ユリぼうず
魔女が《べス》とトミニャガさんを動物病院に連れて行くことになって
僕は勝手にお供する事にした
トミニャガさんが
す、すごい・・
まるでお城のような籠に《べス》を入れて戻って来た
僕ら&魔女 「すごお~い!!」
トミニャガさん 「凄いでしょ!」
インジゴ 「宝石がついてるよ!」
ジョン ブリアン 「お城みたい!」
トミニャガさん 「高かったんですのよぉ」
魔女 「いったいどこでそんなお城みたいなバスケットを買ったんですか!」
トミニャガさん 「外国製ですの」
魔女 「自己満じゃぁ・・」
トミニャガさん 「何ですって!」
魔女 「だって、中に入っている《べス》には外の豪華さなんかわかんないじゃん」
トミニャガさん 「・・」
魔女 「ほらあ~」
トミニャガさん 「・・あのね、この前の猫用ダウンジャケット、あれも外国製なのね、いえ、外国製だった・・」
魔女 「・・」
注) このダウンジャケット騒動についての日記は こちらと
こちらから
そんなこんなで、何だか気まずい雰囲気が漂って・・
とにかく僕らは出かける事にした
トミニャガさん 「なあ~んですの、この車の狭さは!後ろには席がないの?!」
魔女 「すみません、2人乗りなんで・・ でも狭いのはトミニャガさんの横幅にも問題が・・ないとも言えない?」
トミニャガさん 「何をごちゃごちゃと!!」
それは大変な図だった
便利機能がことごとく無視された2人乗りの車では
トミニャガさんは《べス》の入ったお城みたいな籠をひざに乗せるしかなく
その上大きなバッグを持っているので
それをどこに置くかで四苦八苦していた
結局そのおフランス製の高級バッグは足元に置くしかなく
トミニャガさんはそれが相当不本意らしく、ぶーぶー文句を言った
僕はいつも通り、後ろの窓のところに陣取った
さあ、出発だ!
トミニャガさん 「ちょお~っとお、魔女さんっ!!」
魔女 「何か忘れ物ですか?」
トミニャガさん 「なにもそんなにスピードを出さなくったって!」
魔女 「あのう、走り出したばかりなんですけど・・」
トミニャガさん 「怖いっ!」
魔女 「そんな・・ これ以上ゆっくりなんて走ったら《ユリぼうず》の機嫌が悪くなっちゃう」
トミニャガさん 「ダメッ!!」
魔女 「ノロノロ運転なんて・・ カッコ悪・・」
トミニャガさん 「重たい・・ 籠が重たい・・」
魔女 「知りませんよ、 それよりトミニャガさん、お城の籠とおフランス製のバッグ持って、髪の毛がそんなにむちゃむちゃで良いんですか?」
トミニャガさん 「わあ、嫌だ! 鏡、鏡・・」
魔女 「目の前の日よけを降ろすと裏が鏡になってますよ」
おフランス製のバッグにはヘアブラシまで入っていて
トミニャガさんはその鏡を見ながら一生懸命に髪を直した
トミニャガさん 「これで大丈夫だわ、 ん・・?
ところで魔女さん、これはなあに?」
トミニャガさんが、日よけを裏返したら現れる何かを目にして聞いた
魔女 「ああ、それはこっちにもあるんですけどね、
オープンカーにする時にここをこうすると・・」
トミニャガさん 「ああ・・ ここをこうする訳ね」
魔女 「わあ、何やってるんですか!
トミニャガさんは私と同じ事をやっちゃダメ!!」
この後、悲惨な事が起こるんだ・・
だけど、つづく