猫日記 ~ 見分けのつかない女 Ⅱ ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


《ジョン ブリアン》の手術の後、魔女は何度も病院に行きかけては途中で戻って来た

魔女を見て、《ジョン ブリアン》が泣いたりジタバタと動き回ると体に良くないからって・・


そして今日、僕も一緒に行ってくれって魔女に泣きつかれた

それで僕は魔女と《ジョン ブリアン》に会いに行った


Yuribouzu-1 081023

そして案の定、病院の気難しい女が僕だけ面会を断った

その上魔女が待合室の様子を見渡せるように置いてくれた籠の位置を・・

魔女がいなくなったとたん、その女が勝手に変更した

唯一外の見える籠の入り口を何もない壁に向けられたんだ

待合室の様子が・・ 見えない

壁しか・・ 見えない


・・暴れてやる


僕は籠の中で大騒ぎを始めた

どっちが上で、どっちが下だか自分でも分かんないくらい暴れた


気がつくと籠が持ち上げられていて・・

病院の女が大きな目になって僕を覗いていた


僕 「おいっ! ちゃんと まわりを見せろや~!!」


病院の女は僕を壁から離して・・

受付の中の自分の足元に置いた


人間の足しか見えない

・・ふざけんな


一方その頃、魔女は・・



魔女


魔女は痛む胸を手で押さえながら病室のドアをノックし・・


魔女 「《ジョン ブリアン》・・」


ジョン ブリアン 「さわって! さわって!!」


魔女 「《ジョン ブリアン》、酸素室じゃなくなったんだね。 あ・・起き上がらなくていいから」


ジョン ブリアン  「おてて!おてて!!」


魔女 「はいはい、よしよしだよ、 それにしても こんなに小さくなっちゃって・・汗 カラーが大きく感じるよ・・」


ジョン ブリアン  じたばた!すりすり! じたばた!!


魔女 「そんなにはしゃいじゃダメだよ! でも、目がすごくしっかりしてきた、良かった・・」


ジョン ブリアン す~りすりすりすり! すりすり!! 

Jyon burian.. 081023
魔女 「《ジョン ブリアン》、写真撮らせてね」
ジョン ブリアン 「な、なにそれ・・」

魔女 「そ、そんな・・ 後ずさりしなくても・・」

他の猫 「ウガ~オオォォォォ!!」


魔女 「待って、《ジョン ブリアン》をよしよししてから行くね」


他の猫 「ウガガガオオオォォォォ~~~!!」


魔女 「待ってて!」


他の猫? 「ウガオオォォ~! 魔女おぉぉぉぉぉ~~!!」


魔女 「・・ん?」


他の猫じゃなかった猫 「魔女おぉぉぉぉ~~あせる


Jyon burian-1 081023

魔女 「・・ わあ!《ジョン ブリアン》!!」


本物のジョン ブリアン 「魔女おぉぉぉぉぉ~~あせるあせる


魔女 「え・・ じゃあ、あなた・・ 誰?」


本物じゃなかったジョン ブリアン 「のら・・」


魔女 「そういえば・・腹帯してないし、カラーの色も違う・・」


のら 「おてて! よしよしして!!」


魔女 「ま、待ってて、本物のところに行って来るからね」


ジョン ブリアン 「いったい何やってるのさ あせる

魔女 「ごめんね、間違えた・・」


ジョン ブリアン 「ひどいよ ! あせる


魔女 「だって、顔がそっくりじゃないか・・」


ジョン ブリアン 「僕、自分の顔なんて知らないよ!」


魔女 「ほんとうにごめん・・」


ジョン ブリアン 「早くよしよししてよ!!」


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魔女 「はいはい」


のら 「こっちに来て! こっちに来てよぉ~!!」


魔女 「はいはい」


ジョン ブリアン 「魔女、僕はこっち! こっちだよ!!」


魔女 「は、はい!」


のら 「行かないでぇ~あせる


入院患者たち 「わん、わん! きゃんきゃん! にゃおにゃお! みゅ~みゅ~!!」


先生 「・・魔女さん、大変そうですね」


ずっとこの有様に増して

《メイちゃん》や《モカちゃん》、《タロ》《鉄火面》たちも

檻の前で待機して撫でられるの待ちだし・・


《ジョン ブリアン》の退院は、日曜の検査次第ということ

頑張って早く家に帰ろうね



ユリぼうず


僕 「《ジョン ブリアン》・・ どうしてた?」


魔女 「これからどんどん元気になりそうだったよ」


僕 「本当! じき帰れるね!」


魔女 「で、《ゆりぼうず》はずっと受付のカウンターの中にいたの?」


僕 「うん、 だから・・ 人間の足しか見てない」


魔女 「それは、どういう・・ え・・ じゃあ楽しくなかったの?」


僕 「人間の足見て何が楽しいよ・・」


魔女 「なんでそんなところに?」


僕 「あの女・・ 『また生意気な猫が来るといけないからね』 なんてブツブツ言ってた」


魔女 「あぁ・・ それは思いやりだ」


僕 「あんなの思いやりじゃない!」


魔女 「思いやりだよ!」


僕 「もし思いやりがあったら、僕と性悪猫を決闘させるはずだ!」


魔女 「それは魔女的思いやりだろ・・ 思いやりっていうのは人によってやり方が違うんだ」


僕 「合わない!」


魔女 「《ユリぼうず》は魔女に似ちゃったね・・」


僕 「うおぉぉぉ~! 大型バイクだ!!」 


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《ユリぼうず》、後続の大型バイク発見!