病気の《ボンネット》と僕の心 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


僕は、魔女に僕の心がどんなか知って欲しくて

お部屋にいる間はいろんな事をやってみる


魔女に声を掛けられても横を向いてお返事をしなかったり

部屋の隅っこで丸まってみせたり

《ボンネット》と目が合うとおかしな声を出してみたり

わざとご飯を残してみたり

ベランダの手すりで遠くばかり見ていたり


僕の気持ちをもっともっと印象づけたくて

テーブルの下で猫用ひざ掛けに何時間も潜り込んでみたり


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白いひざ掛けの中には、《ジョン ブリアン》がいる

この時々動く布が不思議でしようがない《ボンネット》


昨日もクロジャットで寝たし・・

夜中にまた魔女が来て声を掛けてきたけどお返事しなかったし・・



そして今日、僕はお部屋でまたひざ掛けに潜り込んでいた

すると、どこからかおかしな声が聞こえて来た

僕はひざ掛けのはじっこから声のする方を覗いてみた


( あ・・ 《ボンネット》の様子がおかしい )


みゅ~みゅ~鳴きながら・・

お部屋の中にある木の後ろの床にウンチしちゃった!

あ、また苦しそうな声を出しながら今度は下痢しちゃってる


それをみゅ~みゅ~鳴きながらザッザしてる

何だか辛そうな鳴き方だ・・


わあ、今度は吐いた!

また吐いた!


とことこって少し走ってまた吐いた

またとことこ走って吐いてる!


僕はひざ掛けから飛び出して台所に走った


僕  「魔女ぉ! 《ボンネット》が大変!」


魔女 「どうした?」


僕  「早く!早く! 《ボンネット》が苦しそう! こっちだよ」


魔女 「わっ、《ボンネット》、どうした!」


それからも《ボンネット》は吐き続け、終いにはぐったりしてしまった


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魔女は《ボンネット》をクッションに寝かせ

汚した所を何回か拭いてきれいにした


それからは軍団も集まって来て、みんなでぐったりしちゃった《ボンネット》を心配し始めた

魔女はずっと頭をなでて、軍団もまわりを取り囲んでいる


僕はそっとお部屋を出て行った

外に出た

お庭は草ぼうぼうで、匂いが強い草が花を咲かせてる

お庭はいつもと変わらないのに、僕の心はいつもとぜんぜん違ってる

憂鬱な気持ち・・ 

何だか楽しくない気持ち・・

苛々する気持ち・・


一回家の中に戻ってみたけど

やっぱりみんなは《ボンネット》を取り囲んでいた


ユリぼうず 「病院に行く? 僕、付き添いで行ってさしあげる」


魔女 「少し様子を見てみよう・・」


ジンジン 「小さいから可哀そうだね・・」


インジゴ 「心配だよ・・」


アゾ 「うっ、うっごかない ですからぁ」


ユリぼうず 「病院!」


魔女 「腸炎を起こしてるね、でも今日は病院やってないから一晩

    様子を見ようか」


水玉 「すっごい吐いてたみたいだぞ」


ジンジン 「大丈夫かな・・」


アゾ 「う、うっごかない・・」


インジゴ 「一瞬で痩せちゃった感じがする・・」


みんながまわりを取り囲んでいるから僕からは《ボンネット》の様子が見えなかったけど

魔女の言葉は聞こえた


魔女 「私、《ボンネット》が心配だから今夜ここで寝るかな」


みんな 「魔女、ぼくたちが見てるから大丈夫だよ」


(何だよ、僕がクロジャットにいても誰も探さないくせに・・ 

この前僕が吐いた時だって魔女なんて心配もしなかったし)


僕はそのまま2階の猫用出入り口から外に飛び出した

そしてそのまま、あちこちを歩き回った


家が嫌だったから、どんどん遠くまで来てしまった


気がつくと・・

そこは《ハナクソ》の縄張りだった


(戻らなきゃ・・)


そう思って、来た道を戻りかけた時・・


「おい、待てよ」


横の家の塀の上から・・

大きなノラ猫の《ハナクソ》が

ドサッという音と一緒に、僕の目の前に飛び降りて来たんだ


つづく