２月２４日（火） ジョン ブリアン
一番欲しいもの
ジンジン 「ねえ、今一番欲しいものってある？」
僕 「どうしたの？ 急に・・」
ジンジン 「僕さ・・ 欲しいものあるんだよね」
水玉 「俺は高級缶詰だな！」
ユリぼうず 「そんなんでいいの？」
水玉 「ばかあ～ それも山盛りだぜ！」
ジンジン 「じゃあ《ユリぼうず》は何なのさ」
ユリぼうず 「・・」
水玉 「何だ・・分かんないんじゃないか」
ボンネット 「ぼくは いっぱいの ゆう気がほしい・・」
水玉 「おまえ、ビビリだもんな」
ジンジン 「《バブー》は？ 何が欲しいの？」
バブー 「オモチャ！！ ゴハン！ マテャテャビ！！」
アゾ 「《ア、アジョ》はですねぇ・・」
水玉 「おまえに必要なのはまともなしゃべり方だよ！」
アゾ バンッ！！
水玉 「いってぇ！ 何すんだよ」
アゾ 「どーでしょー・・」
水玉 「なにがだよっ！！」
ジンジン 「《ジョン ブリアン》は？」
僕 「僕は空を飛ぶための羽が欲しい」
ユリぼうず 「詩的なのね」
僕 「それで《ユリぼうず》はどうなの？」
ユリぼうず 「・・」
水玉 「まだ分かんないのかよ、 おまえ・・幸せなんだな」
アゾ 「し、しょー言う 《ジンジン》は 何が ほっしいんですかね」
僕 「そうだよ、欲しいものがあるって言ってたじゃない」
ジンジン 「僕ね・・」
水玉 「何だよ、躊躇しないで言ってみろよ 何を言っても笑ったりしないからさ」
ジンジン 「本当に笑わない？」
僕 「笑わないよぉ」
ジンジン 「僕が欲しいのはね・・」
僕 「なに？」
ジンジン 「・・《水玉》のいないリャビング」
みんな 「・・」
ユリぼうず 「なかなか笑えないね」
水玉 「・・その話で誰か笑うのか？」
ジンジン 「笑わないの・・？」
水玉 「誰が笑うってんだよおお～！！」
《ジンジン》が欲しがったものは・・
《水玉》の短気に余計な火をつけ
部屋の中では・・
《水玉》に襲われた《ジンジン》の毛が
そこらじゅうに舞っているよ
２月２５日（水） ジョン ブリアン
一番欲しいもの Ⅱ
魔女は朝からリビングに散らかる《ジンジン》の・・
《水玉》によって抜かれた毛を掃除する
コタツの縁には元気のない《ジンジン》が横になっている
だが《水玉》も心得ていて、殆ど怪我をさせない程度に襲う
たまに小さな引っかき傷が出来る時もあるけど・・
《バブー》が元気のない《ジンジン》を心配している
茶トラ同士はやたら仲が良いんだ
バブー 「《ジンジン》 ダイジョーブ ？」
ジンジン 「・・」
バブー 「《ミジャタマ》・・ ワラワナイッテ イッタノニネ」
ボンネット 「え・・ あれは 笑ってはいないかったよ」
バブー 「《ミジャタマ》 ワラッテ ナカッタノ・・？」
僕 「どう見たらあれが笑った《水玉》に見えるのさ」
アゾ 「《ア、アジョ》は 《バブー》のこっとが だいぶ 心ぱいに なって来ったが・・」
ユリぼうず 「《アゾ》、君に他猫の事を心配する余裕なんてないから・・ 知とった？」
アゾ 「し、し、知らんかった・・」
僕 「ねえ、魔女は何か欲しいものある？」
魔女 「・・あるわよ」
僕 「それは何？」
魔女 「猫の医療費控除と扶養控除」
アゾ 「え・・ な、なんですか？ そでは・・」
ボンネット 「《ジョン ブリアン》、まじょは 何て言ったの？」
僕 「猫の・・ 何とか、って言う飛行場とひょ～っていう工場だって」
ユリぼうず 「おお！ さすが、魔女の欲しいものとなるとスケールが違うな！！」
２月２８日（土） 水玉
魔女の手伝い
下の家の、ひとり暮らしのおばあちゃんの足の骨が壊れた
それで入院してしまった
おばあちゃんは病院から電話をかけて来て
魔女にお庭の植物にお水をあげて、って言った
雨が届かない屋根の出っ張ったところに植物があるからって
それで魔女と僕と《ユリぼうず》と《ジョン ブリアン》とでおばあちゃんちの植物に水をあげに行った
僕らは魔女にくっついてうろうろしながら手伝った
（はい？ 何をどう手伝ったって？）
はじめは魔女の後をついてうろうろしていたが・・
そのうち《ジョン ブリアン》はふざけ始めて木に張り付き
《ユリのうず》はじきに疲れてこの有様
３月１日（日） 魔女
旅支度
魔女の旅支度はたいした事はない
パスパートとチケット予約表、それに少ない現金を持てばそれで良いのだが・・
留守の間の各支払い、銀行引き落としのための入金、仕事の調整、猫の食料とトイレ砂、猫の薬等注意事項の伝達・・ etc..etc..
魔女にとってはこちらこそが旅支度
それでこのところかなり忙しくしている
３月６日、ネパールに向けて出発します
帰国は２６日、３週間の旅です
気ままな旅をしたいと思っているのに
既に到着以降一週間の予定が埋まってしまっている
今回はどんな旅になることやら・・
心残りは猫軍団の事だけ
無事に３週間を過ごしてくれる事だけを祈って
５日後、日本を出発します
魔女の旅行を阻止するため、魔女愛用の通称 『どこにでも持ってくバッグ』 の封印を続ける《ジンジン》
《ジンジン》が気分転換の散歩に出る間、代わってその大役を仰せつかった《バブー》
バックを取ろうとするとしっかり睨まれる
出掛けられないよ・・