アゾ》は俺らの言う事も、魔女の言う事も聞かず・・

ドアを開けて外に出せ、と大声で、しつこく催促した


《アゾ》は猫ハウスのてっぺんで一晩中鳴き続け・・

鳴き疲れると顔を隠して眠るを繰り返した


    まじょねこ日記-Azo-2 09618


おかげで俺らはひどい寝不足で朝を迎えなければならなかった

やっと《バブー》が静かになったと思ったら次は《アゾ》かよ


朝食後、俺らが庭に出る時

ドアの前、先頭に《アゾ》がいて・・

魔女が扉を開けるなり、《アゾ》はくるっと振り向いて、《りん》を一発なぐり

それに激怒した《ユリぼうず》に追いかけられて猫用出入り口から外に飛び出した


「そ、そででは みなさん さよーなら」 と言いながら・・


魔女が俺に後をつけるように言った

俺はすぐさま《アゾ》を追う《ユリぼうず》の後から外に飛び出した

どうせ《ユリぼうず》はすぐにへたるから若い《アゾ》に追いつけるはずがない


《アゾ》はどこに行くんだろう・・


猫はけっこう用意周到だから・・

そこまで言うからには、すでにねぐらや遊び場を決めているに違いないんだ


案の定《ユリぼうず》をへたらせて、《アゾ》はどこかに向う

・・? 家の方に戻ってるぞ

《アゾ》がお化け屋敷への近道の塀に飛び乗って、そこから下に降りた


後をつけていた俺は・・
そこで信じられない光景を目の当たりにしたんだ


つづく