ジョン ブリアンのお願い | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


今日は忙しくて《ジョン ブリアン》に会いに行けない
それで、昨日のお話


《ジョン ブリアン》に会いに行こうと車のエンジンをかけたとたん、《ユリぼうず》の姿が見えた

嫌な予感は的中して・・

本日もご一緒だ・・



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ユリぼうず 「本日もご一緒します!」



Yoribouzu-1
ユリぼうず 「さあ、出発しようか」

魔女 「どこに乗っている! 前が見えないっ!」




Yuribouzu-4
ユリぼうず 「はいはい・・」



待合室が混雑していたので、ややこしい《ユリぼうず》には車の中で待っていてもらう

彼は窓に張り付いてぶーぶー文句を言っていたが無視




ジョン ブリアン 「魔女! 魔女!!」


魔女 「具合はどう? まだ酸素室なんだね・・」


ジョン ブリアン 「なでて! なでて!!」


魔女 「ジョン ブリアンのお部屋のドアを開けていいって許可貰ったよ」


ジョン ブリアン 「わ~い! わ~い!!」


魔女 「それと・・これ、《ユリぼうず》からのおみやげ」


ジョン ブリアン 「なあに?」


魔女 「魔女の手の臭い・・嗅いでみ」


ジョン ブリアン 「わっ、《ユリぼうず》臭っ!」


魔女 「《ユリぼうず》も一緒に来たんだけど、車を降りる時に魔女の手をべろべろなめて、『これを《ジョン ブリアン》に嗅がせてね!』 って言われた」


ジョン ブリアン 「・・」


それから魔女は《ジョン ブリアン》をいっぱい可愛がった


ジョン ブリアン 「魔女・・」


魔女 「どうしたの?」


ジョン ブリアン 「あの子をなでてあげて」


魔女 「やあ、《ジョン ブリアン似ちゃん》」 


ジョン ブリアン 「それとそっちの子と、あっちの子も・・ その子たちね、誰もよしよしをしに来ないんだよ・・」


魔女 「ノラちゃんたちか・・」


ノラちゃんたちはそれぞれが嬉しそうに柵に寄って来ては顔を摺り寄せてくれた

みんな淋しいね・・ 心細いね・・

一生懸命で健気に生きる猫たちだ


そして、そんな言葉を言えるようになった《ジョン ブリアン》

その病院生活の長さを感じさせ・・

魔女は胸が痛くなってしまった


ノラちゃんたちは、どんなに撫でても 「もっと!もっと!!」 とせがんだ


ジョン ブリアン 「魔女、お話があるの」


魔女 「なあに、《ジョン ブリアン》」


ジョン ブリアン 「その子たち、一人ぼっちなんだって 家族がいないって・・」


魔女 「そうなんだ・・ お母さんとももう離れてしまったんだね・・」


ジョン ブリアン 「僕の家のお話しをしたんだ、毎日が楽しいよって言った。 それから誰もいじめないって」


魔女 「そしたら?」


ジョン ブリアン 「みんな良くわかんないみたいだった・・」


魔女 「そうか・・」


ジョン ブリアン 「僕は夜に少しづつお話する。 前は苦しかったけど、この頃はそんなに苦しくないからお話できるんだ。 それで、あの子たちに僕だってノラだったんだよって言ったの。 人間の家に来て最初は心配だったけど、でも大丈夫だったよって」


魔女 「そうだったね」


ジョン ブリアン 「みんな心配なんだよ、これからどうなるか不安で鳴くんだよ。 僕、思ったんだけど、みんなは元気になったらどこへ行くの? また一人ぼっちで暮らすの? 昔のぼくみたいになるの?」


魔女 「・・」


ジョン ブリアン 「僕ね、みんなに・・ 一緒に帰ろうって言っちゃった」


魔女 「誰と・・?」


ジョン ブリアン 「僕と・・」


魔女 「・・ みんなは何だって?」


ジョン ブリアン 「それでも良くわかんないみたい・・ でもみんな魔女の事好きだよ、だからきっと僕みたいになれるでしょ、 魔女、お願いです。 みんなを家族にしてください」


魔女 「・・」


ジョン ブリアン 「お願いです・・」


魔女 「みんなを家族に・・」


ジョン ブリアン 「お願いです・・」


魔女 「・・わかった そうするか!」


ジョン ブリアン 「ほんと! みんなで帰れる?!」


魔女 「みんな一緒というわけにはいかないだろうけど・・ 魔女、先生に言って来るよ」


私はその事を言いに行った

《ジョン ブリアン》にお金の事を言っても仕方ないし、分からないし、もうやけくそだった

エレベーターの中で、深夜のコンビニで働こうと決めた



ジョン ブリアン 「魔女、どうだった? みんな一緒に帰っていいです、って?」


魔女 「あのね、この子たちは病気や怪我が治ったら、病院で里親っていう優しい人間の家族を探してくれるんだって」


ジョン ブリアン 「どういうこと?」


魔女 「みんなをこれまでのように一人ぼっちにはしないからって」


ジョン ブリアン 「また一人ぼっちになったりしないの?」


魔女 「しないよ。 それで家族が出来なかった子がいたら、うちの家族にします、って言って来た。 だからもう《ジョン ブリアン》は心配しなくていいんだよ」


ジョン ブリアン 「ほんと!」


魔女 「今夜、その事をみんなに言ってあげてね」


ジョン ブリアン 「・・うん、でもみんなちゃんとわかんないかも知れない」


魔女 「 『なんにも心配しなくていい、きっと幸せになれるから』 って、そう言ってあげて」


ジョン ブリアン 「幸せって・・分かるかな・・」


魔女 「 『お母さんと一緒にいた時みたいな気持ち』 っ、て言ってみたら?」


ジョン ブリアン 「そうか・・ そうだね」


魔女 「すっかり遅くなったから、魔女は帰るね・・」


ジョン ブリアン 「イヤだ!!」



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まだ帰らないよね・・



Jyon burian-5 081029
行かないで!!



Jyon burian-4 981029
魔女・・ 行かないで・・



《ジョン ブリアン》の言葉が

「僕も一緒に帰る!」 から 

「魔女・・ まだ帰らないで・・」 に変わっていた・・


《ジョン ブリアン》の容態については、まだ時間がかかりそうだと主治医は言った

ヘロニャン パーリーにはもう間に合わないな・・


帰る直前、魔女は《ジョン ブリアン》の耳元で呪文をとなえた・・