ジョン ブリアン
僕らは朝早くからワオワオ鳴いていた
僕 「ちょっと! そこをどいてよっ」
ジンジン 「もう我慢できないよ・・」
アゾ 「ど、どけ・・ いいから、しょこどけ! どっけぇ~~!」
ボンネット 「どーしよー どーしたらいい?」
ユリぼうず 「ひっかけるぞ・・」
水玉 「いったいなんのつもりだよ!」
僕らがひしめき合って騒いでいる所にやっと魔女が起きて来た
僕ら 「わ~ん 魔女おぉぉぉぉぉ~!」
魔女 「もう・・うるさくて眠れない・・ 何を騒いでる」
ボンネット 「まじょ、 おしっこ! おしっこ!!」
僕 「僕もおしっこ漏れそう!」
アゾ 「《ア、アジョ》は ウンチがもっれそうなんだ もうすぐに出るど 知っとる!?」
水玉 「知りたくねえよ!」
魔女 「いったいなんなのよ・・」
ジンジン 「トイレだよ!」
魔女 「砂がないの?」
水玉 「砂がないんじゃなくて余計なものがあるんだよ!」
僕 「いいから見てみなよ!」
魔女 「・・《バブー》 そんな所で何やってる?」
バブー 「スナ・・」
魔女 「・・なんで」
バブー 「《バブ》ハ スナニ ナッタ」
魔女 「ならなくていいから・・」
バブー 「モウ ナッタ」
魔女 「イヤ・・ まだ猫だから」
バブー 「モウスグ スナニ ナル・・」
水玉 「なんねえよ! 猫は猫だ、砂にはなれないんだよ!!」
バブー 「スナニ ナル・・」
朝起きたら《バブー》がトイレにいて、
「スナニ ナル」 とか言って、そこから出ようとしない
魔女が僕らのトイレにうずくまる《バブー》をむりやり出そうとした
すると《バブー》は必死で砂の中に潜り込もうとした
僕らは唖然とした
魔女は、《ボンネット》のためにビニールを敷いた段ボ-ルに新しい砂の袋を開けて、そこに少しだけ入れおしっこをさせた
それから魔女はビニールの袋を持って僕らを外に連れ出し
物置からシャベルを出して来て、僕らに庭でウンチをするように言った
僕らはそんなの嫌だったけど・・
それぞれが漏れそうで、抗議をしている余裕はなかった
僕はおしっこをしながら
これじゃ、まるで犬と同じじゃないか・・ と思った
それからもう一度家に入って朝ご飯を食べ
その後、魔女が散歩に連れて行ってくれると言ったから、僕らは走り回って喜んだ
《ボンネット》と《バブー》はお留守番ね
僕らは先を争って玄関を飛び出た
《水玉》なんてはしゃいじゃって、玄関を出たとたん暴れ牛のようにそこらじゅうを走り回った
先ず少し行った所の大きな草原の駐車場で遊んでから
みんなでキャーキャー言いながら丘のてっぺんを目指した
細い道をずんずん登って行くと
広い庭に、ものすごく大きなおじいさんの犬が寝そべっているんだ
その犬は《ユリぼうず》と同じ色をしていて、必ずそこにいる
庭の塀はすごく低くて、《ユリぼうず》は軽く飛び越え
大きな犬の背中に乗るんだ
すると犬がヒトコブラクダのようになる
それを見て僕らはぴゃ~ぴゃ~と笑う
おじいさん犬と遊んでいるところを魔女が写真を撮ろうとした
するとそこへ、ここの偏屈おばさんが僕らの声を聞きつけて家から出てきた
僕らは急いで塀の外に飛び出す
それは毎度の事だから慣れてる
そして僕らはまた坂を登り始める
途中で《ユリぼうず》が 「疲れた・・」 と言ってヘタる
これも毎度の事だ
太り過ぎなんじゃないの・・?
この先の
利き手じゃないほうの低い木に鳥さんの巣がある
暖かくて気持ちのいい季節になると
ここに赤ちゃんが生まれるんだよ
その時期にここを通る時
僕らは騒がないように気をつけて、そお~っと通り過ぎなきゃいけない
それなのに《ジンジン》は、赤ちゃんたちのピーピーっていう賑やかな声が聞こえると、巣に向って必ず鳥の鳴き真似をしてしまうんだ
この先の階段を登ればいよいよ丘のてっぺんだ
ここで僕らは、階段の途中で一休みしながら下に広がる町の景色を眺める
それから、今度は違う道を通って家に向うんだけど
途中の広~い空き地で、みんなしてタッチごっこをするの
魔女が鬼になって僕らを追い掛け
「タァ~ッチ!」 と言って触られたら負け、っていう遊び
僕らはギャ~ギャ~言って逃げ回る
それはみんながへとへとになるまで続くんだ
それから家を通り越してお化け屋敷のお庭に行くんだよ
ここで《涼子》も合流し、走り回ったり、木に登ったりして
大いに遊びまくるんだ
けど、相変わらず《ユリぼうず》はヘタっていて
とにかく、今日は本当に楽しかったです!