シンコクな問題 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


まじょねこ日記-Jyon brian

今日もお天気が悪くて・・ 寒くて・・

そのうち雨も降り出して・・


魔女 「ちょっと出てくるから後を頼むね」


水玉 「こんな天気が悪い日に外出か! いい身分だ」


魔女 「好き好んで外出しているわけじゃないわよ」


水玉 「こんな嫌な天気の日に外出なんて好き好んでいるとしか思えない!」


魔女 「《ジョン ブリアン》の薬を取りに行くのっ!」


僕 「げっ!!」


魔女 「ああ、今回は《ジョン ブリアン》は行かなくていいよ、魔女が行って薬を貰ってくるからね」


僕 「やったぁ~!」


ユリぼうず 「喜んでていいの? 今後も薬を飲み続けるって事でしょ」


僕 「・・」


魔女 「魔女が旅行の間、薬を隠したりしないでよ・・」


僕 「僕・・ そんな保障は出来ない」


魔女 「保障しなさい!」


魔女は僕の病院の他にもあちこちに寄って用事を終わらせて来るから、帰りはちょっと遅くなると言っていた

ひきこもり人間だから、一回外に出ると当分外出しなくていいようにいっぺんに何もかもやってし来るんだ


魔女もいないし、お部屋は寒いし・・

僕らはぎゅうぎゅう詰めでコタツにもぐり込み、ただもそもそと話をするしかなかった


ジンジン 「何だかさ・・魔女忙しそうだよね・・」


アゾ 「い、家におるだけでも ひっきりなしだが、 あでは 何をしとるんかの? だでか 知っとる?」


僕 「そう言えば・・ シンコクだって言ってた」


水玉 「何が深刻なんだ?」


僕 「話しかけても応えてくれないくらいシンコクだった」


ジンジン 「お金がないんじゃない?」


僕 「そうなの!」


ユリぼうず 「驚く事じゃないでしょう」


水玉 「けど、他に魔女が深刻がることってあったっけ?」


アゾ 「な、なっい!」


ユリぼうず 「何言ってるんだよ、お金がないなんていつもの事だからいちいち深刻になんてなるわけないじゃない」


水玉 「・・それもそうだ」


アゾ 「じ、じゃあ・・ なんじゃろか」


水玉 「おい、《ジョン ブリアン》、おまえの病気・・ 思ったよか深刻なんじゃないのか?」


僕 「え・・」


ジンジン 「やめなよ・・ 《ジョン ブリアン》はうんと元気じゃないか」


僕 「ぼ、ぼく、元気と思うけど・・」


水玉 「そうか・・」


僕 「変な事言わないでよ!」


ジンジン 「それなら日に日に臆病になっていく《ボンネット》の方が深刻じゃない?」


水玉 「他猫の臆病を《ジンジン》が話すと滑稽だなあ」


ジンジン 「何だよ、その言い方は!」


水玉 「《ユリぼうず》、おまえ膀胱炎はどうなった?」


ユリぼうず 「見ての通りね」


水玉 「治ってないんだ・・」


ユリぼうず 「どこがっ!」


水玉 「だっておまえ、昨日も廊下に置いてあるトイレ砂におしっこかけてたじゃないか」


ユリぼうず 「あれは趣味でやっているのね」


水玉 「どんな趣味だよ・・」


ジンジン 「わかった!」


水玉 「何だよいきなり!」


ジンジン 「目薬だ!」


アゾ 「《ジ、ジョンブブ》が かっくしました!」


ジンジン 「知っとるよ・・」


水玉 「そうか! 目薬が見つからなくて深刻になっちゃってるんだ!」


アゾ 「そ、そうでしたか・・ そうだったんですか・・」


ジンジン 「《アゾ》、何をがっかりしてるのさ」


アゾ 「が、が、がっかりしておらないよ かんどうしとった」


水玉 「目薬が見つからない話のどこが感動なんだよ!」


アゾ 「え・・ ちがっとったの?」


水玉 「誰かこいつを何とかしろよ・・」


ユリぼうず 「ややこしい・・」


水玉 「おい《ジョン ブリアン》、隠した目薬出せ」


僕 「え・・ だってみんな目薬がイヤなんでしょ」


水玉 「仕方ないじゃないか、魔女が深刻なままだと困るんだよ」


ボンネット 「どうして?」


水玉 「他人みたいで」


ジンジン 「それ、分かる・・」


結局、僕は机と棚の間に突っ込んだ目薬を引っ張り出し

テーブルの上に置かされた

隠せって言ったり、出せって言ったり・・


僕がちょうど目薬を置いた時、魔女が帰って来た

魔女は帰るなりコタツに足を突っ込んだ

みんなが押されてきゃ~きゃ~言ってる


魔女の目の前には僕が置いた目薬が・・


ところが魔女は

その目薬の上に、でん!っていっぱいの紙を置き

何かを書き始めた


僕 「あの・・ 魔女」


魔女 「今話しかけないで」


僕 「どうして?」


魔女 「確定申告なんだよ、《ジョン ブリアン》に言ったって分からないだろうけどね、面倒なものさ」


僕 「・・!」


僕は大急ぎでコタツに潜り込んだ


僕 「みんな聞いて!」


水玉 「どうした! やっぱ目薬だったか!」


僕 「違った!」


ジンジン 「じゃあなに?」


僕 「シンコクはカクテイだって!」 


ジンジン 「それは完全に深刻が決まりって事じゃないか!」


僕 「そう、しかも面倒なんだって、だから話もしたくないって・・」


水玉 「これは・・ 大変な問題だぞ・・」


ジンジン 「どうしよう・・」


僕らはコタツの中で・・  すっかり無口になっていた