ユリぼうず
2回寝た前のお話・・
僕 「魔女、何やってるの・・」
魔女 「アトリエのハロウィンパーティーなんだ」
僕 「・・またおかしな顔になって子供たちを喜ばすの?」
魔女 「おかしいんじゃなくて恐ろしい顔! ・・うちに来ている子供たちは何をやっても怖がらないから苦労するよ」
僕 「何たって、まんま魔女で慣れてるからね」
水玉 「魔女だけじゃないぞ、アトリエにもトイレにも骸骨がいるし、その上階段の途中には《はるさん》がいる。他にも大きな蜘蛛や蜥蜴たちがそこら辺をうろうろしてるじゃないか」
(《はるさん》というのはリアルな蛇のおもちゃ)
アゾ 「そっ、そでだけじゃないど! 《ば、ばっけこ》もおる ど、どあを じったんばったん あっけたり しっめたり そでは そでは おちつかない お化けなんだが 知っとる?」
水玉 「《化け子》はおまえが来るずっと前からアトリエのドアを開けたり閉めたりしてるんだ、知ってるに決まってるだろう」
アゾ 「お、おっきい りゃぼん しとるんだ、 おっきい りゃぼん なんであるます!」
ジンジン 「だから、んなもんとっくに知ってるって!」
水玉 「これじゃあ、子供たちもちょっとやそっとじゃ怖がるわけないよね・・」
僕 「むつかしい・・」
魔女 「出来たよ! ばあ!!」
僕 「おお! かっこいいじゃん!」
魔女 「かっこいい・・ それじゃダメなのよ!」
水玉 「う~む・・ 今まで見た事のないタイプの生きものがおでこに・・」
アゾ 「う・・ そ、そでは なっかなか う、うまいのか?」
魔女 「美味かないよ! ちょっと、《アゾ》、なめないで!」
ジンジン 「もっと・・何ていうか・・ 迫力出ない?」
魔女 「おまえたちも怖いものなしかい・・」
それで魔女はその顔のまま出かけた
絞り過ぎさんのレストランでアトリエのパーチーなんだって
ハロニャンパーティーは毎年恒例で
長い間続けられているアトリエの大イベントなんだ
ちょっと遅い夜になって、やっと魔女が帰って来た
僕 「どうだった?」
魔女 「一人だけしか怖がってくれなかったよ・・」
水玉 「怖がった子がいたの!」
魔女 「うん、アトリエの女の子の弟。 初めて参加したからね」
ジンジン 「へぇ~ 怖がったんだ」
魔女 「異常に怖がったね、だってテーブルの下に隠れたきり出てこなかったもの」
アゾ 「な、なにが こ、こっわかったんだろうかぁ~」
魔女 「参加者全員が怖かったんだってさ」
僕 「そやつ・・ まだまだだな・・」
会場で唯一まともな人間のららママに、やっとそこから出してもらって抱かれるが、怖くて目も開けられない状態・・