ジンジン
![Flower 081022](https://stat.ameba.jp/user_images/d1/6b/10103462726_s.jpg?caw=800)
魔女は朝起こされると、
先ずメダカにご飯をあげ、僕たちにご飯をくれ、僕たちのトイレを掃除し
それからビンの中でずっと咲いているお花の水を取りかえる
毎日が忙しい時は、そのお花を四角いものに挿す(水を含ませたスポンジ)
朝から忙しかった魔女が
夕方になってお花のビンの水を取りかえていた・・
家族① 「何やってるの?」
魔女 「見ればわかるでしょ」
家族① 「ふ~ん・・」
魔女 「それにしてもさ、この花凄いよね」
家族① 「なにが・・?」
魔女 「3月からずっと綺麗なまま咲きっ放しじゃん」
家族① 「ふ~ん・・」
魔女 「魔女初めてだよ、こんなに感心な花は」
家族① 「そうなんだ・・」
魔女 「少しは感動したらどうよっ!」
家族① 「春からずっと水を取りかえてるんだ・・」
魔女 「だからこそ、この美しさよ」
家族① 「・・」
魔女 「今日、お客さんが来たからテーブルに飾ったんだ」
家族① 「水を入れた花瓶に挿して飾ったの?」
魔女 「当たり前じゃん」
家族① 「ふ~ん」
魔女 「何か気に障る態度だね、・・ひょっとして・・」
家族① 「ひょっとして?」
魔女 「ド、ドライフラワー・・?!」
家族① 「ドライフラワーじゃないでしょ」
魔女 「だよね~」
僕らはとっくに知っている
だって、匂いがしないもの
匂いがしない花なんてないよね
水玉 「何で誰も言わないんだよ」
僕 「そういう自分だって言わないでいるじゃないか」
水玉 「きっかけがさ・・」
ユリぼうず 「ま、いいじゃん、今日の日記で誰かが言えばいいんだよ」
僕 「そうか!」
ユリぼうず 「で、誰が言う?」
僕 「僕はイヤだよ!」
水玉 「僕だってやだよ」
アゾ 「あ、あじょが 言うか?」
水玉 「おまえが言うとややこしくなるから止めとけ・・」
ボンネット 「ボク ユウ ナニ ユウ ダレ ユウ?」
水玉 「おまえはまだちゃんとしゃべれないから・・」
ジンジン 「《ユリぼうず》が言い出したんだから《ユリぼうず》が言うのがいいんじゃないか?」
ユリぼうず 「・・」
水玉 「何で急に無口になる!」
ユリぼうず 「・・」
水玉 「・・《ジンジン》しかいないな」
僕 「なんでっ!!」
水玉 「じゃあ、どうするんだよっ!」
それで僕と《水玉》が大喧嘩になって
取っ組み合って
僕が負けた・・
だからって・・ 僕が日記を言う事になり・・
ちょ、 ちょっと待って・・ 何なの・・? 花がどうかしたの?
この日記・・ なに・・
僕 「あの・・ その・・ テーブルの花を良く見て・・」
魔女 「見たよ」
水玉 「もっと良く見る!」
魔女 「・・なんか変なの?」
僕 「少なくとも花じゃない事は確かだよ・・」
魔女 「ええ~っ!! うそ・・」
家族① 「造花だよ・・」
魔女 「え・・ あれ・・ そう言われればそんな気も・・」
僕 「気・・ だってさ」
家族① 「造花だから・・」
魔女 「・・私、7ヶ月・・ 面倒みた」
家族① 「頼まれもしないのにね」
魔女 「信じられない・・ もう何も信じられない・・」
家族① 「魔女のやってる事の方がよほど信じられない・・」
水玉 「魔女・・ 僕らの見分けはついているよねぇ」
魔女 「・・」
僕 「ついてないの!?」
魔女 「・・この 造花め! 水道代返せ!!」
家族① 「造花は水くれなんて頼んでないし・・」
だうせこの後、お花の水代の事で、家族①と僕らは
うんと当り散らされる事になるんだ
猫にも分かる事でさえ分かんない・・
毎日が不安だ