トミニャガさんとお買い物 Ⅳ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


まじょねこ日記-yuri08716

トミニャガさんが、パホッと・・

本当にパホッと、イブなんとか・・を 頭に乗っけたんだよ

早業だった・・


僕 「魔女、あれは新種の帽子なの?」


魔女 「そうだよ」


僕 「へえ~」


トミニャガさん 「だいぶ暖かいですわ」


魔女 「私は車をオープンにしてからここまでの道中、だいぶみっともなかったですわ」


トミニャガさん 「・・ ・・ まだ着きませんの!」


僕 「もうすぐだよ」


トミニャガさん 「何だか・・ どんどん淋しくなって行く・・」


魔女 「・・」


トミニャガさん 「ねえ、どんどん淋しくなって行く・・」


魔女 「そうですね・・」


トミニャガさん 「本当にこの道でよろしいの?」


魔女 「よろしいの」


トミニャガさん 「暑い・・」


魔女 「また始まった・・」


トミニャガさん 「やはりコート、脱ぎます!」


魔女 「どうぞ・・」


トミニャガさん  四苦八苦あせる


魔女 「いったい何やってるんです・・か」


トミニャガさん 「腕は何とか抜けましたけど・・体の部分が う、上手く脱げませんの!」


魔女 「シートベルトしているからでしょう」


トミニャガさん 「ああそうか・・」


魔女 「シートベルト外してちゃちゃっと脱いじゃったらいいじゃない」


トミニャガさん 「嫌ですわよっ!!」


魔女 「ど、どうしたんです、急に大声で」


トミニャガさん 「こんな荒々しい運転でシートベルトなんて外したら《ユリぼうずちゃん》と一緒に放り出されます!」


魔女 「そこで《ユリぼうず》を巻き込まない!」


トミニャガさん 「私、どうしたらいいの!」


魔女 「あれも嫌、これも嫌なら、そのままでいるしかないでしょう!」


トミニャガさんは中途半端に両腕だけを脱いだものだから

コートを体に巻きつけた感じになっていて

しかもそのコートは腕を抜く時にもがいたから

かなり上の方まで持ち上げられており

お腹の辺のボタンが首の下くらいの所にきていて

何て言ったら良いのか・・

年を取ったでっかい赤ちゃんが機嫌の悪い顔で車に乗っかっているような・・そんな感じ

しかも車はオーピュンになっているから

それが周りから丸見えなもので・・


停まれのサインの時なんて・・

隣の車の人がチラチラ見ちゃうわけで

もっとも、魔女が睨み返すと、みんな怖がって慌てて横を向くんだけどね


ケッケケ!

車が発車すると、大きな赤ちゃんの首がひどくのけぞる・・

何でだか、発車するたびに首が大げさにのけぞるよぉ・・

ケッケケ!!


トミニャガさん 「《ユリぼうずちゃん》、何だかご機嫌ですわね」


僕 「ケッケケ! はい・・ クッ・・」


魔女 「到着です」


トミニャガさん 「え・・」


魔女 「降りてください」


トミニャガさん 「こ、ここは・・ 私の知ってる高島屋・・ じゃない・・」


魔女 「違いました?」


トミニャガさん 「・・ 地方の高島屋?」


魔女 「こだわりますねぇ」


ここは大きなショッピャングモールっていう所で

色々なお店があるんだ

僕らのご飯やトイレ砂を買うお店は、動物も入っていいんだ


前にここで魔女は、30ピャーセントオフで売られている犬を見て泣いちゃった事がある

だから本当は嫌なんだけど、軍団のご飯とかがうんと安いからここに来るのね


それで・・ 

トミニャガさんは恐る恐るの感じで車から降りた

そしてそのままその場に突っ立っていた

袖が通っていないコートをお腹に巻きつけたまま・・


つづく