ジョン ブリアン
僕は・・
僕は《ボンネット》がやって来た時
とっても嬉しかった
駐車場で、魔女に抱かさった《ボンネット》を見た時
「わあ!」って思った
でも
魔女は《ボンネット》の世話ばかりして・・
僕が話しかけても
「後でね」 って言う
《ボンネット》の写真ばかりとって
僕が猫ハウスのてっぺんに乗っかって
「魔女ぉ~、見て見て!」 って得意の顔をして見せても
僕の写真はとってくれない
家族だってそうだ
家族①は毎晩ひもで《ボンネット》を遊ばせてばかり
みんな《ボンネット》の写真をシャキ~ン、シャキ~ンってとって
みんなが《ボンネット》ばかり見ていて・・
僕は何だか嫌な気持ちになって
お部屋を飛び出した
こんなお部屋にはもう帰らないからね
外をうろついて、夕方になって
ご飯の時間だな・・
どうせ僕の事なんて忘れてるね
「《ジョン ブリア~ン》、ご飯だよ~」
魔女が僕を呼んだから、ちょっと嬉しくなってお部屋に走った
ご飯を食べる
(ん・・ 何で《ボンネット》が僕の隣にいるんだよ)
ご飯を食べ終わると・・
インジゴ 「《ボンネット》、こっちにおいでよ」
ジンジン 「《ボンネット》、僕のしっぽで遊んでいいよ」
ユリぼうず 「《ボンネット》、僕が一緒に寝てさしあげる」
軍団も魔女も家族も、みんな《ボンネット》を可愛い、可愛いって・・
僕はまた外に出た
けど、行く所もないから駐車場の車の下にいた
夜になった
雨になった
家に入ったけど、お部屋からは楽しそうな声が聞こえるから
僕はそんなお部屋に入らないで、階段を降りた
(どこで寝よう・・)
階段を降りた所に魔女の洋服のお部屋がある
僕は利き手でその部屋の戸を少し開けた
そしてそこに入り込んで
一番下の段の引き出しがちゃんと閉まっていないのに気づいた
(ここで寝よう・・)
その引き出しは僕が入ると丁度良いくらい出っ張っていて
そこに入ると服から魔女の匂いがした
今日からここを僕のお部屋にしよう・・と思った
夜中にここの電気がついて
魔女が僕に話しかけた
けど僕は丸まって、顔を隠して寝たふりをしてた
魔女が何回話しかけても、絶対に寝たふりをした
僕は朝までずっとそこにいた