猫日記 ~ 待っているから・・ ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


昨日の夜中

《ジョン ブリアン》は魔女の後ろで横になっていた

さあ、寝ようかな、って振り返った魔女が

《ジョン ブリアン》を見詰めて・・


魔女 「呼吸が速い・・ 《ジョン ブリアン》苦しいの?」


ジョン ブリアン 「・・・」


魔女 「《ジョン ブリアン》、苦しんじゃないのか?」


ジョン ブリアン 「・・うん」


魔女 「どうして早く言わない!」


ジョン ブリアン 「僕も・・良く・・分んなかったの」


魔女 「良くわかんなかったって・・」


ジョン ブリアン 「少しづつ・・ 少しづつ・・ さっきくらいから何だか苦しいな・・って」


魔女 「とにかく、今は苦しいんだよね!」


ジョン ブリアン 「・・」


魔女 「苦しいんでしょ!」


ジョン ブリアン 「前の時ほどじゃないよ・・ 魔女・・僕・・また病院に行くの?」


魔女 「行くよ・・ 朝一番で連れて行く」


ジョン ブリアン 「・・・」


魔女 「苦しいのをなくさなきゃ・・」


ジョン ブリアン 「・・」


ボンネット 「ドタドタ!バタバタ!! キャーキャー!!」


魔女 「《ボンネット》! 静かにしなさい!!」


僕らは《ジョン ブリアン》の様子を聞いて

すっかり静かになっていたけど

何にもわからない《ボンネット》だけは、

所狭しと部屋中を駆け回り、《ユリぼうず》に飛びついたりして騒いでいた


それで魔女は夕べ

《ジョン ブリアン》を僕らと別にして

ちよちゃんと一緒に寝かせた



今朝、魔女はいつもよりずっと早く起きて来た

そして、病院に電話をして

《ジョン ブリアン》を連れて出て行った


僕らはみんなで駐車場までついて行った

そして魔女たちが帰って来るまでずっとそこにいた


僕らは長い時間をそこで待っていて・・


ユリぼうず 「帰って来たよ」


僕 「魔女・・ 《ジョン ブリアン》は?」


魔女 「・・」


ユリぼうず 「《ジョン ブリアン》は!」


魔女 「また入院だ」


僕ら 「・・」


アゾ 「す、すぐに か、かえるんだろ・・」


魔女 「すぐには帰れない・・ また肺に膿が溜まっていた・・」


僕ら 「・・」


水玉 「《ジョン ブリアン》・・ 可哀想だな・・」


僕 「《ジョン ブリアン》・・ どうしてた・・?」


魔女 「車の中で『嫌だ、嫌だ・・』 って・・ 魔女は 『今までのように楽しい暮らしを続けるために行くんだよ、だから頑張って我慢をしなきゃだめだよ』 って言った」


僕 「そしたら・・?」


魔女 「黙ってた・・」


魔女 「 『このままお預かりします』 って先生が言った時、《ジョン ブリアン》は大きな目をして魔女を見た・・」


僕ら 「・・・」


魔女 「それで・・魔女が 『毎日来るからね』 って言ったら・・ 《ジョン ブリアン》・・ 『僕は大丈夫だから、みんなにそう言って・・』 って」


水玉 「僕は大丈夫・・って・・」


魔女 「それから、魔女が行こうとしたら・・」


水玉 「・・行こうとしたら?」


魔女 「いいや・・ なんでもない」


水玉 「言ってよ! 行こうとしたら何て言ったのさ」


ユリぼうず 「なんて言ったの!」


魔女 「・・ 『魔女・・お誕生会・・ してあげなくてごめんね・・』 って」


僕ら 「・・」


魔女 「自分が苦しい時に・・ なんでお誕生会の事なんて言うかな・・」


僕ら 「・・」


それから魔女は口を聞かなくなって・・

庭に出て草刈を始めた

魔女は暗くなるまで、黙々と草を刈っていた


そんな魔女には《ユリぼうず》がずっとついている

自分の足が刈られそうになっても

《ユリぼうず》は魔女にぴったりくっついて絶対に側を離れようとしない


Yuribouzu-1 08107
左の黒いのは魔女


魔女の足に自分の体をぴたりとくっつけて行く先々について行く

そして時々様子を伺うように魔女の顔を見上げる


Yuribouzu-2 08107


夕方になって・・


ボンネット 「マジョ・・ 《ジョンブディ》ガ イナイ・・」


魔女 「《ジョン ブリアン》は少しの間いないからね」


ボンネット 「《ジョンブディ》・・ イナイ・・ イナイ・・」


ボンネットは魔女の言う事が分からないみたいで

部屋の中をあちこち探し始めた

そしてどこにもいないと知ると、今度はベランダに出て探した


ボンネットは《ジョン ブリアン》を探して

部屋とベランダを何回も行ったり来たりした


しばらくそうやっていたが

諦めたのか・・

いつも《ジョン ブリアン》が眠っている椅子の上に乗っかって、しょんぼりとうずくまった


こうやって・・僕たちは家族になって行くんだ


今日、僕らは夕食をいっぱい残した

あの《ボンネット》でさえ、ほとんど食べなかった


《ジョン ブリアン》

みんな待っているから、早く戻って来てください