トミニャガさんとお買い物 Ⅱ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


まじょねこ日記-Yuribouzu

車の中で、トミニャガさんははしゃいでいた

毎日がよほど暇だったとみえる


トミニャガさん 「魔女さん、スピードの出し過ぎですわ! 気をつけてっ!」


魔女 「大丈夫です、私も《ユリぼうず》もトミニャガさんと心中なんてイヤですから」


トミニャガさん 「それはこっちの言うセリフですわ!」


僕 「今日は大型バイクがいないな・・」


魔女 「それで思い出した! トミニャガさん、大型バイクはまだですか?」


トミニャガさん 「・・ 暑い・・ 暑い! 暑い!!」


魔女 「こんな暖かな日にコートなんて着てくるからですよ」


トミニャガさん 「私、コート・・ 脱ぎます!」


ここでトミニャガさんはコートを脱ごうとして四苦八苦になった

ちょっと太めだから車の中が狭くて上手く脱ぐ事が出来なくて・・


魔女 「ちょっと、トミニャガさん! 私の前に手を伸ばさないで! 前が見えないじゃないか!」


トミニャガさん 「手を曲げていたら脱げないっ!」


魔女 「痛ぁい! トミニャガさんの手に頭をぶたれた!」


トミニャガさん 「わざとじゃありませんわよ!袖が抜けないの!」


魔女 「もう・・ そのまま着てて下さいっ!」


トミニャガさん 「だいたいこの車、狭すぎるのよ!」


魔女 「スポーツカーなんてこんなものですっ!」


トミニャガさん 「オープンになさったらいいじゃない?」


魔女 「なんで・・」


トミニャガさん 「そうしたら涼しいし、コートを脱ぐにも手が伸ばせる?」


魔女 「疑問形で返されてもねぇ・・」 


トミニャガさん 「だって・・」


魔女 「とにかくオープンにしたいんでしょう」


トミニャガさん 「は~い!」


魔女 「《ユリぼうず》、魔女の膝に来なさい」


僕 「はいはい」


トミニャガさん 「確か・・ ここをこうするんでしたわよね・・」


魔女 「トミニャガさんは余計な手出しはしなくてください!」


それで魔女が、信号の止まれの時に車の屋根を後ろにジャバジャバとたたんだ

あたりが急に明るくなって、突然大きな空が現れた


すると、トミニャガさんが頭が痛いと言い出した


魔女 「頭・・ ぶつけました?」


トミニャガさん 「ええ、ぶつけたようですわ」


魔女 「コートを脱ごうとしてお尻を持ち上げたりしているからですよ・・」


トミニャガさん 「平気、もうなんともありませんもの、これでスピードさえ出ていなければ快適ですわ」


そんな言葉は聞かなかったように、車はブンブン走った


トミニャガさん 「頭が・・ 寒い」


魔女 「自分でオープンがいいって言ったんでしょ」


トミニャガさん 「でも頭が寒いのよ」


魔女 「知りませんよ・・ まったく我儘なんだから・・」


ブンババ! ブンババ! ブンブン! 

             ババババ!!


僕 「おおぉぉぉ! 大型バイクだ!!」


僕は魔女とトミニャガさんの間に移動して後ろを見た

大型バイクはすぐそこにまで来ていた

車の天井がないからすごくよく見える

感動だ・・


信号で止まっている間、僕は体を伸ばして後ろのバイクをみていた

すると、バイクに乗った男の人が少し首をかしげ・・

それでつい・・ 僕も首をかしげ


その男の人が僕に向って何かを指さした


え・・なに・・?


その人は何回も指を差した

そこを見ると・・


え・・なに・・ こ・・これはなに?


車が動き出すと・・

それも動き出して・・

こわい・・ こわいよ・・ こわいじゃないかあ~!!


僕 「魔女! 魔女!」


魔女 「何なのよ・・ いいからこっちに戻りなさい」


僕 「魔女、こわい! こわい!」


魔女 「なにが!」


僕 「後ろ! 後ろに!!」


魔女が目の前の鏡をずらした・・


魔女 「うわぁー!! 何だあれは!」


つづく