ジョン ブリアン
今日は久し振りのお天気です!
信じられない事に魔女が早起きをした
そして僕らに向って、「散歩に行くよ!」 と言った
僕らはきゃ~きゃ~言いながらドアに向って駆け出した
まず、おばあちゃんの植物たちに水を食べさせ
それから、いつもの道をにぎやかに歩いて丘の上に向った
水玉 「《ジョン ブリアン》、おまえまるで犬みたいだぞ」
僕 「どうして?」
水玉 「魔女の横にぴったりくっついて、魔女と同じ速さで歩いてるじゃないか」
アゾ 「《ジ、ジョンブブ》は、よっり道も 草のにっおいも し、しましぇんが・・ みんな 知っとった?」
水玉 「んなもん見りゃ分かるだろうよ!」
ジンジン 「見てみな・・《ユリぼうず》が先に行って、隠れたフリしてるよ」
僕 「お尻丸見えじゃん」
ジンジン 「僕、走って行ってお尻に飛びかかろうっと!」
きゃ~きゃ~
途中の道・・
片一方が崖になってるとこ
ここを通る時
僕は必ず立ち止まって崖の方を見る
でも僕はそこを見る前に一回目をつぶって・・
心の中でこう思うんだ
(目を開けたら・・そこに《伐》がいるかも知れない)
そんな気がして
あの日の事は夢で
あれからの事も全部夢で
お天気のいい日はいつもそうしていたように
《伐》は崖の途中で今日も昼寝をしていて
にぎやかに通りかかった僕らに向って言うんだ
「よお、みんなで散歩か? さて俺もここから降りて合流するかな」
そして僕らのところまでやって来て
すごくふざけた感じで、いきなり走り出すんだ
猫らしくない大きな足音を立てて、すごい勢いでね
それからずっと先の木の陰とかに隠れて、僕らが気づかずに通り過ぎようとすると情けない声で 「ふぇ~ふぇ~」 と鳴く
それがいつものことで・・
僕は・・
崖の方に向ってそっと目を開ける
だけど、《伐》はいなくて・・
やっぱり今日もいなくて・・
僕は急に心が淋しくなって
泣き出しそうになる
魔女は僕から少し離れたところで立ち止まって、そんな僕を待っている
僕は魔女のところに走る
この場所を通る度に、僕は同じ事を繰り返す
丘のてっぺんに着いたら階段で一休み
それから違う道を通って広い空き地に行く
前は梅の林や、誰も使わないテニスコートや、もっともっとたくさんの空き地があった
だけど今、僕たちが遊べるのはこことお化け屋敷だけ
僕らはここでいつものように、『タッチごっこ』 をして大いに走り回った
ぶっ倒れるほど走り回った
その後しばらく休んでから、僕らはお化け屋敷に向った
ここで僕らは思い思いに遊んだ
《ユリぼうず》はここでもヘタる
それも毎回同じ場所、同じ格好で・・
僕 「今日は朝から楽しかったね! それにしても、魔女が早起きして僕らを散歩に連れて行ってくれるなんて珍しいね」
水玉 「きっともうじき、ニャパールに行っちゃうんだろうよ・・」
僕 「・・いつ行っちゃうのかなぁ」
水玉 「俺らが数えられるくらい前になったら言うんじゃないか?」
僕 「じゃあ3くらいだね・・」
水玉 「おまえ、もしか息が苦しいな・・って思ったら、すぐに家族①か②に言わなきゃだめだぞ、我慢なんてするなよ・・」
僕 「・・うん」
水玉 「魔女がいない時は、なるべく外に出るな」
僕 「うん・・」
だんだん憂鬱になってきた