ネパール日記 ~ REVENGE《復讐》 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


ベシサハールよりの下山後

カトマンズへ戻るバスの車中では

魔女を避けるかのように

マンガールはようこさんの隣の席を陣取り

ひたすら眠っていた


Mangal & Manoj 08829   ようこさん撮影
マンガールとマノツ  ~ゴルカにて~   


カトマンズに戻り

その後数日間、町でマノツの姿を見かける事はなかった

彼は下山直後から発症した病気と闘い続けており

魔女は、翌日には単身ムルパニ村を訪ね

その後サクー村の友人宅へと足を進めたりと

相変わらず慌しい毎日を過ごしていた


そして、マンガールはというと・・

平穏な日々を取り戻しているかのように見えた


甘いね・・


この私にひもじい思いをさせて

自分は楽しく食事をしていた罪が

そう簡単に消せるとでも思っているのか?


罪は・・ 償わなければならないのです


ここでは詳しくは述べないが


彼の心に風穴を開けてやった

彼の単純な脳みそをべらべらにさらけ出してやった


仕事上ではボスであり、日頃先頭を切って若者を引き連れている人物であるが

この時のマンガールは、そんな姿とはすっかりかけ離れて

肩をがっくり落としたその姿は痛々しくもあり・・ しかして愉快でもあった 

これより、マンガールは私に対して無口になった

これでよし


ただ・・ ひとつ認めてやりたいのは

彼が言い訳をしなかった事だ

ほとんどのネパール人は、自分に都合が悪くなると必ずといっていいほど言い訳をする

しかし彼はそれを全くしなかった


言い訳をしなかった事で、友人関係は今後も続くと思われ・・

はい、それはマンガール次第でしょうから

魔女はどーでも良いのですが


その後のある日・・


マノツ 「マジョ、ひどいよ・・ マンガールがもの凄く落ち込んでるよ」


魔女 「んなもん、自業自得ですから」


マノツ 「マンガールは大変なんだよ」


魔女 「何が」


マノツ 「妻と、それに幼い子供を2人も抱えて・・」


魔女 「そうか・・ 妻と子供が2人もいるから私の食事を忘れたのか」


マノツ 「なに言ってんだよ・・」


魔女 「おまえこそ、いったい何言ってんだ!」


マノツ 「マンガールは毎日頑張ってるんだ!」


魔女 「だから、その話は私の食事を忘れた事と全く関係ないだろ!」


マノツ 「生活が苦しい挙句に落ち込んでいて可哀想だ・・ って言ってるの!」


魔女 「生活ったって、自分で自分を苦しくしてるんじゃんか」


マノツ 「どういう意味さ」


魔女 「あのね、結婚して生活が苦しくなるんだったら結婚しなきゃ良かったんじゃありません? その挙句、もっと苦しくなる事が目に見えているんだったら子供を作らなかったら良かったんじゃないですか。 そこの所を計算出来ないほどマンガールはバカなのか? 自分がやった事で苦しいなんて言われても同情できんぞ」


マノツ 「何て事を言うんだ!」


魔女 「なにがぁ~」


マノツ 「子供は神様からの贈り物じゃないか!」


魔女 「・・???」


マノツ 「マジョ・・ どうした?」


魔女 「お、おまえ・・ 27にもなって・・ んな事、本気で信じてるのか・・?」


マノツ 「え・・ 何を?」


魔女 「だから・・ 子供は神様からの贈り物だって」


マノツ 「だってそうだもの」


魔女 「マンガールより、おまえの方が余程心配だぞ」


マノツ 「病気ならもう治ったよ」


魔女 「そっちじゃねえよ!」


マノツ 「どっちだよ!」


魔女 「そういうものの考え方を何とかしろって言ってるの!」


マノツ 「どういう考え方だよ!」


魔女 「子供が神様からの贈り物だったら・・ 路上で暮らしてる子はどうなんだよ、貧しくて学校に行けない子はどうするんだよ、神様は子供を差別してこの世に送り込むのか」


マノツ 「・・」


魔女 「おまえだって、幼い頃からずっと辛い思いをして人生を歩いているじゃないか」


マノツ 「それも神様が決めた試練なんだよ」


魔女 「神様なんか、なんも決めねえよ!」


マノツ 「マジョ・・ いい加減にしないと罰が当たるよ」


魔女 (・・こいつにも復讐してやる)