ジョン ブリアン
今日は非常にお天気が悪く・・
しかも電気のお仕事（工事）の人が来てて
長い時間、お部屋のテレビの後ろをいじっていた
その間魔女は僕らがいたずらしないように見張っており
僕らは好き勝手に遊ぶ事も許されず
つまらない・・
見た事のない人が部屋に入って来たというので
気の小さい《ボンネット》はコタツに潜り込んで固まっている
一方《バブー》は・・
鼻をぐしゅぐしゅさせた（花粉症なんだって・・）のお兄さんの工具箱に入り込んで、いくつもある色々な形の道具のひとつひとつを目を吊り上げて点検している
魔女が注意をしても、道具箱から出しても
ちょっと目を離したスキにまた入り込んでしまう
鼻ぐしゅぐしゅのお兄さんが《バブー》に
「好きにしてもいいよ」 なんて甘やかすものだから
ちょうど工具箱に飽きてきた《バブー》は
お兄さんの後ろに控えて首を伸ばして工事の様子を眺め始めた
しかしそこからではなかなか見えにくかったとみえ
出窓に飛び乗って上からお仕事のようすを眺め始めた
お兄さんが長い紐（ビニールコード）を箱から引っ張り出した
すると《バブー》は窓から飛び下り、紐に飛び掛った
するすると引っ張り出される紐なんて見ちゃったら、猫はもうお終いなんだ
《ユリぼうず》も僕も、すかさずそれに飛びついた
魔女が 「止めなさい！」 と言って僕らを制止した
お兄さんはニコニコ笑いながら僕らに
「ちょっと待っててね」 って言った
《バブー》以外の僕らは良い子にして待った
《バブー》は魔女に追い掛け回されている
家の外でお仕事をしていたちょっと老けた別のお兄さん（どの程度のお兄さんなんだ・・）がお部屋に入って来た
この人がまた、派手な猫好きで
（どれほどの猫好きなんだ！）
このお兄さんは電話の係りみたいなんだけど
そのお仕事もしないで、長くて柔らかい紐（コードのきれっぱし）を、こちょこちょ動かして僕らを遊ばせ始めた
僕らはきゃーきゃー言って柔らかい紐に飛びついた
それを鼻じゅるじゅるのお兄さんがテレビの後ろでお仕事をしながら笑って見ている
老けたお兄さんは僕らに夢中でお仕事がはかどらない
僕らを遊ばせる片手間にお仕事をしている感じだ
家の中がとってもにぎやかだ
（あの・・ それじゃ魔女は困るのね）
老けたお兄さんが、電話の台の後ろにネズミのおもちゃを見つけて僕らに見せた
僕らはきゃーきゃー言っておもちゃに向って跳ねた
老けたお兄さんがそのおもちゃを放った
それを《ユリぼうず》がグァッシッとキャッチし
ひっくり返って後ろの足で思いっきりネズミを蹴った
ネズミはピュ～ンと飛んで行き・・
僕らは必死でそれを追いかけて！
（あの・・ どうか工事を・・）
鼻ぐしゅぐしゅのお兄さんもだいたいのお仕事が終わったみたいで
色んな道具を駆使して僕らと遊んでくれ始めた
お兄さんたちは次から次へと新しいおもちゃを考案してくれた
僕らは夢中になって山盛りの新しいおもちゃで遊んだ
こうしてお部屋の中はてんやわんやの大騒ぎになった
今日は雨にも関わらず・・
ものすごぉ～く楽しい日だった
だけど工事は・・
思ったよりずぅ～と長引いたのだった