ジョン ブリアン
僕は《ボンネット》のお母ちゃんの事を《伐》に聞くことにした
みんなで話し合っても何もわかんないし
《ボンネット》はお母ちゃんが自分を迎えに来なかった訳を知りたがってるし・・
ここはもう《伐》しかいないって・・そう思ったんだ
それで僕はその後、急いでお庭に行った
そして《伐》のお墓の側の桜の切り株に乗っかって
ニャバーランドの《伐》に向って言った
「《伐》にお願いがありま~す。 今日、ニャバーランドで晩御飯食べたら、ちょっとお家に帰って来てくださ~い」
夜になって・・
僕たちはみんな揃って《伐》を待った
「《伐》はきっとテリャスからやって来ると思うよ」
って僕が言ったから、みんなテリャスに出た
ジンジン 「ん~ なかなかやって来ないね・・」
水玉 「なんか俺・・ 久し振りに会うから恥ずかしいなぁ」
ユリぼうず 「うっほ~! けぇっけけっ!」
水玉 「なんだよ!」
ユリぼうず 「みんなの心を代表して笑っといた」
水玉 「どういう心だよ!」
ユリぼうず 「けけっけっ! ・・って感じの心でしょう」
水玉 「俺をおちょくってんのか!」
僕 「二人ともやめなよ!そんな事言ってたら来ないよ」
アゾ 「ま、まだですか? ハラハラしますが・・」
水玉 「なんでハラハラなんだよ」
ボンネット 「・・まだかな」
僕 「きっと来るよ、そうだ! 目をつぶればいいんだ」
ジンジン 「前もそうやったよね!」
僕 「みんな、目をつぶって!」
僕ら 「・・・」
カサコソ・・カサコソ・・
ジンジン 「《バブー》何やってるの・・」
バブー 「むし・・」
水玉 「無視しろっ!」
ユリぼうず 「けえ~っ けけっ!!」
僕 「何笑ってるんだよっ!」
ユリぼうず 「だって《水玉》、猫のくせにしゃれ言ってる」
ジンジン 「ちゃんとやろうよ、 《ボンネット》のためなんだからね! 《バブー》も目をつぶって」
バブー 「どして・・?」
水玉 「いいから黙って目をつぶれや~!」
僕ら 「・・・」
アゾ 「《バ、バブー》が 目を半開きにしてますが・・ 知っとる?」
ジンジン 「《バブー》、言う事が聞けないのか?!」
バブー 「なら、《アゾ》も目をチャカチャカあけてます」
アゾ 「《ア、アジョ》は あっけてませんが・・」
バブー 「じゃ どして 《バブー》が 目をあけてるって わかった?」
アゾ 「ガ、ガ、ガキのくせに 変なとこ りこうだな・・」
水玉 「おまえがバカ過ぎるんだよ!!」
アゾ 「だ、だって、目をつぶったら 《ばつ》とやらが みえませんが、そではそーでしょー!」
僕 「見るんじゃなくて、まず感じるんだよ」
アゾ 「・・ で、できまっしぇんっ!!」
水玉 「こいつ・・」
アゾ 「《ア、アジョ》は じぇったいに 見たいんです! そでは 《ばつ》に会ったことがないからです! どーでしょーか」
水玉 「『どーでしょーか』 じゃねえよ!」
僕 「こんなんじゃダメだ・・」
バブー 「じゃぁ もう むしを いじっても いい?」
水玉 「いじるなっ!」
ジンジン 「そうだよ、僕だってその虫をいじりたいのをさっきから我慢してるんだからね!」
僕 「《ジンジン》も集中してなかったの!」
ジンジン 「だってその虫・・ ぶいぶい、ぶいぶい うるさいんだもの」
ユリぼうず 「僕、トイレに行きたい」
僕 「ぼーこーえんはもう治ったんでしょ」
ユリぼうず 「フツーにトイレ・・」
水玉 「そこらでしてろよ! おまえ、『どこでもトイレ』 得意じゃないかよっ」
ユリぼうず 「・・」
水玉 「なんだよ、その目は・・」
ガ~~~ブッ!!
水玉 「 いってえー!! 何するんだよ!」
僕 「もう止めてよ!!」
ボンネット 「・・もういい」
僕 「良くないよ、お母ちゃんの事を知りたいんでしょ」
ボンネット 「・・いい」
僕ら 「・・」
僕 「みんなのせいだからね、 どうするんだよ!」
結局、《伐》は来なくて・・
遅い夜になったから
僕らはお部屋に戻ってそれぞれがいつもの位置で眠った
僕はなかなか眠れなくて
《ボンネット》の方をそっと見た
《ボンネット》は、うずくまって体を丸めて泣いていた
《ボンネット》は顔を手で隠していたけど
僕にはそれがわかった
どうして《伐》は来てくれなかったの・・
《伐》はもう僕らの事を忘れちゃったの?
僕は絶対に忘れたりなんてしないのに
心が急に淋しくなって
僕は《ボンネット》と同じように両手で顔を隠した
僕はいつの間にか眠ってしまった
悲しい心と一緒に眠ってしまった
だけど・・
《伐》は僕たちの事を忘れてなんていなかったんだ
つづく