初めての診察 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


まじょねこ日記-Yuribouzu 09111
コタツから這い出てきた《ユリぼうず》


僕 「魔女、僕、熱が出ちゃったみたい・・ 体が暑い・・」


魔女 「いったい何時間コタツに潜り込んでいたのよっ!」


魔女の熱が下がった、って

それは、僕が胸にしがみついていたおかげだ

(違わい!)


だけど、耳の怪我はだいぶ良くなっているっていうのに

《ジンジン》の様子が大変におかしい


ご飯を食べないし、ダルそうに寝てばかりいるし

その上、昨日も今日も吐いた


熱は何とか下がったものの

昨日魔女は一日中仕事だったので

今朝になって、《ジンジン》を病院に連れて行った


当然僕もお供したのね

僕は完全に膀胱炎を克服したから堂々と病院に行ける


魔女が恐れているのは《今日ちゃん》や《インジゴ》と同じ病気(腎不全)

元気も食欲も失くし、たまに吐いたりしながら

ただじっとうずくまって過ごす姿が頭から離れないんだ


そんな辛そうな姿を見ている間は、誰もが幸せじゃなかった

治らない病気にかかってニャバーランドに行く日を待つだけなんて、誰だって耐えられない・・

もうイヤなんだ、あんな悲しいことは・・


《ジンジン》をバスケットに入れるのは一筋縄ではいかなかった

だって《ジンジン》はその昔、オカマになる手術をした時以来バスケットにも入っていないし、車に乗って病院に行った事などないんだ

だから車の中では鳴きっ放しだった

大きな不安声を張り上げて・・

僕が 『賢い診察の受け方』 を教えてあげようとしているのに

まったく聞かずにただ鳴くばかりで・・


魔女は空に向って祈るようにしながら

相変わらず猛スピードで車を走らせた

ちゃんと前を見て運転して欲しかった


病院に到着して、すぐに呼ばれた

第一診察室だ (病院にはやたら詳しいよね・・)

僕はドアの外で、中の様子を伺っていた


魔女や、先生の声、それに若いお姉さんの声がところどころに聞こえてくる

魔女が《ジンジン》の様子を説明している・・


先生 「体重・・」


ジンジン 「うぉぉぉぉぉぉ~ん・・」


先生 「こら、じっとして!」


ジンジン 「うぉぉぉぉぉぉぉぉ~~ん!」


先生 「まだ何もしないからじっとして・・」


ジンジン 「うぉぉぉぉ~~ん! 魔女ぉぉぉぉ~!!」


魔女 「静かにしろって言ってるだろうがあ~!!」


ジンジン 「・・」


先生 「8.5キロ・・  次・・ 耳・・」


魔女 「先生、こっち側の耳・・」


先生 「こっちだってちょっと怪我して・・」


魔女 「でもひどいのは右の方・・ 勝手に薬草塗った・・」


先生 「それは効いたね、ずいぶん良くなってる」


魔女 「じゃあ、元気がないのは・・」


先生 「・・けちえき検査をしてみようか」


魔女 「あぁ・・ ・・」


先生  かさ


ジンジン 「ぐわぉ~~~~ん!!」


先生 「押さえて!」


魔女 「上半身OKです!」


看護士さん 「私は、下半身を・・」


先生 「・・ どうしてだ ・・血が採れない・・ダメだ」


魔女 「・・」


先生 「うん、もう一回・・・ 反対の足・・」


ジンジン 「ひゃお~~~~ん!!」


先生 「なぜだ・・ これ以上入って来ない・・」


ジンジン 「ぎゃん!ぎゃお~~~!!」


看護士さん 「蹴られましたっ!」


先生 「手を離さないでっ!」


看護士さん 「・・離しちゃった すみません・・」


先生 「・・1回目にサイケツしたのと合わせて何とか検査してみましょう・・か」


看護士さん 「臭い・・」


先生 「うんち・・」


魔女 「・・ごめんなさい」


ジンジン 「ひゃお~~ん・・」


僕 (大変な事になってるな・・)


先生 「あとは ☆×▲+汗汗かさ だからね」


看護士さん 「はい・・」


ジンジン 「びゃあああ~~!!」


それから暫く経っても魔女は出てこなくて

診察室からは怯えたような《ジンジン》の泣き声がひっきりなしに聞こえるだけだった


僕はドアの外から独特の声を出して魔女を呼んでみた

魔女がドアを開けて言った

「けちえき検査の結果を聞くからもう少し待ってて」


隣の診察室に、おじいさんとおばあさんに抱えられて2匹の猫が入っていった


おばあさん 「この仔猫、正月に拾ったんですよ、小さな体で震えてましたよ、正月早々猫を捨てるなんて人間のやる事じゃないわ!」


憤慨している

当たり前だ

どうやら捨てられた仔猫はひどい風邪をひいて、鼻から水がジャージャー出てるらしい

目からもダラダラと水が出ているようだ

大変な事態になっている

大丈夫かな・・ 心配だな・・

先生 「それで食欲は・・」


おばあさん 「うちが破産するほど食べてます!」


なんだよ・・ 大丈夫なんじゃないか


診察室から出て来たおばあさんは

僕の顔に、悲惨顔の仔猫を近づけて

「どう? この子可愛いでしょう」

と自慢して帰って行った


僕は《涼子》がやって来た日の事を思い出していた


まじょねこ日記-写真33
ゴミ集取車から救出した時の《涼子》


まじょねこ日記-Ryouko それから2週間後の《涼子》

魔女と《ジンジン》はまだ出て来ない・・


魔女が疲れちゃったみたいだから

この後はつづきにします