インジゴ
《ユリぼうず》の育児ノイローゼが絶頂に達している
《ボンネット》は相変わらずしつこく
言って聞かせるにはわからんちんの幼児だし
まだまだ母ちゃんが必要な幼児だし・・
誰よりも自分になつく《ボンネット》を
《ユリぼうず》の心が可愛い・・と感じて
でもおっぱいをせがまれるとキショクて
「あっちに行けよっ!」
って怒鳴ってしまって
それで《ボンネット》がしょんぼりしていると
側に行ってなめてあげたりしちゃうから
《ボンネット》がまた嬉しくなって調子付き
母ちゃんにくっついてジタバタ騒いぐわけで
ユリぼうず 「うるさいな!」
ボンネット (ションボリ・・)
ユリぼうず 「・・こっちにおいで」
ボンネット 「ワ~イ! カアチャン!オッパイ!!」
ユリぼうず 「しつこいな!」
ボンネット (ションボリ・・)
ユリぼうず 「・・あそぶ?」
ボンネット 「ワ~イ! ワ~イ!!」
それでたまらず、一時的に《ボンネット》から逃れて
猫ハウスのてっぺんに上ったりするんだけど
《ボンネット》の方も、母ちゃんのところに行きたい一心で頑張る訳で・・
《ボンネット》は何回も落っこちながらここまで来た・・
ユリぼうず 「・・・」
ユリぼうず 「ここは高くて危ないから降りなさい」
ボンネット 「ヤダ・・」
ユリぼうず 「危ないからっ!」
毎日がこんなことの繰り返しだ
魔女が気晴らしに《ユリぼうず》をお庭に出してあげても
「《ボンネット》どうしてる?」
と心配して、すぐに帰って来てしまう
今もこの暑い中、遊びつかれた《ボンネット》と
育児疲れの《ユリぼうず》が爆睡している
魔女 「このままじゃ《ユリぼうず》、ホルモンのバランスが狂って本当にオカマになっちゃうぞ・・」
アゾ 「そっ、そっれは おもしろい ねっこ だがの!」
私 「何言ってるの! 早くなんとかしなくちゃダメだよ」
ジンジン 「暑苦しいもんね」
水玉 「誰がだよ」
ジンジン 「見てる僕らが」
水玉 「おまえ・・ そんな問題じゃないだろう!」
ジョン ブリアン 「僕は・・《ユリぼうず》が《ボンネット》の母ちゃんで忙しくしてくれれば襲われなくて済むから助かる」
私 「それは分かるけど、《ユリぼうず》が《ユリぼうず》じゃなくなってるんだよ」
アゾ 「お、おっかまになったら おっそわない だろかぁ~」
私 「自分の事ばっか言わない!」
アゾ 「ほ、ほんなら 《インジャゴ》 おめえ い、い、いっぺん おっそわれて みれや」
魔女 「でもさあ、これ以上心が追い詰められてノイローゼがひどくなったら、ある日突然プッツン・・ってキレて、前より凶暴になるかもよ」
ジョン ブリアン 「ええ~!!」
アゾ 「じょ、じょえ~!!」
私 「ねえ、私たちも《ボンネット》の育児をしようよ」
水玉 「えっ 僕も?」
私 「だから、みんなでするの!」
水玉 「だって僕男だぜ!」
ジンジン 「《ユリぼうず》だって男じゃん」
私 「そうだよ、自分だってさっき 『そんな問題じゃない!』 って言ってたじゃない」
水玉 「育児なんかしたことないよ」
私 「《ユリぼうず》だってないよ! それだってひとりで一生懸命にやってるじゃん」
ジョン ブリアン 「今までよりもっとひどく襲われるくらいなら
僕・・育児する」
アゾ 「あ、あじょは あっそんで やるかぁ~ どうでっしょ」
私 「うん、《アゾ》はまだ子供だから遊んであげて」
アゾ 「そ、そいじゃ・・ あ、あ、あっそぶか!」
今日からみんなで《ボンネット》の育児をすることになった
これからどういう毎日になるんだろう
《ユリぼうず》は元の《ユリぼうず》に戻れるかなあ