ちょっと山登り Ⅶ ~ 眼下の宇宙 ~ | まじょねこ日記

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魔女


星空キラキラ星空キラキラ星空


夜、私はベシサハールのてっぺんから

月も星もない真っ暗な夜空を眺めていた


夜でも街頭がそこかしこある日本の生活とは違い

ここでは、そこにあるはずの自分の手さえも見えない


美しい暗黒の世界だ


月も星も覆い隠し

漆黒の闇を創っている雲は

きっと今夜もスコールをもたらすのだろう


昨年のこの時期、ゴルカで宝石よりも美しく輝く星や

天の川、流星を見た事を思い出していた



真っ暗な空から目を落としてゆくと・・


そこには天地が逆になってしまったのか

と錯覚させる光景が広がっていた


丘の上から下界を眺めると

所々に星のように光る灯りがあった

そこは宇宙か・・ と見まがうほどの美しさで

私の頭を混乱させた


冷静さを取り戻した時

それは麓に点在する家々の灯りなのだと理解した


この場所に少しでも近い家の灯りはいささか大きく

遠い家の明かりは小さい

それらのほとんどが点在しているのだが

少しばかりある集落の灯りが所々にまとまって見える


その形態が、まるで宇宙そのものだったのだ


暗闇に浮かぶのは明かりだけで

周囲の遠近がまったくわからないから

それがまるで銀河を模ったように見えている


頭上ではなく

まさに眼下に広がる宇宙

こんな不思議な光景を目の当たりにして

私は立ち尽くしていた


ここから飛び降りれば

そのまま銀河に飛び込めるような気がした


明朝のヒマラヤは見えないだろう

しかしそのおかげで私はこの夜


世にも不思議な宇宙を見つけた