水玉
叫び止めの注射だか薬だか訓練だかの効果により
《バブー》は正気に戻った
いつの間にかお腹のに小さなハゲが出来ていて
そこを気にして舐めてばかりいる以外は、全く元通りだ
夕べは《ボンネット》と仲良く眠っていた
俺らも久し振りに落ち着いて眠ることができた
魔女は全く《りん》の面倒は見ず
子育ての全てを俺ら任せにしている
《りん》がみんなに遊んでもらっている
《りん》に顔をぶたれても、背中を噛まれても、誰も文句は言わない てか・・ 言えない
小さ過ぎて、まだわからんちんだから・・
魔女 「《凛》!《バブー》は手術したばかりだから遊ばないで!」
家族② 「この子の名前、《凛》じゃなくて《薀蓄斎》にすれば良かった・・」
魔女 「ごもっともで・・」
ボンネット 「そんな名前、女の子らしくないよ」
家族② 「でも、『薀蓄斎』 がふさわしい」
俺 「いや、まったくだ・・」
ボンネット 「《水玉》は 『うんちくさい』 に さんせいなの?」
俺 「だって、まんまじゃん!」
ジンジン 「確かに・・」
ジョン ブリアン 「・・臭いよね」
ボンネット 「・・」
アゾ 「《り、りん》にしてみれば、いいにおい なんだろ」
俺 「そんな訳ないだろうよ!」
ジョン ブリアン 「だけど、よく自分が嫌にならないよね」
ユリぼうず 「あれぇ~、病院でウンチおもらししてる猫が、自分の事もかえりみず何か言ってるぞぉ~!」
ジョン ブリアン 「何で・・ここでその話を持ち出すんだよ!」
ユリぼうず 「ウンチの代表者といえば、《ジョン ブリアン》、君をおいて他に誰がいようか」
ジョン ブリアン 「おしっこ癖の悪い猫といえば誰だっけ!」
ユリぼうず 「なあんだとぉ~!!」
魔女 「やめなさい、まったく・・」
ジンジン 「《凛》さぁ・・ ひょっとしたら、ウンチの切り方が分かんないんじゃない?」
俺 「問題は切り方なのか!」
ジョン ブリアン 「《バブー》や《ボンネット》はどうだった?」
俺 「いいや・・ そんな事なかったぞ」
ジンジン 「《インジゴ》姉妹なんて、もっと赤ちゃんだったけどぜんぜん臭くなかったよ」
アゾ 「し、し、しっ」
俺 「なんだよ・・ おしっこか?」
アゾ 「し、しゅっみ じゃないだろか!」
俺 「趣味で尻を臭くしてどうするんだよ!」
アゾ 「い、い、いろんな しゅっみが あるからな・・ 知っとった?」
俺 「人間じゃあるまいし、猫にそんな趣味の悪いヤツなんていねえよ!」
家族② 「とにかく臭過ぎるんだよ」
ジョン ブリアン 「家族①が気にしてお尻を洗ってるけど、おおいに嫌がってふんぞり返ってぎゃんぎゃん鳴いてるよ」
アゾ 「ほだ・・」
俺 「なんだ・・?」
アゾ 「や、やっぱ、しゅっみ なんだ・・」
ジンジン 「ウンチの切り方が分かんないんだよ」
ジョン ブリアン 「ウンチが悪いんじゃない?」
俺 「何だよそれ・・」
ジョン ブリアン 「性質の悪いウンチなんだよ」
俺 「悪いのはウンチかよ、 じゃあどうすりゃいいだよ!」
ジョン ブリアン 「う~む・・」
ユリぼうず 「見守ってあげなさい」
家族② 「そんな・・ どんだけ我慢すりゃいいのさ!」
ユリぼうず 「如何ほどにも・・」
家族② 「どれほどだよっ!」
ジンジン 「やっぱ、ウンチの切り方を教えればいいんだよ」
家族② 「どうやって!」
ジンジン 「う~む・・」
ユリぼうず 「じゃあ、《凛》という名を撤回して、そのまんま《薀蓄斎》にすれば問題は解決するじゃない?」
俺 「しねえよっ!!」
話し合いにもなんない話しをして・・
バカな一日が終わろうとしていた
そんな中・・
「ま、まじょ、話があるんだが・・」
《アゾ》がとんでもない事を言い出した
つづく