ジンジン
昨日あたりからなかな・・
《ボンネット》がぼんやりしている
いつもだったら《バブー》と部屋を駆け回っているのに
朝からず~っとベッドでぼんやり・・
寝ているわけでもないし、だからといってどこかを見ているわけでもない
僕 「なんだか《ボンネット》が変だよ・・」
ジョン ブリアン 「そうなんだよ・・ 《バブー》がふざけて噛み付いても反応しないんだ」
アゾ 「び、病気ですかね・・ どーでしょー・・」
僕 「だけど、毛づやはいいし、鼻も濡れてるよ」
ジョン ブリアン 「そっとしておいた方がいいのかなぁ」
水玉 「その方が良さそうだな・・」
ジョン ブリアン 「そうだね・・」
ユリぼうず 「じゃあ、 僕が聞いて来るよ!」
水玉 「おまえ・・ 人(猫)の話聞いてろよっ!」
ユリぼうず 「ちょっと、《ボンネット》、どうしたのかな」
ボンネット 「・・」
ユリぼうず 「僕、どうしたの?って聞いてるのね」
ボンネット 「・・」
ユリぼうず 「・・」
ボンネット 「・・」
ユリぼうず 「・・ どうしたのか、って・・
聞いてるんだろうがあ~!!」
ボンネット 「び・・ びぇ~ん」
水玉 「泣かせてどうするんだよ・・」
ジョン ブリアン 「相変わらず強引だね・・」
ユリぼうず 「で・・ 元気ないけどどうしたの?」
ボンネット 「お・・お母ちゃん」
ユリぼうず 「お母ちゃん?」
ボンネット 「お母ちゃん・・」
ユリぼうず 「・・」
ボンネット 「・・」
ユリぼうず 「お母ちゃんがどうしたあああ~~!!」
ボンネット 「お、お母ちゃん・・ どうしてぼくをむかえに来なかったの?」
ユリぼうず 「・・むむ」
水玉 「ちょっと待て! それはなにか? ここに来たのが嫌だったって事なのか!そうなのか?!」
ジョン ブリアン 「あぁ・・僕・・《伐》を思い出しちゃった」
僕 「《ジョン ブリアン》・・ そこはいいから」
ボンネット 「そうじゃないよ! だけど、ぼくは・・ ぼくはお母ちゃんに すてられたんでしょ・・」
水玉 「子供を捨てる母ちゃんなんていねえよ! 人間じゃあるまいし!」
ジョン ブリアン 「どうしてそんなこと思うのさ!」
ボンネット 「大きくなっていろんなこと知ったら・・ そうなのかなって思った・・」
ジョン ブリアン 「捨てられたのは僕だよっ!」
ボンネット 「え・・??」
水玉 「《ジョン ブリアン》おまえ、自分の生い立ちを言うな! 《ボンネット》が混乱するだろ」
ジョン ブリアン 「だって・・」
僕 「とにかく、何か《ボンネット》を迎えに行けない事情が母ちゃんに起こったんだよ」
ボンネット 「どんな?」
僕 「そ、それは・・ 最初にくわえて行った子が突然高熱を出したとか・・さ・・」
アゾ 「と、とっちゅうで 子供を落っことして あわてて さがしてましたとか・・」
ジョン ブリアン 「子供を落っことしたらすぐ分かるよ!」
アゾ 「こ、子猫が、よっち、よっちと逃げだしたんですよっ!」
ジョン ブリアン 「よっちよっちだったらすぐに捕まえられるでしょっ」
アゾ 「そ、それができなかったら?」
ジョン ブリアン 「よちよちに追いつけない母ちゃんってどんな母ちゃんだよ!」
アゾ 「ダメな母ちゃん?」
水玉 「おまえらいい加減にしろ!!」
ユリぼうず 「良かったじゃない」
僕 「なにが?」
ユリぼうず 「捨てられて」
ボンネット 「・・」
水玉 「《ユリぼうず》、何言ってんだよ!」
ユリぼうず 「僕は早いとこ捨てられたかったねの、あんな意地悪な母ちゃんも兄弟もいらないから」
僕 「みんなが《ユリぼうず》と同じ境遇とは限らないんだからさ・・」
ユリぼうず 「そおなの?」
アゾ 「・・」
僕 「《アゾ》は大好きなお母ちゃんから無理に離されちゃったんだったね・・」
アゾ 「う、うらみます・・」
ユリぼうず 「誰を?」
アゾ 「・・?」
ユリぼうず 「恨む相手を忘れちゃったのね・・」
水玉 「おまえらもいい加減にしろ! 今は《ボンネット》の事を言ってるんだろうが」
ユリぼうず 「だからみんなでこうして話し合ってるの」
アゾ 「そ、そうだぞ!」
水玉 「おまえらのは話し合いにも何もなってないぞ!」
ボンネット 「」
水玉 「いいか、《ボンネット》、おまえの母ちゃんはおまえの事を心配しながらも、何か特別な事情が出来ちゃったんだ」
アゾ 「う、うっかり わすれちゃった・・とかですかね?」
ボンネット 「」
水玉 「《アゾ》はもうしゃべるな!」
バブー 「だ、だれが おにいちゃんを なかせた! 出て来い!!」
水玉 「《バブー》、おまえもいいから黙ってろ!」
僕 「《ボンネット》、そうだよ、きっと迎えに行きたくても行けなかったんだよ」
ボンネット 「ぼくをむかえに来ないじじょう、って・・」
水玉 「それは・・迎えに来れないくらいだから・・ 大変な事情だよ・・」
ボンネット 「・・ニャバーランドに行っちゃったの?」
僕 「何言ってるんだよ! そんな訳はないよ」
ボンネット 「じゃあどうして来なかったのさ!」
僕ら 「・・」
ジョン ブリアン 「《伐》に聞いてみよう、そうしたらきっとお母ちゃんの事がわかるよ!」
ユリぼうず 「同意する」
今夜《ジョン ブリアン》が、ニャバーランドの《伐》に《ボンネット》のお母さんの事情を聞くって言ってる
つづく