猫日記 ~ サラミを食べる化け物 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


《ジョン ブリアン》が入院して以来

みんなふざけなくなってしまった

僕らは、ただ寝た振りをして毎日を過ごすんだ


Yuribouzu 081012
《ユリぼうず》は相変わらず黒い魔女にくっついて・・

Jinjin 081012
《ジンジン》は一日中こんな感じ


Mizutama 081012
僕は外回りも、先生のお仕事もしないで・・


Azo 081012

ミミズク顔が、心配顔になってしまった《アゾ》は

こうやって毎日ドアの前で《ジョン ブリアン》を待っている


Bonnet 081012
暴れん坊の《ボンネット》も遊ばなくなった


毎日病院に行っている魔女が、《ジョン ブリアン》の話をしてくれる

ずいぶん元気になったって

早く帰って来ないかな


今日、僕が外で《涼子》と《ジョン ブリアン》の事を話していて

家に戻って来たら・・


僕 「おい、今魔女が恐ろしい勢いで洗面所に飛び込んでったけどどうしたんだ・・ わっ、何だこの臭いは!」


ジンジン 「ひどい臭いだろ!」


僕 「何が起こったんだ!」


アゾ 「ばっ、ばっ、ばっけようと したんだ」


僕 「誰が・・」


アゾ 「ばっ、ばっけるといったら まじょ なんだろう」


僕 「ちゃんとしゃべれよっ!」


家族① 「だから魔女がね、《ジョン ブリアン》の面会に行くからってお化粧しようとしたんだよ・・」


ユリぼうず 「それ、悪あがきね」


家族① 「そう、悪あがきしたものだから、化粧水っていうのと間違えてネイルリムバーを思いっきり顔に叩きつけちゃってさ」


アゾ 「な、なんですかね・・ ねむるばー ってのは」


家族① 「爪に塗った色を取るものだよ」


ジンジン 「ああ! これ、その臭いだ!」


僕 「こんなに臭いのに魔女は分かんなかったの!」


家族① 「手の平にたっぷり出して、あっという間に叩きつけたからね。 注意する暇もなかった・・」


ボンネット 「ウゥ~ ウ~ ウ~ !!」


家族① 「うん、洗面所で、う~う~って呻いてるね・・」


ジンジン 「当分洗面所から出てこられそうもないね・・」


僕 「あれじゃ、《ジョン ブリアン》の所に行かれないじゃん」


家族① 「然も、今日は祭日だから面会時間が短いんだよ」


アゾ 「ばっけなくても ばっけてるんだっから ええんだったんだろに」


僕 「確かにな・・」


それで今日は・・

とうとう魔女は、《ジョン ブリアン》に会いに行けなかった


家族①は自分のお部屋に行ってしまい

お化粧もしてないのにすっかり化け物みたいになった魔女と

そんな恐ろしい顔を見たくない僕らは

シ~ンとしてリャビングにいた


魔女のお腹がグ~グ~とうるさい

《ジョン ブリアン》が入院して

1日1度の食事も危うくなってきて

魔女は今日も朝から何も食べてない


魔女が冷蔵庫を漁り出した

《アゾ》が、冷蔵庫の隣の棚に置いてある誕生会のための高級缶詰を取られるんじゃないかと、そばで魔女を見張っている


魔女 「何かないかな・・ なんにもないな・・」


アゾ 「お、おっ外に 行ったら くっさが ありますよ」


魔女 「お腹が減った・・」


アゾ 「い、行ったらええ! たっぽりの くっさが・・ 《インジャゴ》も たべとった」


魔女 「うるさいな・・」


アゾ 「こっ、こっちむくな!こうきゅうかんじゅめ 見るな!」


魔女 「見てないよ!」


ガサゴソ・・


魔女 「・・」


アゾ 「ど、どうした?」


魔女 「サラミだ・・ 細切りのサラミだ・・」


僕 「いつのサラミだよ・・」


魔女 「サラミだからそうそう腐らないよ、 い、いただきます・・」


ボンネット 「チョウダイ!!」


魔女 「ふざけんな・・」


ジンジン 「魔女、おいしい?」


魔女 「・・かなり味が薄いけど、おいしい」


ジンジン 「良かったね」


魔女 「うん、でも・・サラミなんて買ったっけかなぁ」


《ジョン ブリアン》のお医者さんから電話が掛かって来た

先生は毎朝電話で《ジョン ブリアン》の様子を報告してくれる

今日は面会に行けなかったから2回目の報告だ


《ジョン ブリアン》は落ち着いています、って

お腹の水は出しました、って


それで電話が終わって魔女が戻って来て

少しだけ残ったサラミを食べようとして・・


魔女 「・・・?」


僕 「どうした?」


魔女 「・・ペティオ」


ジンジン 「それ、どこかで聞いたことある」


魔女 「保存料、着色料無添加・・ 低脂肪、良質たんぱく質たっぷり・・ 国産・・」


僕 「なんだか体に良さそうだね」


魔女 「・・全猫種用 」


僕 「ぜんしゅ用・・」


魔女 「・・わっ!!」


僕 「僕らのサラミじゃないかよっ!!」


ジンジン 「な、何て事を・・」


ユリぼうず 「責任問題だ」


アゾ 「す、すっかり・・ どどぼうねこ じゃないか!」


ボスだかぶうこさんだか・・もうわからないけど

僕らのために送ってくれた猫用サラミ

魔女が食べてしまいました


化け物みたいな顔をして

猫のサラミを食べる女

こんな生きものはもういらないから

誰か貰って下さい